名古屋市千種区の池で、スイレンを抜く作業が行われた。見た目以上の重労働。それにしても、美しい花を咲かせるスイレンをなぜ抜いたのか、取材した。
落ち葉や死骸が生み出すガスも…異臭も立ち込め参加者ら苦戦
名古屋市千種区にある「東山新池」。50人近い大人が、胴長、ライフジャケット、そして長い棒を装備して池の中へ。目的は池にはびこったスイレンを抜くこと。

参加した男性A:
血管みたいにそこらじゅうに根を張っとる

つま先をスイレンの茎の下に入れて浮かせ引き上げるのがコツだが、複雑に絡み合い、しかもとても重く、なかなかうまくいかない。

ここで、さらなる問題が発生。
参加した男性B:
メタンガスみたいなのが出てるから絶対臭いよ
落ち葉や死骸が分解されたガスが放出され、臭いが強烈。参加者を苦しめる。

ところで、きれいな花を咲かせるスイレンをなぜ抜こうというのか?
なごや生物多様性保全活動協議会の小菅崇之さん:
水面に葉っぱがすごく広がると、池の中の酸素が不足してしまうので、生き物が減っていく
実はこのスイレンは、ヨーロッパや北アメリカを原産とする外来種。

成長が早く、放置すると茎や葉が池全体を覆ってしまう。すると葉が太陽の光を遮り、他の植物が光合成できず水中の酸素が減少。結果、在来種が死んでしまうなど、生態系に悪影響を及ぼす。

スイレンを懸命に抜くこと約1時間。かなりの量を抜いたが、池全体の1割にも満たないという。今後もスイレンを抜いていくという。

参加した男性C:
頑張りました。明日はたぶん筋肉痛だと思います
参加した女性A:
やってみて思ったよりすごく大変でした。私のキック力だとなかなか取れなかったんですけど、どうにか頑張って少しだけお力になれたと思います

千種ライオンズクラブの野々山貴久さん:
それぞれ池ごとに状況が違うと思うので、その問題を我々がクローズアップして、周りの方々に認知してもらえるような取り組みの一つになればなと思います
(東海テレビ)