小学生が、魚の救出作業に乗り出した。取水期間が終わり水が減った農業用水路から、取り残された生き物を川に戻す取り組みだ。魚は苦しさから解放され、児童は自然に触れながら生態系を学べる。児童も大興奮の、一石二鳥の取り組みを取材した。

苦しむ生き物を児童が救出! なかには貴重種も!?

つい数日前まで、児童らの肩付近の高さまであった農業用水路の水が、くるぶし付近まで浅くなっていた。コメの収穫時期を迎え、田んぼに水を引く必要がなくなったため、水が減ったのだ。

北鯖石小学校の児童
北鯖石小学校の児童
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9月2日、新潟県柏崎市の北鯖石小学校 4年生が決行したのが、「お魚救出作戦」。
児童たちに課された任務は、その農業用水路に取り残され、逃げ遅れた生き物を救出し、川に放流することだ。

農業用水路から取り残された生き物を川へ
農業用水路から取り残された生き物を川へ

水深は児童の足首ほどしかないが、取り残されていたのは大物ばかり。児童も大興奮の様子だ。

大物を救出!
大物を救出!

水深が浅くなったことで、苦しそうにしているコイやフナを次々と網でつかまえ、バケツへと移していく。

児童:
こんな大物を救助できて光栄
ーーどんな思いで川に放流する?
死なないように、まだずっと生きてねって

児童:
命を救って、また新しいところに移してあげられるのは、いいことができたかなと思う

また、魚の他にもこんな生き物が…

児童:
毛カニ?なんか毛があるけど…

カニを発見
カニを発見

同行した、柏崎市の生態系に詳しい藤塚治義さんが、その正体を明かしてくれた。

柏崎市の生態系に詳しい 藤塚治義 さん:
モクズガニは、隣県では絶滅危惧種なので貴重種。前足の部分に毛が生えていて、これが藻屑に見えるということでモクズガニ。このモクズガニは、君たちよりはるかに長生きしています

助けた魚を放流
助けた魚を放流

この日、約15種類の生き物を救出した児童たちは、活動を通して鯖石川の生態系についても学んだ。そして最後は、鯖石川につながる排水路に魚を放流。

児童:
こんな近くにコイがいたとは思っていなかったからびっくり

児童:
ものすごく大きくなって、みんなに驚かれるような大きさになってほしい

柏崎市の生態系に詳しい 藤塚治義 さん:
今の子どもは田んぼや用水路に入ることはなかなかないので、こういった機会に身の回りの用水路とか田んぼにいる生き物を見てもらいたい

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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