自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

「家では元気にたくさんおしゃべりするのに、幼稚園では黙っておとなしく過ごしている娘……どうして外だとおしゃべりしなくなっちゃうの?」

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外だとモジモジ…その理由は記事の続きで!

家の中では、パパママにもきょうだいにも「あのね、あのね!」とたくさんおしゃべりしてくれるのに、なぜか幼稚園では口下手で“クール”なキャラに?
他にも、家ではグイグイ強気なのに、外ではちょっと弱気…といういわゆる“内弁慶”になってしまう!というお話も。

家ではリラックスして、外ではちょっと緊張しちゃう…というのは大人もわかるけれど、どうしてこんなに「ウチ」と「ソト」で差が出ちゃうの?
育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

少しずつ「外に慣らす」のも有効

――家だと喋れるのに、外では…これってどうして?

これはもともとの気質が大きく関係しています。家族など近しい関係の人の前では饒舌でも、知らない人、もしくはその子にとってはまだ距離がある人の前ではおとなしくなってしまう……。馴染みがあるかどうかが、その子の振る舞い方に影響します。

子どもたちの中には、初対面の人にも話しかけることができる積極的なタイプの子もいれば、もじもじして貝のように口を閉ざしてしまう子もいます。もじもじタイプの子にとっては、知らない人や知らない場所はプレッシャーとして感じられやすく、それを感じさせない相手とは大きく区別をしているため、内と外が大きく違うということになりやすいのです。

心理学の研究で、見慣れないことを前にしたときに、それに近づくのか、それとも回避するのかという傾向は、その子が大きくなってもかなり安定したまま継続する気質の一面であることが見出されています。大人になっても人見知りの人はいるように、こういう傾向は、その子らしさとして続きやすいと言えるでしょう。


――外で喋れなくなっちゃう“人見知り”って、何歳ごろから出てくるの?

人見知りというのは、0歳の段階でもよく見られます。ただ、0歳のときの人見知りと、それ以降の人見知りは若干違います。

0歳のときは、記憶力の発達に伴い、「いつもそばにいてくれる人(ママ・パパ)」にものすごく懐く分、それ以外の人、つまり記憶にない人を敬遠するようになります。

それ以降、子ども時代を経て、大人になっても、「人見知りだ」と言う方は、多くの場合、もともとの性格が関係していて、それがその人の定番の対応となっていることが多いです。

また、「外では大人しくしなくちゃ」という意識が出てくるのは、小学校に入ってからが多いですね。周りの空気を読めるからこその行動なので、自らそう判断できるには、客観的な物の見方が求められるからです。小さい子は“自分中心”の視点で日々を過ごしていますが、成長とともに、「客観的に見て、自分はどうなの?」という見方がだんだんとできるようになり、それにより、その場に適した行動が取れるようになってきます。

とは言え、その時期まで親は何もしなくていいかというと、やはり働きかけは必要です。たとえば、電車の中で大騒ぎしてしまったり、お店で走り回ってしまったりと、公共の場での行動が逸脱してしまうと、それまた問題になるからです。大きくなれば、自ら判断ができるようになりますが、小さいうちは、親が「ここではこうするんだよ」ということを1つ1つ教えていくことが必要です。


――「お外で喋れない」ことについて、パパママは何か働きかけるべき?

「うちの子はちょっと消極的なのかも」と感じると、なんとかして積極性を持ってもらいたいと思ってしまいますが、もし、親が「消極的な子を積極的な子に変身させたい」と思ってしまったら、その子に無理がかかります。もともとの気質というのはその子に備わったものなので、塗り替えられるものではないからです。

しかし「外に一歩出ると貝のように…」という状態は、その子自身も損をしてしまうこともあるでしょうし、ある程度の年齢になれば、「もっと話せたりできればいいのに」とも感じることもあるでしょう。そういう場合は、性分は変わらなくとも、技術的にできるようになる(=人前で何とか話せるようになる)という状態に持って行くのが望ましいと言えます。

人間は同じことを繰り返すと、だんだんとその状況に慣れてきて、初回に挑んだような難しさは感じなくなるものです。同様に、消極的な子でも“慣れる”ことでプレッシャーを緩和できることは多いので、内向的な性格を踏まえ、段階的に経験値を増やしていくのがおすすめです。

たとえば、週末はできるだけ公園で過ごすとか、自宅にお友だちを呼ぶなどの工夫です。その際に無理強いして「怖い」と思わせてしまうと、逆に人を避けるようになってしまうので、少しずつそういう状況に触れさせていくことがポイントになります。

「外だとうまく喋れない」「ウチとソトでキャラが違いすぎる」のは、親しい関係にある人と、そうでない人をはっきりと区別して距離を取りたがる、子どもたちの気質が大きく関係しているそう。
ある日突然、お外でモジモジするようになってしまった…ということがあれば、もしかしたら子どもたちの個性が出始めたのかも。
また、幼稚園や小学校など、大人から見たら「よく知っている・親しい友達がいる場所」でも、子どもたち的には、リラックスできる家の中とは大きく環境が違う「距離感のある場所」と感じているのかもしれない。

個性は大事だけれど、もし幼稚園や小学校で「喋るのが苦手」なことで過ごしにくさがあるようなときは、お友達を家に呼ぶなどして「外」に慣れる・「外」で話す機会を増やすなどしてみると、外でもリラックスして話すことができるようになるかもしれない。

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「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?

・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?

などなど、あなたの投稿が漫画になるかもしれません。

※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)