地元を愛する新潟県胎内市出身の若者4人組。牧場にある林を利用したキャンプ場で、”人が集まる場所“づくりに取り組んでいる。地域活性化の起爆剤になればと、地元で採れるハーブを使った商品の開発も進めている。大好きな地元を次の世代へー。魅力を発信しようと、4人が運営を始めたキャンプ場を取材した。

「人が集まる場所つくりたい」 若者4人が運営するキャンプ場

優しい木漏れ日に爽やかな風が通り抜ける林。その中で穏やかな時を過ごすキャンプ場がある。

お客さん:
マイナスイオンを感じられる

お客さん:
家の近くに、こんな素敵な場所があると思わなかった

キャンプ場「SLOW PADDOK」(新潟県胎内市)
キャンプ場「SLOW PADDOK」(新潟県胎内市)
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2021年11月、胎内市築地にオープンした「SLOW PADDOK(スロウパドック)」。管理するのは、胎内市出身の小熊龍太郎さん(27)。

小熊龍太郎さん:
キャンプ場は「胎内市に新しく楽しめる場所をつくりたい」という思いで。そこで人の交流が生まれれば一番いい

「SLOW PADDOK」を管理する小熊龍太郎さん
「SLOW PADDOK」を管理する小熊龍太郎さん

キャンプ場の草刈りをする小熊さん。一緒に作業をするのは、胎内市出身でフォトグラファーの平野伸哉さん(27)。

このキャンプ場は小熊さんと平野さんを含めた、胎内市出身で別の仕事をしている同世代4人が地域を盛り上げようと結成した「BASE CRAFTER(ベースクラフター)」により運営されている。

小熊龍太郎さん:
胎内市は人口が減少する一方。まずは人が集まる場所をつくって、胎内市の魅力を感じてもらう

木の枝を切る平野さん。林の中のキャンプ場を気持ちよく利用してもらえるよう、計算して切っている。

平野伸哉さん:
いい木漏れ日具合になるように。散歩やピクニックをするお客様に気持ちよく過ごしてほしい

ウマとのふれあいも! BASE CRAFTERを応援する競馬の元騎手

BASE CRAFTERがキャンプ場を運営するようになったのは、林の立地に理由があった。

キャンプ場があるのは、引退した競走馬などが暮らす牧場「松原ステーブルス」の敷地。松原ステーブルスは競馬の元騎手で調教師の松原正文さんが2005年に立ち上げた。

松原ステーブルス 松原正文さん
松原ステーブルス 松原正文さん

松原ステーブルス 松原正文さん:
騎手や調教師としてウマに世話になって、家族を養った。その恩返し

胎内市が大好きな若い4人によるBASE CRAFTERを知った松原さんが、牧場にある林の利用を提案した。

松原ステーブルス 松原正文さん:
気に入ったのは、BASE CRAFTERの一生懸命なところ

小熊龍太郎さん:
乗馬など、ウマとふれあいながらのキャンプを考えている

胎内市の新たな特産品へ! “ハーブシロップ”通して自然の豊かさPR

BASE CRAFTERの活躍はキャンプ場だけではない。平野さんが訪れたのは、胎内市大長谷にあるハーブ畑。

ハーブ畑
ハーブ畑

管理栄養士の資格を持つ平野さんは胎内産のハーブを使ってシロップを製造している。ハーブの手入れをするのは、地域おこし協力隊として活動する森麻衣子さん。

胎内市地域おこし協力隊 森麻衣子さん(右)
胎内市地域おこし協力隊 森麻衣子さん(右)

地域おこし協力隊 森麻衣子さん:
ハーブの活用方法で悩むところがあったので、ハーブシロップの商品化はとてもうれしい

この日はハーブ畑がある大長谷地区の人に、試作品のハーブシロップを味見してもらった。

ハーブシロップの試飲会
ハーブシロップの試飲会

ハーブシロップを試飲した人:
なんとも言えない良い香りがする

ハーブシロップを試飲した人:
地元で採れているので、地域活性化の起爆剤になればいい

評価は上々。BASE CRAFTERとしてボトルで販売し、胎内市をアピールする商品を目指す。

ハーブシロップを胎内市の特産品に!
ハーブシロップを胎内市の特産品に!

平野伸哉さん:
胎内市は自然が豊かだということを、ハーブを通して伝えたい

「後世に残したい土地」 胎内市の様々な魅力をキャンプ場から発信!

BASE CRAFTERが運営するキャンプ場「SLOW PADDOK」。胎内市の飲食店などが協力するマルシェでは、多くのお客さんが自然も一緒に満喫している。

「SLOW PADDOK」でマルシェを開催
「SLOW PADDOK」でマルシェを開催

お客さん:
自然は豊かだし、胎内市にもオシャレなところがあったんだなと

お客さん:
乗馬もできるので、キャンプをしてみたいなと思った

にぎわう「SLOW PADDOK」
にぎわう「SLOW PADDOK」

野菜を販売する桐生佳樹さん(28)はBASE CRAFTERの一人で胎内市出身だが、今は福島で農業の研修中。桐生さんは2023年春に胎内市に戻り、農家として野菜を育てながら、BASE CRAFTERの活動を続ける予定だ。

桐生佳樹さん:
BASE CRAFTERの活動を絡めながら、胎内市の食を盛り上げるような農業をやりたい

大勢がマルシェを楽しむキャンプ場に、牧場の土地を提供する松原さんの姿があった。

松原ステーブルス 松原正文さん:
若い人が開拓していくと、楽しい地域が残る

マルシェではBASE CRAFTERが商品化を目指すハーブシロップもお客さんへ提供された。

平野伸哉さん:
胎内市が大好き。後世に残していかないといけない土地だと思っているので、そこが原動力になっている

ハーブシロップを提供する平野さん
ハーブシロップを提供する平野さん

「胎内市が大好きだから次の世代につなげたい」魅力を見つけて輝かせる、地域の創り手たちだ。

(NST新潟総合テレビ

NST新潟総合テレビ
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