三重の伝統工芸「伊勢木綿」を活用したスピーカーが誕生した。伝統的な行灯型でありながら、照明には高性能のLEDを使用するなど、最新技術がつぎ込まれている。

和室でもオーディオを楽しめるようにと行灯型に

三重県鈴鹿市の「鈴鹿回路設計」は、個人や企業からオーダーメイドで発注を受け、音響機器を設計・製造している。

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代表の鹿田景之さん(34)は、2011年に世界初の電池式の真空管アンプを製作。持ち運べるオーディオ機器を開発するなど世界から注目されている。

鹿田さんが今回開発したのが「和風のスピーカー」。

鹿田景之さん:
三重の伝統工芸である伊勢木綿を使用した和風スピーカーで、外の枠には三重のキリとヒノキを使用しています

伊勢木綿は、津市で江戸時代から続く伝統工芸品。他の木綿に比べて、糸の状態が綿に近く、柔らかな質感が特徴。

鹿田景之さん:
(木綿は)雑音の吸収が非常に優秀なんですね。それで音が自然で、よりキレイな聴き心地のよい音になります

柔らかさが特徴の伊勢木綿が、余分な音を吸収する「吸音材」の役割を果たしているという。

伊勢木綿が覆っている周りの部分が、一般的なスピーカーのメッシュ部分に当たる。

ちなみに行灯型にしたのも、自然な音の広がりを追求した結果だ。

鹿田景之さん:
私が和室に住む機会がありまして、そこに合うスピーカーを探したんですけども、市場になかなかそれがないことに気付いて、ないなら自分で作ろうと思って作りました

和室でもオーディオを楽しめるようにと2年かけて開発。伝統的な行灯型でありながら、照明には高性能のLEDを使用。さらにBluetoothでの再生も可能と、最新技術がつぎ込まれている。

地元の伝統工芸の良さを生かした、古くて新しいオーディオ機器「ワイヤレススピーカー明和音(あかね)」は完全受注生産で1台5万9000円。

(東海テレビ)

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