千葉県八街市で、去年6月、飲酒運転のトラックに小学生5人がはねられ死傷した事故で、危険運転致死傷罪に問われた、運転手の梅沢洋被告(61)の判決公判が、午後1時半から開かれた。千葉地裁は、梅沢被告に、懲役14年の実刑判決を言い渡した(求刑・懲役15年)。
起訴状などによると、梅沢被告は、去年6月28日、高速道路のパーキングエリアで酒を飲んだ後、トラックを運転。八街市の市道を走行中に、居眠りをして、下校中の小学生の列に突っ込んだ。その際、2人を死亡させ、3人に大けがをさせたとされる。
危険運転致死傷罪に問われた梅沢被告は、起訴内容を認めた。被告人質問では、「ここ15年ぐらい飲酒運転をしている」と明らかにした上で、おととし2月ごろから、仕事中に酒を飲んで、車を運転していたことを打ち明けた。
また、飲酒運転の動機について梅沢被告は「現場でイライラがあり、おさめるためだった」「悪いとは分かっていたが、自分は事故をしない、捕まらないという気持ちがあった」と述べた。
きょうの判決で千葉地裁は「5人を死傷させた結果は重大で、自分は事故を起こさないと、飲酒運転の危険性を顧みない態度は最悪で強い非難に値する」と断罪した。しかし「反省がうかがえる」として懲役15年の求刑に対して、懲役14年を言い渡した。
この事故を受けて、政府は通学路の緊急点検を実施。全国で7万カ所余りの危険な通学路が確認された。一方、今回の事故は、自社の資材などを運ぶ「白ナンバー」のトラックが起こしたことから、白ナンバー車を業務で使う事業者にも、飲酒検査が義務化されることになった。