自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

「お洋服着よう」「着ない!」「ご飯食べよう」「食べない!」そのくせ「じゃあママが食べちゃうね」というと「食べる!」
なんでも言われたことに反対する…“あまのじゃく”な子どもたちに困る!


何かと忙しい朝の時間、急いで着替えてごはんを食べて…とスムーズにいかないのが子どもたち。
決してごはんの時間が嫌いなわけではないのに、なぜか「食べない!」と主張して、テコでも動かない!それならママが貰っちゃうね、と言ってみると、今度は「食べる!」と突然の主張変更…なぜか反対のことをされてしまう…

SNSでは2~4歳の子どもたちを中心に見られたエピソードだが、反対のことを言ってパパママを困らせちゃう子どもゴコロって、どうして?

育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。


――「あまのじゃく」な言動はどうして起きるの?

佐藤氏:
あまのじゃく発言に何歳特有というのはありませんが、1歳後半から3歳くらいに見られるイヤイヤ期では、子供は自我を発達させる過程で、自己主張を強くするようになります。自分で決めたい、やりたいという気持ちが強まるため、親からの「○○して」という形の指示に強く反抗することがよくあります。


――「あまのじゃく」になってしまう子どもゴコロの理由は?

イヤイヤ期により、自我が成長しているゆえの自己主張、これがこの時期のあまのじゃく行動のもっともな理由づけですが、それに加え、人間全般に共通する心理として「心理的リアクタンス」というものがあります。

心理的リアクタンスとは、今から50年ほど前に、アメリカの心理学者・ブレーム博士が提唱した理論なのですが、「説得されると、抵抗したくなる心理」を指します。実は私たち大人もよく経験している心理現象で、たとえば、お店の人にある商品を強く勧められたり、何かの契約などで、これが絶対おすすめですよ、などと言われると、急に買う気がなくなったり、気持ちが萎えたりということがあると思いますが、それを「心理的リアクタンス」と言います。

どういうときに起こりやすいかというと、自分の選択的自由が外部から脅かされたと感じたときです。人間は、もともと自分の意思で自由に決定し、行動したいという欲求があるため、その選択的自由が奪われた感覚に陥ると、とっさに反抗して、失いかけた自由を取り戻そうという心理が働きやすくなります。

今回例にあった

「ご飯食べよう」→「食べない!」
「じゃあママがもらおう!」→「食べる!」


もそうですが、よくあるのが、

「宿題やりなさい」→「今やろうと思ってたのに、もうやる気なくした」

に見られる「今やろうと思ってたのに発言」もこれが関係しています。
親の指示に反対することで、自分が意思決定しているという感覚を得たり、自分の中の均衡を保ったりしています。


――では、あまのじゃくな言動にどう対処すればいいの?

心理的リアクタンスは一般的な人間の心理なので、よく見られる現象ではあるのですが、とくにイヤイヤ期は、このようなあまのじゃく行動・言動が増えるので、親が困ったと感じやすい時期でもあります。少しでもスムーズにいかせるために、親の方も声のかけ方を工夫するのはいいアイデアだと思います。
一方的に物事を決めつけてしまうと、反抗心は芽生えやすくなります。よって、同じ行動をやるにしても、親が「○○しなさい」と指示を出す形よりも、子供自身に選ばせると事がスムーズに進みやすくなります。

たとえば、

「朝ごはんとお着がえ、どっち先にしたい?」
「このクッキーとこのおせんべい、どっちがいい?」


このとき、親の体制に大きく影響しない選択肢を2つ並べておけば、余裕を持って対応しやすくなります。もちろんすべての状況でいい選択肢が設定できるわけではないと思いますが、活用できる場面では有効な策になります。一方的に決められると反抗したくなるけれど、「自分で決めたんだ」という感覚が得られれば、満足することも多いので、困ったときはそういう形に落とし込めないかを検討してみるのもおすすめです。

あまのじゃくな事を言ってしまう子どもたちのココロは、「自立したい!」という成長と、「自分で決めたいのに、なんで先に言っちゃうの!」という不満な気持ちの表れかも。
「今やろうと思ってたのに!」という気持ちはきっと大人でもよくわかるはず。
「自分で決めることができた!」という満足感を育ててあげれば、子どもゴコロにもしっかりと伝わってくれるだろう。

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(漫画:さいとうひさし)