佐賀市に「落書き堂」として知られる合格祈願の神社がある。しかしその参道が、2021年8月の豪雨で被災。神社は地元の自治会が管理しているが、いまだほぼ手つかずのままで頭を抱えている。

豪雨で参道が崩壊…地元自治会では手に負えず

佐賀市大和町の山間部にある通称「落書き堂」
佐賀市大和町の山間部にある通称「落書き堂」
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佐賀市大和町の山間部にある、通称「落書き堂」。
壁や天井を埋めつくすほどに書かれているのは、受験や就職を控えた参拝客の願い事だ。

落書き堂があるのは、知恵の神様・文殊菩薩を祭る「乙文殊宮(おつもんじゅぐう)」。県内外から訪れる参拝客は、下の宮でお参りしたあと、さらに登ったところにある上の宮、いわゆる落書き堂を目指すが...。

上都渡城(かみととぎ)自治会・山崎隆二さん:
この沢沿いに参道があったわけですね。ここがずっと上の方から崩れてきているんです。それとあと倒木ですね、これが全部ふさいでしまったんですよ

約500メートルの参道が2021年8月の豪雨で崩壊。元々の道がどこを通っていたのかわからなくなるほど、被害を受けた。
そして案内をしてもらった参道の途中には、高さが人の2倍以上はありそうな巨大な石が…。

上都渡城自治会・山崎隆二さん:
この石はもうちょっと右側の方にあったんですよね。これがずれてきちゃったんですね。ただこれを何とかしたいと思ってもどうしようもないんです。この石の大きさだったら

乙文殊宮を管理する山崎さんたち地元自治会は、被災後、修復を試みたが、とても素人では手に負えず、ほとんど手つかずのまま。

現在は、佐賀市による応急処置でロープが張られていて、落書き堂へは、それを伝って崩れた山道を登っていくしかない。

上都渡城自治会・山崎隆二さん:
あれでは、まだまだ小さいお子さまとか年配の方は難しいんで、今いろいろと各方面に何とかお願いしながら修復をしようと

被災前は15分程度で登れていたというが、取材では約2倍の30分余りの時間がかかった。

上都渡城自治会・山崎隆二さん:
せっかく登って来られている姿を見て、行っていただきたいんですけど、非常に足元が危ないんでね。お参りに来て滑ってけがしたとかになったら大変ですので、そこだけを一番私どもは心配しています

夏から少しずつ、参拝客が増え始めるという乙文殊宮。
特に年末から年明け、いわゆる受験シーズンには多くの人が訪れ、壁や天井に合格祈願の“落書き”をする。

上都渡城自治会・山崎隆二さん:
中間の参道が、ちょっと登りづらい状況になっているので、要望があがってくるわけですよね、「何とか早くしてください」と

復旧だけでなく新たな参道の整備も検討

参拝客からの要望もあるほか、さらに気がかりなのは、ほとんど手つかずのままで迎える大雨。
2021年の被災は、8月のちょうどこの時期だった。

上都渡城自治会・山崎隆二さん:
この山の上の方に倒木が倒れたままになっているんですよ。もう1回大きな大雨だとか土石流が発生したときには、上の倒木が落ちてくるんですね

さらなる土砂崩れが起きると、参道だけではなく、御堂そのものが被害を受ける可能性もあると山崎さんは話す。

自治会としては、落書き堂への道を絶やさぬよう、ただ復旧させるだけではない新たな参道の整備も模索している。

上都渡城自治会・山崎隆二さん:
ここをきちっと参道をお金かけてやっても、また上から落ちてくるということが考えられるから、それも含めて考えて参道づくりをしないといけない。思い切った迂回(うかい)路をつくるとか、そういうことを提案しています

古くから地域のシンボルとしても親しまれてきた乙文殊宮。
訪れる参拝客を安全に迎え、今後も多くの人に“落書き”のご利益を授けるためにも、本格的な復旧、そして対策が急がれる。

(サガテレビ)