マリンレジャーシーズンの始まりと共に、新潟県では釣り人による海難事故が相次いで発生している。
取材班が海に向かうと、立ち入り禁止区域で釣りをする人の姿も…。その実態に迫った。

フェンスをかいくぐる釣り人… その理由を直撃

新潟市西区の新川漁港。

ここにはフェンスが設けられているが、フェンスをかいくぐり、立ち入り禁止区域へと向かったり、防波堤から身を乗り出したりする釣り人の姿が見られた。

立ち入り禁止区域へと向かう釣り人
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県内の防波堤では、こうした悪質な釣り人の姿が後を絶たない。なぜ危険を顧みず、立ち入り禁止区域で釣りをするのか?帰り際の釣り人を直撃した。

記者:
今、釣りをしていた?
釣り人:
雨が降ってきたからやめた

記者:
何時間くらいいた?
釣り人:
知らん

記者:
立ち入り禁止だと言うことは知っていた?
釣り人:

「雨が降ってきたからやめた」と話すこの釣り人は、立ち入り禁止について触れると、無言のまま逃げるように立ち去っていった。

大きな魚を手にする釣り人も… 行政の対策が甘い!?

また、大きな魚を手に帰ってきた釣り人もいた。

立ち入り禁止区域から戻ってくる人。海に突き出た柵をまたいでいる。落ちたら危ない

記者:
この魚は何?
釣り人:
スズキ

記者:
立ち入り禁止区域なのに入るのは、何か理由が?
釣り人:
特に理由は無い

記者:
こういった場所のほうが釣れる?
釣り人:
それはある。波が高かったり、風が強い日は行かないようにしているが

大きい魚が釣れることが立ち入り禁止区域に入る一つの理由のようだ。中には、対策が甘いと話す釣り人もいた。

記者:
立ち入り禁止区域にいたという認識はある?
釣り人:
はい
記者:
なぜ、わざわざ危険を冒すのか?
釣り人:
もし人が入るのを止めたいのなら、人間が入れないように設置したほうが早いですよ

対策しても侵入… 行政と違法釣り人の“イタチごっこ”

一方、防波堤を管理する行政側も対策をしていないわけではない。

新潟市西蒲区の巻漁港では、2022年のGW前、海に伸びる3つの防波堤のうちの1つのフェンスの対策を強化。釣り人が簡単に立ち入ることができなくなった。

フェンスの上には“返し”も

他の防波堤でも、フェンスを設けるなど対策をしている。

しかしそれでも、釣り人は様々な手段で侵入する。巻漁港では南京錠を開けられ、侵入されるのは日常茶飯事だ。時には、フェンスの有刺鉄線を切られたこともあった。

ただ、行政側の予算も限られているため、対策に限界はある。

過去には死亡事故も… 立ち入り禁止区域の危険性とは!?

立ち入り禁止区域の防波堤をめぐっては2019年、巻漁港で釣りをしていた男性が海に転落して死亡するなど、県内では立ち入り禁止区域での釣り人の死亡事故が後を絶たない。

巻漁港で転落事故(2019年)

新潟海上保安部の三國登志夫課長は、立ち入り禁止区域の危険性についてこう話す。

新潟海上保安部 交通課・三國登志夫 課長:
防波堤は基本的にある程度の高さがあるので、転落しても海中から自らの力で上がるのは大変

新潟海上保安部 交通課・三國登志夫 課長

また、防波堤には監視する人がいないため、転落しても気づかれない事が多く、死亡事故につながりやすいと言う。
立ち入り禁止区域での釣りだけではなく、ミニボートなど小型船舶の事故にも注意が必要だ。

新潟海上保安部 交通課 三國登志夫 課長:
小型船舶は気軽に乗れる反面、風に弱かったり、少しの波でも影響を受ける。ミニボートの乗船中は立ち上がらないとか、ある程度、風や波が出てきたときはすぐに引き返すなど、自己防衛策をとっていただきたい

小型船舶の事故にも注意

新潟海上保安部は立ち入り禁止区域に入らないことはもちろんのこと、万が一の場合の事故に備え、ライフジャケットの着用や通信手段を確保するよう呼びかけている。

マリンレジャーシーズンの始まりと共に、相次いでいる海の事故。レジャーを安全に楽しむためにもルールを守ることが重要だ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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