自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。
今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。
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「息子が『ママこれ読んで!』と持ってきたのは、絵本ではなくデリバリーピザのチラシ…メニュー名を読み上げました」
おいしそうな写真がずらりと並ぶピザ屋さんのチラシ。
読んでもらって、さあどれを注文しようかなというわけではなく、メニュー名を読み上げるだけで大満足?
SNSでは他にも「お弁当屋さんのチラシ」「おもちゃ屋さんのチラシ」「おもちゃの取扱説明書」などを「読んで!」とお願いされたパパママの体験談が。
でも、絵本みたいにストーリーのないものでも、読み聞かせしてほしい!とお願いする子どもたちって、一体何を楽しんでるの?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。
子どもは「実用的な物を好む傾向」が?
――そもそも「絵本の読み聞かせ」って子どもたちにどんな効果があるの?
文部科学省の「親と子の読書活動等に関する調査」によれば、小さい頃、本を読んでもらった経験は9割近く。読み聞かせは、非常に多くのご家庭で実施されているいわば習慣の1つとも言えそうです。実際に、読み聞かせのデメリットは聞いたことがないですし、それだけ“良いこと”と認知されているのでしょう。
効果としては、言葉や表現を知る機会になる、その後の読書習慣につながりやすい、質のいい親子の共有体験になる……といくらでも出てきます。絵本は、絵を中心にお話が進むことで子どもたちは視覚的に楽しむことができますし、想像力を働かせる機会にもなります。また、文字での情報が少ないことで、親御さんがお話をプラスαしたり、展開を少しアレンジしたりと、親子間のコミュニケーションツールとしても役立っているようです。
文部科学省は「子供は読書を通じて読解力や想像力、思考力、表現力等を養うとともに、多くの知識を得たり、多様な文化を理解したりすることができるようになる」と言っていますが、その一歩目が読み聞かせなのだと思います。
――では、そんな子どもたちが絵本じゃなく「ピザのチラシ」を読んでほしがるのはナゼ?
子どもは大人が手にするものが大好きですし、実用的な物を好む傾向がありますので、チラシや取り扱い説明書に興味を持つのはごく自然なことだと思います。とくにチラシは、写真やイラスト中心でカラフルですから、見て分かりやすい分、子どもにも魅力的に映るのでしょう。何が書いてあるのか知りたくて、「読んで~!」と持ってくるのだと思います。
あとは目新しいものに飛びつくというタイプのお子さんであれば、日ごとに違うスーパーのチラシが新規刺激として捉えられるのかもしれません。
――絵本じゃないものを「読んで!」と言われたら、どうするのがいい?
お子さんの年齢や性格にもよると思いますが、大きい子ほど、そして積極的な子ほど、その子に聞いてみるのがいいと思います。「どこから読んだらいい?」「どの部分を知りたい?」「○○ちゃんは何て書いてあると思う?」などです。あと、私自身の経験ですが、ピザのチラシをハサミで切って、子どもとのピザ屋さんごっこに使っていました。
育児において、親がせっかく買ってあげたのに、それにはあまり興味を示さず、「なんでこんな物を?」ということはよく起こるものです。でも、子どもが興味を持っていることを題材に親子の関わり合いをすることが、親子間の絆を強める最高の材料でもあるので、「あのサイトに載っていたおすすめ絵本の方が教育的にはいいのになぁ~」という親の思いはいったん置いておいて、その場を一緒に楽しんであげるのが望ましいと思います。
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子どもたちは、大人が普段見ているものに興味津々。
「あれは一体何が書いてあるんだろう…」という好奇心に加え、チラシや取り扱い説明書には写真や図がいっぱい!実は「絵本じゃないもの」には子どもたちの好奇心を刺激するポイントがたくさんあるようだ。
子どもたちから「絵本じゃないもの」を読んでほしい!とリクエストがあった時は、「こっちの方がいいんじゃない?」と絵本をすすめたくなる気持ちをおさえて、「それじゃあ、一緒に読んでみようか!」と楽しんでみるのがいいかもしれない。
あなたの投稿が漫画になる!エピソード募集中
「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?
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・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?
などなど、あなたの投稿が漫画になるかもしれません。
※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。
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(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。
(漫画:さいとうひさし)