ウクライナ情勢が重大な局面を迎えている。ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部にロシア軍の派遣を指示、事実上の軍事侵攻に緊張が高まっている。

ロシア、ウクライナ東部に侵攻か

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ウクライナの首都キエフ。市民がスマホで見ていたのはロシアプーチン大統領の演説だった。19歳の男子学生はスマホを片手に「私たちは戦争になってほしくない」という。

プーチン大統領は21日、テレビ演説でウクライナ東部の2つの武装勢力を一方的に独立国家として承認した。

東はロシア、西はポーランドなどのEU圏と国境を接する国ウクライナ。プーチン大統領はウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州の一部を実効支配する親ロシア派の武装勢力を一方的に独立国家として認める大統領令に署名。これによりウクライナではなくなったとみなす2つの地域に軍の部隊を派遣し、“平和を維持”するよう命令した。

部隊が国境を越えればロシア軍がウクライナ東部に入ることになり、事実上の軍事侵攻にあたるとの見方もある。

ドネツク近郊では…

プーチン大統領が出動命令を出した直後のドネツク近郊では、夜道を白煙を上げながら装甲車やトラックなどの軍用車が列をなして走行していた。しかし国旗などは確認できずロシア軍の車両かどうかははっきりしない。

ウクライナ軍と親ロシア派勢力の間で続く戦闘。ドネツク州の村では多くの住宅が砲撃を受けるなどして市民生活が脅かされている。

自宅が被害を受けた女性は「戦争を止めたい。やめてください。ウクライナ大統領ゼレンスキーにもプーチンにも伝えて。なんとか交渉で解決してもらいたい」と強く訴える。

ロシアの決定を受け、国連安全保障理事会は緊急会合を開催。しかしロシアには拒否権があり安保理として一致した対応を取ることはできていない。

プーチン大統領「軍派兵」で戦争は

フジテレビ「イット!」のスタジオでは元外交官で外交・安全保障のエキスパート宮家邦彦氏に話を聞いた。

加藤綾子キャスター:
ロシアがウクライナという国の一部の独立を一方的に承認する、そういったことが認められるんでしょうか?

宮家邦彦氏:
なかなか難しいじゃないですかね。これは全体として考えると2014年に特殊部隊を送って階級章もない誰だかわからない人が中に入っていて事実上制圧して、それで今年になって8年後にようやく国家の独立を認めてそれで軍隊を送る、これは「8年がかりの軍事侵攻」ですよね。国際法上どのような解釈をするかこれから考える人がいると思いますが、これを認めたら何でもアリになっちゃいますよね。

宮家氏「誤算なき交渉を」

加藤綾子キャスター:
これはアメリカとロシアの首脳会談が行われる前にロシアは独立を承認したということなんですよね?

宮家邦彦氏:
そうですね。もちろん意図的にやったわけですね。ロシアからすればおそらくこの程度のことであればあからさまな軍事侵攻じゃないしドンパチでもないわけだから、だから「制裁はかけられにくいだろう」と。「NATOの内部は分裂するだろう」と見ているのかもしれないけれども、そうは問屋が卸さないでしょうね。その意味ではバイデン大統領がどのような対応をするかが極めて重要になってくると思います。

加藤綾子キャスター:
これは今後、戦争になるという可能性もあるのですか?

宮家邦彦氏:
合理的に考えたらプーチン大統領も戦争はしたくないでしょう。しかし「人間の歴史は戦争の歴史」なんです。なぜかって「人間は誤算を犯す」からなんですね。プーチン大統領にせよバイデン大統領にせよ「誤算」がないようにちゃんとしっかりと交渉してほしいと思います。

(イット!2月22日放送分より)

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