119番を受けて救急車を出動させる、消防の「指令課」。密着すると、新型コロナウイルスの対応にも追われる様子が見えてきた。
「間違いは許されない」 緊張感漂う救急要請の現場に密着
「はい、119番消防です。火事ですか?救急車の要請ですか?」
9月5日、新潟市消防局の指令課。119番の受信音が、朝から絶え間なく鳴り響いていた。

新潟市消防局・指令課 熊木貴純 消防司令:
119番が入ると、相手方から救急か火災かの種別を聞く。その後に出動する場所を聞いていく。間違いは許されないので、常に緊張した中での勤務となる

119番通報を受ける「指令課」は、消防車や救急車を出動させる司令塔だ。

部屋の大きなモニターには、市内の救急車両などの出動状況が一覧で表示されている。赤は「出動」「現着」、緑は「引き揚げ」、黄は「整備」などに色分けされ、ひと目で使用状況が分かるようになっていた。
一刻を争う場合もある、119番。

通報者対応:
場所が確認できましたので、救急車向かわせますね。呼吸はしていますか?していない…
こういった事案ですと、警察にも連絡しますので、あなたのお名前を教えてください
新型コロナ禍で増える負担…“救急車の適正利用”心掛けを
24時間体制で日々通報に対応する中、2022年の救急要請は「例年と少し違う傾向にある」という。

新潟市消防局・救急課 笠原篤 消防司令:
7月・8月については救急の要請が多くなった

猛暑で熱中症患者が相次いだ上に、新型コロナウイルスの第7波が襲った、2022年の夏。
新潟市消防局では、2021年に比べ、8月の救急要請の通報が約15%増え(速報値)、実際に救急車が出動した件数は、700件以上多い4126件に上った。
しかし…

新潟市消防局・救急課 笠原篤 消防司令:
例えば新型コロナであれば、「どうしていいか分からない」と不安・心配になって119番をしてくるという方が一定数いる
新型コロナウイルスの患者では、本当に急を要する通報かどうか疑問なケースもあると言う。
取材中にも…

通報者対応:
それで陽性が出たんですかね。陽性が出て…

救急隊対応:
1週間ぐらい前から新型コロナになって、ちょっと弱ってきていると。保健所には連絡していない、キットで調べただけ。それで医者も行っていないと
それでも、救急車は出動する。

新潟市消防局・指令課 熊木貴純 消防司令:
緊急でないかどうか、私たちのほうで判断ができないので、119番で助けを求める要請があれば、出動するという形を取っている

一方、意識がない場合や顔色が明らかに悪い場合、胸が痛かったり、多くの冷や汗をかいたりしている場合などは、「迷わず救急車を呼んでほしい」という。
新潟市消防局・救急課 笠原篤 消防司令:
新型コロナ禍で我々救急もそうだけど、病院の関係者など精いっぱい頑張っているところなので、救急車の適正利用も皆さんからもう一度考えていただければいいかなと思う
(NST新潟総合テレビ)