いま人気上昇中の「安曇ガッタロー」。長野県安曇野市で活動中の猫のゆるキャラだ。市の非公認だが、方言を魅力にファンを少しずつ増やしている。
知ってる? 赤いリンゴ×猫のキャラクター
安曇野市民に「安曇ガッタロー」について聞いてみると、次のような声が聞かれた。
「猫みたいな感じの」
「リンゴから足が生えた人みたいな」
「知ってます!面白いと思う」
大谷香奈絵アナウンサー:
安曇野市民なら誰でも知っているという噂の「安曇ガッタロー」。優しそうな顔に奇抜なボディをしていますね
赤いリンゴの中に猫の顔をした「安曇ガッタロー」は、2016年に市民グループが考案した安曇野のPRキャラクターで、誕生日は「猫の日」の2月22日。安曇野市非公認のキャラではあるが、認知度が上昇している。
安曇野市観光情報センター・カイル千景さん:
じわじわと市民に浸透してきているキャラクター。グッズを探していらっしゃる方もいます
観光センターにはなんと、クリアファイルやポストカードにトートバッグも!
安曇野市観光協会・白澤勇一さん:
これ使いやすくて、私も持っておりまして。非公認でありながら観光課の職員にも結構、人気がありますので
安曇野の方言を使う「やんちゃ坊主」
一番の売れ筋は、方言が書かれた缶バッジ(63種類 1個税込200円)。
「ごしたい(=疲れた)」や「こうさわく(=腹が立つ)」などのユニークなイラストと方言。どうしてこのようなキャラになったのか?
ガッタローを生み出した、地元の経営者などでつくる「安曇野をサポートする会」に聞いた。
安曇野をサポートする会・中原賢一郎さん:
安曇野の方言で「ガッタ」というのがあって、「ガッタ坊主=やんちゃ坊主」という意味がある。ガッタローの「ガッタ」もそこ(やんちゃ)からきています。昔ながらのすてきな言葉、安曇野にしかないニュアンスを発信できたらと思って
大谷アナウンサー:
なぜ、猫なんでしょう?
安曇野をサポートする会・中原賢一郎さん:
そこを聞かれると困ってしまうんですが、作った当時、猫鍋や猫カフェなんかができて、ちょっとした猫ブームだったんですよね
ガッタロー本人が方言をしゃべることはないが、これまで観光PRやイベントの盛り上げなどに積極的に取り組んできた。
マラソン大会では電動キックボードで参加して怒られたり、松本山雅のマスコット「ガンズくん」と勝手に相撲をとって怒られたり…。
方言のLINEスタンプが人気 新作は「ちょんこづく」
地道な活動の傍ら特に力を入れたのが、先ほど紹介した方言イラストだ。無料通信アプリ・LINEのスタンプにもなっていて今や120種類、世界80カ国で使われている。
方言スタンプの一部をご紹介。
「そうだだ!?」(そうなの!?)
「まぁず、いけねぇわ」(本当に良くないね)
「ぶちゃりましょ」(捨てましょ)
安曇野をサポートする会・中原賢一郎さん:
LINEスタンプだと、東京や大阪など離れてしまった親子同士でも使えますし、地元とのつながりを遠くにいても感じられることが尊いかなと
考案中の新作スタンプのポーズをとってもらった。「ちょんこづく」(調子に乗るさま)は、「ちょんこづいてるわい」などというふうに使う。
やはりスタンプが認知度を押し上げている要因のようで…。
中学生:
使ってます、お母さんが。たまに送られてくる
高校生:
学校の先生が使っているのは見たことがある
中には熱心なファンもいた。
大谷アナウンサー:
ガッタロー好きなの?
小学生:
うん。強くなってほしい
大谷アナウンサー:
すごくたくさん、これガッタローの缶バッジですよね
小学生:
面白いんで、いいと思います
ただ、見た目が見た目だけに、学生たちから「キャー」と悲鳴をあげられ、全速力で逃げられてしまった。
子どもに手を振るものの「こわーい」と言われてしまう場面も…。やはり、ちょんこづいてはいけない。
認知度が増し、満を持して参加した2021年の「ゆるキャラグランプリ」では、県内最下位の374位だった(全体395中)。それでも…。
安曇野をサポートする会・中原賢一郎さん:
イラストなんかを描いてくれて
2022年の正月には全国各地から60通もの年賀状が届いた。
大谷アナウンサー:
ガッタロー、こんなに受け取ってどう?
安曇ガッタロー:
イエイ!モテモテ!
公認キャラと一緒に…「呼ばれれば何でもやります」
ガッタローの活躍に、安曇野市の公認キャラ「みずん」はどう思っているのか。
安曇野市農政課・中村紀康係長:
「一緒に安曇野市を盛り上げていきましょう!」と言っております。かわいい系と元気の良いガッタロー、少しすみ分けをしながらPRできることがいいんじゃないかな
方言も魅力にして6年。「安曇ガッタロー」の地道な活動が続く。
安曇野をサポートする会・中原賢一郎さん:
非公認という自由なポジションを生かして、呼ばれれば何でもやります。「みずん」ちゃんがやれないような、体を張った仕事や盛り上げ方ができれば。長く続いている方言もそうですし、観光地、特産品、途切れさせてはいけない文化がたくさんある素晴らしい土地だと思いますので、次の世代につなぐ一つの手段として、LINEスタンプだったりバッジを作っていけたら
(長野放送)