休漁が続いている有明海特有の二枚貝・ウミタケ。
"宝の海”復活へ向けて、6月8日から生息実態の把握や伝統的な漁法の技術継承のため調査操業が始まった。

休業続き…後継者の育成が課題

川浪沙貴記者:
午前7時すぎの有明海です。6月8日から調査操業が始まった「ネジ棒漁」は、先に金具のついた長い鉄の棒を使って、ウミタケを絡めてとっていきます

ウミタケは生息数の激減により、2007年以降、休漁が続いている。

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2022年3月の調査で、2021年と同等もしくは増加していることを受け、2021年に続き、2022年も個数や期間を制限した調査操業を行うことになった。
8日は早津江筋に5隻の漁船が集まり、漁業者たちが2時間ほどかけて、1つのエリアを調査した。
調査操業は、生息箇所や密度、環境を把握し、今後の操業に向けた基準作りのほか、伝統的な漁法の技術継承を目的としている。

「ネジ棒漁」は、水深によって長さを変える鉄の棒に、ウミタケの貝から伸びる水管を絡めてとっていく伝統的な漁法。

休漁が続き、後継者の育成が課題となるなか…

川浪沙貴記者:
今回は技術の継承のため、若手漁業者が調査に同行し、指導を受けています

調査操業には、1隻につき1人の若手漁業者が同行。慣れない道具を使いながら、伝統のウミタケとりに挑んだ。

若手漁業者・牟田恭平さん(33):
全然感覚がわからず、全然とれなかった。棒を真っすぐ上げることができなくて、結構海の中に落としたのを拾ってもらっていたので、やっぱり難しい

漁業者・藤川直樹さん(55):
やっととれたなと思った。まだまだいくらかはいたなと。ここ20年くらいは全然とれていないし、市場にも出せない状態で、とり方すら知らないし、見たこともない後継者がいっぱいいるから…その中で自分たちが見せてあげて、先々またいつか復活したときに、またみんなでとって、有明海のウミタケを世の中に出回らせてほしい

調査操業は6月23日まで行われる予定で、とれたウミタケは柳川市の筑後中部魚市場と、一部は佐賀市にある直売所「まえうみ」に出荷される。

(サガテレビ)

サガテレビ
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