和菓子の伝統を大切にしながらも、フォトジェニックな見た目の「ネオ和菓子」が今、若い世代を中心に注目されている。厳しい残暑が続く中、涼しげな見た目のネオ和菓子を取材した。
ネオ和菓子〈1〉 あんこ×フルーツ カラフルなようかん誕生!
洋素材の掛け合わせやフルーツを使用したようかん、宝石のように輝く琥珀糖など、伝統の和の要素を残しながらも、味も見た目もかわいく進化した新感覚の食べるアート「ネオ和菓子」。
百花園・太田新太郎 専務:
和の伝統を大切にしながらも、洋の要素を取り入れたようかんになっている
こう話すのは、新潟市中央区の老舗和菓子店「百花園」の太田新太郎 専務だ。ここで提供されているのが、フルーツを使うなどして、黄色や緑など色とりどりに仕上げた、透き通った見た目が美しいようかんだ。

ーーどのようなところが和の伝統?
百花園・太田新太郎 専務:
色合いに気をつけて作った。基本的に上生菓子には白・黒・緑・黄色・赤を使っているが、それを取り入れた
このように見た目にも鮮やかな6種類のようかんなど、百花園では、新たな和菓子の創作に挑戦している。


百花園・太田新太郎 専務:
「若い方が和菓子に馴染みがない」というのをよく耳にするので、その時代に合ったお菓子を展開していけるようなブランドにしていきたいと思って始めた
6年前に立ち上げたのは、ネオ和菓子に特化したブランド「HIYORIKA」。

百花園・太田新太郎 専務:
あんこの量は少し少なくなっている

若い世代にも味わってもらいやすいよう、あんこの量を調節。フルーツなどの素材の味を引き立たせ、食べやすくしているという。
新潟のブランドイチゴ「越後姫」を使った、赤いようかんのお味は?
山中麻央アナウンサー:
ようかんなのですごく甘いのかなと思いきや、ベリーの酸味がほどよく甘酸っぱい。そして、口当たりがとても滑らか。口の中に入れると、スッととろけるような感覚です

客の中には、小学生の姿もあった。
買い物に来ていた小学生:
色んな味を使えるところがすごいと思った
HIYORIKAでようかんを出して4年目。手応えも感じるようになったと言う。

百花園・太田新太郎 専務:
今まで和菓子になじみのなかった方にも購入してもらえるようになった
ネオ和菓子〈2〉 SNSで注目!絵本の中から飛び出すお菓子?
一方、長岡市で244年もの間、変わらぬ製法を守り、干菓子を提供してきた「大和屋」も、ネオ和菓子に取り組んでいる。
山中麻央アナウンサー:
ガラスのようなおはじきやパステルカラーのクレヨン、実はこれらも甘い和菓子なのです
職人の技術、そして和菓子の持つ様々な質感を生かしながら現代風にアレンジしたのが「おさとうのまほう」シリーズだ。

大和屋・岸佳也 専務:
皆さんの興味を引くものを作ろうと。例えば絵本状のケースの中に入っていたらおもしろいんじゃないかとか。「有平糖」という伝統製法の飴はガラス状に固まるので、それを使うとなると、やっぱりおはじきかなと

中でも一番人気は、絵本の形のパッケージをした「こはくのつみき」。帯には「あまいあまい物語」と記されている。

大和屋・岸佳也 専務:
このシリーズのバックグラウンドに「おさとうのまほう」という絵本がある想定。その中の一連の流れで、「こはくのつみき」や「食べられるクレヨン」、「飴で作ったおはじき」などが出てくるという想定で作っている。
漠然とした内容しか考えていないので、お客様でどういった物語なのか想像してもらうと、楽しく召し上がっていただけるかなと思う



そのかわいらしい見た目に、SNSでも反響が。
SNS上のコメント:
「こはくのつみき」がかわいい。きらきら輝く物語が始まりそう

イベントでは、30分で100箱が完売するなどの人気ぶりだった。
大和屋・岸佳也 専務:
お買い上げになったお客様が「かわいいものが売っていたよ」とか「百貨店のイベントでこんなものがあったよ」という写真をアップしてくれたのが、一気に広がった
気になるお味は?
山中麻央アナウンサー:
外側はシャリッと薄い膜に覆われていて、中はプルッとした弾力があります。砂糖の優しい味わいが口いっぱいに広がって癒やされます

今の時期は、琥珀糖をクリームソーダに見立てた爽やかな和菓子も楽しめる。
大和屋・岸佳也 専務:
特にこういう暑い時期は、涼しげなすりガラスのような見た目のものを、皆さんお好みになるかなと思う

見た目や素材にとことんこだわり、和菓子の魅力を伝えるネオ和菓子。進化する和菓子との出会いを楽しんでみてはいかがだろうか。
(NST新潟総合テレビ)