自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家が注目したのは、「ふきさんのおもちゃ大百科」シリーズを手がける、おもちゃ作家の佐藤蕗(@fuki_fuki)さんのこんなエピソード。

次男(3歳)の理不尽が止まらず、ネタにしないとやってられない次元になってきました。
今までで1番のは「母ちゃんの髪の毛をオレの髪の毛に生やしたい」みなさんのお子さんの、理不尽な要求聞かせて欲しい…。

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謎の要求、応えてあげるべき?答えは記事の続きで!

「お母さんの髪を、自分に生やしたい!」という“斜め上”の要求には、ママも思わず目を白黒させてしまうのでは。
他にも佐藤さんにお話を聞いたところ、

・帰りの遅いお父さんと「一緒に寝たい!」
・保育園は大好きだけれど、のんびりしていたい朝に「パジャマのままでいたい!」

というかわいいものから、

・長男が2歳当時、お風呂あがりのパパに向かって「とうちゃんはそのまま壁を向いて座っていて!動かないで!」

という、これまた笑ってしまいそうになるけれど、パパからしたら「えっ!?」と驚いてしまうものまで、「理不尽~!」と叫びたくなる要求が続々。

ちなみに「髪の毛を生やしたい!」という要求は、お母さんが「やめて~」と応えている間に息子さんが眠くなってしまい、保留に。「パジャマのままがいい!」という要求には、思い切ってパジャマのまま登園!

そして「壁を向いて座っていて!」と頼まれたお父さんは“パンツ一丁”のままじっと壁に向かって座ってあげて見事解決…となったそうだが、忙しい時間帯に「壁に向かって座っていて!」とお願いされたら、ちょっと困ってしまいそう。

子どもたちからのかわいいけれど“理不尽な要求”、そもそもどうしてこんなお願いをしてくるの?どう向き合ってあげるのがいいの?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

理不尽な要求には「2つのパターン」が…

――「ママの髪の毛を生やしたい!」「壁に向かって座ってて!」こんなお願いが起きる理由って?

まさに投稿者さんの「ネタにしないとやってられない」というお気持ち分かります。「お母さんの髪の毛を自分に生やしたい」という発想が豊かすぎて、どこからそういうアイデアを得たのでしょうね。私には、ママの髪の毛への愛着が表れているように思えます。つまり、好きすぎて(たとえばいい香りがするとか、ほっぺに当たると気持ちいいとか)、自分のものにしたいというようなことです。いずれにしても愛されているのは間違いないと思います。

また「お父さんに壁に向かって座っていてほしい」の方は、2歳の子のエピソードということで、この時期の自我がそうさせているように思えます。イヤイヤ期は、自分の意志を押し通そうとする行動が増えますが、その中で「パパやママが自分の言うことをどれくらい聞いてくれるか」を試すことがあります。「壁に向かって…」という発想は、どこかで見聞きした(マンガで出てきたシーンなど)のかもしれません。

細かく見ればそれぞれ理由は違いますが、おおむね「ぼく(わたし)は至って真剣なんです」というタイプと「思い通りになるか試してます」というタイプがあるように思います。


――「ママの髪の毛を生やしたい!」例えばこの要求にはどう応えてあげるのがいいの?

「なにバカなこと言ってるの。ほら、ごはんだから早くして」のように、さらっと流してしまうのはもったいない発想なので、せっかくだから乗ってあげてほしいなと思います。

投稿者さんの「やめて~」というのも息子さんにとっては楽しい反応でしょうし、あとは「どうやったら交換できるかな?」とさらなるアイデアを探ってみたりするのもまた突飛なことが聞ける機会になるかもしれません。その他にも、「ママの毛をもらってどうするの?」とか、「どうしてママの毛が欲しいの?」のように、興味ありますという思いで聞き返してあげるのもいいと思います。


――「パパと寝たい!」「パジャマでいたい!」説得できそうなお願いにはどう対処すればいい?

パジャマで登園すること自体は私は構わないと思います。制服があるのなら話は別ですが、これを着て登園するのはダメというのはないですので。

ただ、それが続きすぎて、着替えの習慣が身につかないとなると、また問題です。一時的なマイブームであれば、いずれ過ぎ去りますので気にしなくてもいいですが、もし「着替えが面倒だから」という理由でずるずると長引くようであれば、朝の支度にはお着替えというプロセスがあるということを教えていくことが大切です。

また、「お父さんと一緒に寝たい」という思いも、パパへの愛情と捉えると理解してあげたくなりますが、そこを飲んでしまうと、夜更かしのクセがついてしまったり、朝が起きられなくなったりとデメリットが目立つようになってくることが多いと思われます。

このように、子どもが「そっちの方がもっと自分の好きなことができるから」のように、おうちのルールを拡大解釈して用いている場合は、もろもろのリズムが崩れるきっかけにもなりかねないので、ダメなものはダメという姿勢も大切です。子どもたちの変わった要求も、乗ってあげていいものと、乗ると後が大変になるものに分けて対応していった方が先々悩まなくて済みそうです。

子どもたちの“理不尽な要求”には、本人にとっては理由があって「至って真剣!」というものと、パパママがどれくらいお願いを聞いてくれるか「試しています!」という2つのタイプがあるよう。

大人から見たら「変なお願いだなあ…」と思う「ママの髪の毛を自分に生やしたい!」も、ママの髪の毛が大のお気に入りで、ずっと触っていたい…などのきちんとした理由に裏打ちされているのかも。

もう一方のタイプも、危険なことや実現が難しそうなこと以外は付き合ってみるのも、子どもたちとの大切なコミュニケーションになるはずだ。

ひとつだけ気を付けたいのは、“わがまま”にも発展しそうな要求。

「お父さんと一緒に寝たい!」という要求に応えてあげることで、次の朝には寝坊しちゃう…そんな場合は「おうちのルールだから、遅くまで起きてるのはダメだよ」などしっかりと“お断り”するのも大切だ。

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(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)