自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家が注目したのは、こんなお話。

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「それ、知ってるなあ…」と思ったら…記事の続きをチェック!
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「お話を考えたの!と言ってきたので聞かせてもらうと、有名な絵本とそっくりなストーリー…本当に自分で考えたの?と確認しても『私が考えたんだよ!』と自信満々。これってどうすればいいの?」


「自分で考えたものだよ!」と見せてもらったものが、実はよく知っている“元ネタ”ありのものだった…ネット上では他にも「有名な俳句を自作だと言う」「なぞって描いた絵や親が描いた絵を自分が一から描いたと言う」などの体験談も。

好きなものを真似してみるのはいいけれど、それを「自分で考えたんだよ!」と言われると、ついつい「違うでしょ!」と叱りたくなってしまうもの。
テレビで見たものや聞いたことが記憶に焼き付いていて、それをそのまま自分の体験談として語ってしまう…というのは子どもたちの「あるある」だけれど、これもやっぱり、自分で考えたものとそうでないものがごちゃ混ぜになっちゃっているだけ?それとも、褒めてほしい気持ちから“ウソ”をついちゃうの?

育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

さらりと「知っている」ことを伝えてあげて

――「自分が作ったもの」と言ってオリジナルじゃないものを見せちゃう…これってどんな理由があるの?

見聞きした作品をいつのまにか自分のアイデアだと混同している、このようなことももちろん中にはあるかと思いますが、「これを伝えたら認めてもらえるだろう」という承認欲求の部分が大きいように思います。

もしそれが、前にも後にも1回きりというのであれば、きっと本当に混同していたのだと思われますが、繰り返されるようであれば、おそらくは後者でしょう。

そこには、親をあざむこうという思いはないはずです。でも結果的にはウソをついているとも捉えられるため、親側からすると、不安になったり、イラっとしたりと心穏やかではいられなくなることも多いのではないでしょうか。


――こういう言動が出てくるのは、何歳ごろの特徴?

今回の展開は、これまでにこの「もやもや育児コーナー」で取り上げてきた“みんながやっちゃう”という育児のあるあるには当てはまらないかもしれません。やる子はやるけれど、やらない子はまったくやらない、こんな感じに分かれるかと。
ですので、何歳とは言い難いのですが「これを言ったらきっとパパやママがびっくりするだろう」という知識が題材になりやすいでしょうから、やはり小学生以降が多いのではないでしょうか。
もっと小さい子でも、題材が絵本だったりすればあるかもしれません。いずれにしても、相手の反応を引き出せることが、繰り返しのきっかけになりやすいと思います。


――子どもの作品の“元ネタ”に気付いちゃった…パパママはどうするのがいい?

もしはじめてそういうことを言ってきたのであれば、だれでも間違いはあるものだし、きっと勘ちがいしているのかもと捉えつつ、「それは○○の有名な作品だよ」などとさらっと教えてあげるのがいいと思います。ネットでデータを拾うのもいいかもしれません。「あ、ママは知ってるんだ」と子どもの気づきをもたらせるといいと思います。

そもそもこういうことが起こりやすいのは、子どもたちがまだまだ全体像を捉えられていないためだと感じています。ここで言うなら「その作者がどれくらい日本で有名か」を知らないがために、世間全般が知っている知識だとは思わず、「きっとこれを言ったらママがすごいとほめてくれるだろう」という思いが勝ってしまうのだと思います。

問い詰めに関してですが、うっかりであっても、わかってやっている場合でも、「本当に自分で考えた?」と聞かれて、「自分で考えてない」とは答えにくいものです。どうしても「そう、自分で考えた」と言い張りたくなってしまいます。それが親にとっては「ウソをついている」と響くので、自分をいら立たせないためにも、逃げようがない問いはしない方が賢明だと思います。

子どものウソにどう対応していくかのヒントになるのが、カナダのある研究です。それによると、「狼少年」の物語よりも「ジョージ少年と桜の木」を読み聞かせしてもらった子の方が、自分の行為を「やっちゃった」と認める割合が高かったそうです。これは、ジョージ少年が父親が大事にしていた桜の木を切り倒してしまったことを告白したところ、父親はその正直さをほめたという物語です。

これでもわかるように、狼少年に見られる「ウソをつくと痛い目にあう」というメッセージよりも、「正直であることは素晴らしい」という道徳的な教えの方が子どもの学びにつながりやすいようです。

今の時代は、勉強ができればほめられる、スポーツができればほめられる……と点数や順位で判断されることが昔以上に増えています。それが子どもたちに「できる子の方が受け入れられる」という認識を促してしまうことがあります。

ですので、もし点数や順位ばかりに注目してしまうほめ方を日ごろからしているなという方は、そこを見直してみるのもいい対策になるように思います。点数をほめてはいけないというのではなく、その子を丸ごと受け入れているかという大前提を改めて意識してみるということです。

「私、火星に行ったことあるよ!」ちいさい子のこんな発言は、決してウソをつこうとしているわけではなく、空想と現実の境目があいまいな時期にあるから。
今回のパターンは「これが自分の作品だと伝えたら、パパママは驚くかも!」「これを作ったと言ったら、褒めてもらえるかも!」という承認欲求の部分が大きいのではとのことだった。

その際、子どもたちは「この作品、とっても有名だから私が作ったと言ったらバレちゃうかも…」とまでは考えられないため、大人たちからすると「バレバレなウソをついて、まったく!」となってしまうのだ。

そしてそんな時、「本当に自分で考えたの!?」「ウソはだめ!」ときつく問い詰めてしまうのは、子どもたちも本当のことを言い出せなくなってしまい逆効果。シンプルに「これは○○っていう作品だね」「この作品を知ってたの?すごいね!」など、“軌道修正”してあげるのがよさそうだ。

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※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)