10月25日、北海道などを中心に174地点で、最低気温が0度未満の冬日に。10月中に冬日が150地点を超えたのは、6年ぶりです。冬のような寒さの到来で、街には冬支度を急ぐ人たちの姿が。
「めざまし8」は衣・食・住、それぞれの現場を取材。 “値上げ”の影響が見えてきました。

【住】家電選びに異変…“どれだけ節電できるか”

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めざまし8の取材班が訪れたのは、東京・八王子市にある家電量販店の冬物家電のコーナー。

副店長によると、原油価格の高騰で輸送コストなどが上がり、機種によっては1割程度“値上がり”しているものもあるといいます。
商品価格とともに、客が気にしていたのは電気代です。

冬物家電を見に来た客:
電気代が上がってるので、よりそれを節約できるものは何かなっていう。電気代がもう極端に上がってるから、より省エネのものは、どういう形がいいのかって

暖房器具選びも、“どれだけ節約できるか”が、重要になっているようです。
そんな値上げの冬で、いま売れているのが、電気で温まる膝掛け。消費電力も非常に抑えられており、電気代を気にせず快適に温まることができると人気だといいます。

【衣】衣類選びはリサイクルショップで?

次に取材したのは、都内にある大手リサイクルショップ「トレジャー・ファクトリー」。
急な寒さで、冬物の服を買いに来たという女性は「物価高の中で結構、安く購入できるので、いいものを安く買いたいなと思って来店しました」と話します。

物価高の影響もあり、着るものは節約をしようと考える人が多いのか、この店では去年(2021年)と比べて、衣類の売上がアップしているといいます。

トレジャー・ファクトリーエリアマネジャー 中島麟太郎さん:
今年(2022年)は特に、冬物の洋服の売れ行きが好調で、衣類の売り上げが前年に対して30%上昇となっております。特にジャケットとか、コートですとかの動きが活発になってきています

【食】冬の定番料理がピンチ!?食事に欠かせない“だし”にも影響

続いて向かったのは、多くの店が軒を連ねる、上野のアメ横商店街。
冬の定番、鍋料理に欠かせない“だし”などを販売する株式会社「伊勢音」の山崎代表は、この冬の値上げの厳しさを話します。

株式会社 伊勢音・山崎好茂 代表取締役:
原価というか、それ以外のものがもうすごい上がってきちゃっているんでね。
特にかつお節関係が非常に問題が大きいんです。まずかつお節をとるっていうことは、基本的に海に船が出ていかなきゃならないわけですね。“漁場に行くまでの燃料代”っていうのが高騰しちゃっているわけですね

さらに、梱包材なども高騰していることから、かつお節の値段は去年(2021年)の倍近くにまで上がっているといいます。

“物価高の冬”今後の影響は? 専門家「少なくともあと半年は上がる」

「寒さ」と「物価高」のダブルパンチとなりそうなこの冬。
9月に発表された、家庭で消費する物やサービスの値動きを表す「消費者物価指数」は、2021年の同じ月と比べ3%も上昇していることが分かりました。
これは消費税率の引き上げの影響を除けば、31年1カ月ぶりの歴史的な上昇幅となります。

物価が上昇した品目として、食品では「食パン」が14.6%、「から揚げ」が11.3%。電化製品では「ルームエアコン」14.4%、「ドラム式電気洗濯機」32.1%。
さらにエネルギー関連は、電気代21.5%、ガス代19.4%と、2021年の同じ月と比べると大幅な値上げに。

消費者物価指数は今後どうなっていくのでしょう。

明治安田総合研究所のフェロー チーフエコノミスト・小玉 祐一氏は、今後半年で3.3~3.5%上昇する可能性を指摘。「円安の影響はタイムラグを持って波及するので、物価高はしばらく続く。少なくともあと半年は価格が上がる」といいます。

寒さ的にも、お財布的にも「厳しい冬」が到来しそうです。

(めざまし8 10月26日放送)