2021年度に大分県内に移住した人が過去最多を更新した。 なぜ大分を選んだのか、世界をまたにかけるイタリアンや、東京のIT企業などを取材した。

「早く引っ越せばよかった」大分や日田の“いい物”を世界に

福岡から移住したイタリアンシェフ サルバトーレ・クオモさん
福岡から移住したイタリアンシェフ サルバトーレ・クオモさん
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2021年12月、福岡から大分県日田市に移住してきたサルバトーレ・クオモさん。妻のピアさん、小学生の子どもの3人の、5人家族だ。

サルバトーレさんはイタリア・ナポリ出身で、世界をまたにかけるイタリアンシェフだ。これまで、日本や韓国、フィリピンなどで約200店舗を手がけてきた。

世界各国で約200店舗を手掛けたサルバトーレ・クオモさん
世界各国で約200店舗を手掛けたサルバトーレ・クオモさん

そんなサルバトーレさんが、なぜ日田市への移住を決めたのか。福岡に近いという利便性に加え、豊かな自然があるからだと話す。

イタリアンシェフ サルバトーレ・クオモさん:
自分の子どもの環境を変えたかった。住み心地はめちゃくちゃいい。もう少し早く引っ越せばよかったなと思う。

日田市で食の研究所を設立 ジャムやマスタードなどを開発
日田市で食の研究所を設立 ジャムやマスタードなどを開発

日田市では食の研究所を設立。大分県内の農家から規格外の果物を購入し、ジャムやマスタードなどを開発している。

イタリアンシェフ サルバトーレ・クオモさん:
(大分県や日田には)いい物があるので、日本で生かすのではなくて、世界に持って行く。もう動いているので、絶対面白い結果が生まれると思う

本社を姫島村に…移住のきっかけは「ITアイランド構想」

一方、人口約1850人の大分県姫島村。車エビの養殖など水産業を主な産業としているが、近年、力を入れているのが「IT企業」の誘致だ。

IT企業「Ruby開発」 姫島村に本社を置く
IT企業「Ruby開発」 姫島村に本社を置く

Ruby開発・芦田秀之 社長:
様々な会社のウェブサービスや、スマートフォンのサービスの開発に携わっている

そのうちの1つ、Ruby開発。元々は東京の企業だったが、2018年に姫島村に支店を開設した。2021年には、姫島を本社に変更した。
きっかけは村が取り組む「ITアイランド構想」だ。閉校した小学校の校舎を村が改修し、インターネットを利用できる環境を整えた。

姫島村には現在、Ruby開発を含めてIT関連の3つの企業と団体が進出。2017年以降、15人が移住している。

移住者増加の要因の1つにコロナの影響も

大分県内への移住者数 推移グラフ
大分県内への移住者数 推移グラフ

大分県によると2021年度、県内に移住した人は1416人で、県が統計を取り始めた2015年度以降、過去最多となった。

大分県 おおいた創生推進課・柴北友美さん: 
移住者増加の要因は、源泉数も湧出量も日本一の温泉や、地域によっては移住者と地元の人を結びつけるような団体が活躍していること。新型コロナの影響で地方回帰が進んでいるのではと思う

Ruby開発の社員、浅井慎史さんは島の自然などに魅力を感じて移住を決断した。妻と1歳半の子どもと暮らし、日々、島の人たちの優しさを感じているという。

Ruby開発の社員 浅井慎史さん
Ruby開発の社員 浅井慎史さん

Ruby開発・エンジニア 浅井慎史さん:
人の良さや、少し長く住まないと分からないこともあるが、そういうものを感じることが出来て、本当に(移住して)良かった

また、エンジニアの木野村早紀さんは姫島村出身だ。県外のホテルなどで働いていたが、IT企業の進出をきっかけに古里に戻ってきたという。

Ruby開発・エンジニア 木野村早紀さん:
働ける企業が増えて、姫島で生活をしたいという人が増えてくれたら姫島のために一番良い

Ruby開発・芦田秀之 社長:
一番の目的である雇用の創出をしていきながら、離島の本社として、ここで出来たことを色んな地域に広めていきたい

人口減少が問題となる中、期待されている移住者の増加。それぞれの地域の取り組みや情報発信に、今後も注目だ。

テレビ大分

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