わずか10数年前に登場したブドウ「シャインマスカット」が急拡大している。
高い収益が見込めるため、岡山県内でも農家が続々と栽培を始めていて、「シャインマスカット・バブル」とも言われている。

10数年前に登場…ブドウの中で売上げナンバーワンに

皮ごと食べられる種なしのブドウ、シャインマスカット。

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6月から店頭に並び始め、岡山市内のあるデパートでは、数あるブドウの中でも売上げナンバーワンを誇る人気。
値段は、ここ数年で2割から3割アップし、今や果物の女王と呼ばれるマスカット・オブ・アレキサンドリアに引けを取らない。

天満屋岡山店・小林圭介課長:
比較的新しい品種。従来、マスカットといえばアレキサンドリアだったが、年々シャインが人気になっている。皮ごと食べられて種もないので、パクパク食べられるのが特徴。甘みと酸味のバランスが非常にいい

シャインマスカットは、今から10数年前に登場した、まだ新しい品種。
種がなく、大粒の実をつけることが注目され、栽培の研修会などが各地で開かれた。
その結果、15年前に全国でわずか2ヘクタールだった栽培面積が、2019年には900倍の1,800ヘクタールまで急拡大した。

「バブルとよく言っている」価格崩壊に備える動きも

なぜ、ここまで急速に増えたのか? その理由の1つが、高い収益性にある。
県の農業普及指導員・高橋さんは、農家のこんな声を聞くという。

県東備農業普及指導センター・高橋知佐主任:
1万円札がぶら下がっているという人もいる。これだけいいものを作っていれば。マスカット・オブ・アレキサンドリアより手間がかからない。(それで値段は)トントンか、やや高い

果物の女王、アレキより少ない労働力で、高い売上げが見込めるシャインマスカット。
生産者の間では、こんな話題も出るという。

山陽ブドウ部会・坪本真一副部会長:
本当にありがたい事で、バブルとよく言っている。これだけ人気が出る品種は、この後も出ないのではと言われていて、そのくらいすごい人気

こちらでは、大きな粒にこだわり、香港や台湾で高値で販売されている。

バブルと言うだけあって、シャインマスカットの価格崩壊にも備え、他の品種にも力を入れている。
しかし、食べやすくておいしいこのブドウの人気がやむ気配はなく、バブルの宴はまだまだ続きそうだ。

(岡山放送)

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