街の発展を築き未来を創ってきた建築建材業界。しかし日本の発展の礎でありながら人口減少が続く中、この業界も例外ではなく高齢化や人材不足が課題となっている。

そこで、小学生から大学生、専門学生まで、世界中の全ての生徒・学生を対象に“ものづくりの楽しさ”を知ってもらい、未来をつくる人材を発掘しようと、「WPAA(ワールド・ペーパー・アーキテクト・アワード)」が初開催される。

WORLD PAPER ARCHITECT AWARD 2022

紙に建築の未来を託そう。
世界ペーパーアーキテクト大賞2022
WORLD PAPER ARCHITECT AWARD 2022

新聞紙、段ボール、紙粘土。紙素材のものは身の回りに数多くあります。
誰もが手にしやすい素材を使い、自由な発想で建築物や住宅の模型をつくってもらいます。
学生たちに少しでも、ものづくりの世界に触れて欲しいと願い、初開催されます。
一人でじっくりつくり上げてもよし、仲間と一緒に楽しみながらつくってもよし。
このイベントを通して小学生から大学院生まで、未来を背負う若者たちに世界を変えるイノベーターとして成長してほしいと期待しています。
これは、未来のクリエイターから、日本の未来を創る建築家へのメッセージなのです。

“ものづくりの感動”を経験してほしい

審査委員は、史上初の二大建築賞をダブル受賞した小堀哲夫氏、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーの中島さち子氏、“和紙ソムリエ”杉原吉直氏の3人だ。

3人にこのアワードに期待することなどを聞いた。

審査委員長/小堀哲夫氏
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日本建築家協会(JIA)および日本建築学会(AIJ)会員。法政大学教授。
代表作に「ROKI global innovation center」、「NICCA INNOVATION CENTER」、「梅光学院大学 CROSSLIGHT」などがある。
2017年度には、建築家に与えられる二大建築賞、AIJ(日本建築学会)の日本建築学会賞、JIA(日本建築家協会)の日本建築大賞(JIA grand prix)をダブル受賞した。同年内のダブル受賞は史上初となる。

ーー初開催となる「世界ペーパーアーキテクト大賞(WPAA)」の意義とは

小堀哲夫さん:
学生たちに“ものづくりの楽しさ”に気づき、自分の中にある創造性を発揮する場になってほしいと願っています。人間には古来より「ものづくり」の能力が備わっていて、建築物をつくることを通して心や体から溢れ出る感覚や感動を体験してほしいですね。

ーー紙を素材として「つくる」ことの意味は

小堀哲夫さん:
紙は身の回りに数多くあり、誰もが手にしやすい素材です。また、小さい頃から折り紙などで親しんできた経験もあり、ものづくりの素材として非常に親和性が高いと思います。

ーー審査委員長を務めるにあたって楽しみにしていることは?

小堀哲夫さん:
作品を通していろんな個性や多様性が表現されることが楽しみですね。
そして子供たちや学生の皆さんが建築に興味を持ち、未来の建築家・クリエイターとなり
世界を変える人材に育って欲しいと期待しています。

ーー応募者へのメッセージを

小堀哲夫さん:
友達と楽しみながらつくってもOK、一人でじっくり仕上げてもOK。
実際に手を動かしてみて手の先から自然と生まれてくる感覚を大切にしながら、
知識だけでなく、夢やワクワクした気持ちで“ものづくりの感動”を経験してほしいですね。

審査委員/中島さち子氏

大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー(「いのちを高める:学び・遊び・芸術・スポーツ」)。国際数学オリンピック金メダル受賞。
東京大学理学部数学科卒。NY大学芸術学部ITP修士(メディアアート)。
ジャズピアニストでありながら数学研究者であり、科学・技術・工学・芸術・数学を融合した「STEAM教育」に取り組んでいる。
株式会社steAm代表取締役。内閣府STEM Girls Ambassador。

ーー「いのちが輝く建築物」というテーマについて

中島さち子さん:
“いのちが輝く”とはどういうことなのか?どう表現できるのか?
自分なりの視点や感性で捉え、探求してほしい、という思いが込められています。
また、2025年に開催の大阪・関西万博のテーマ『いのち輝く未来社会のデザイン』とも大変近く、私が担当する「いのちを高める:学び・遊び・芸術・スポーツ」とも関連性が高いので、何かの形で連携できないかと考えています。

ーー「STEAM(※)教育」との関係性について

中島さち子さん:
このWPAAは私が取り組んでいる「STEAM教育」とも通じるところがたくさんあります。
「STEAM教育」は未来の価値をつくる人の喜びと自信を育む学び方を重視していて、身体性や文化を大切にしています。建築とは思想を形にすることですから、建築家は未来の価値をつくる人に他なりません。

ーーWPAAがもつ可能性について

中島さち子さん:
世界中の子供たち、学生が関わることができるイベントで、しかも、越前和紙を使うことで新しい伝統が生まれる契機になると思います。未来が変わるきっかけになるかも。

ーー作品に期待することは

中島さち子さん:
情熱があって「心を動かされる」作品を期待したいですね。
建築を学んでいる学生だけでなく、より多くの子供たちや若者に楽しんでのびのびとトライしてもらって、多様で自由な発想・表現を見てみたいです。
“ものづくり”は既製品でもマニュアルがあるわけでもなく、自分の頭でコンセプトを考え、手を動かして形にするもの。“ものづくりの喜び”を知ってほしいですね。

(※STEAM…Science:科学、Technology:技術、Engineering:工学、Arts:芸術・リベラルアーツ、Mathematics:数学の頭文字で、創造的・実践的・横断的でプレイフルな学び方、ワクワク(興味・関心)を軸とした「創る」と「知る」の循環を指す)

審査委員/杉原吉直氏 

越前和紙の産地・越前市今立において明治4年より続く和紙店『杉原商店』代表取締役社長。
インクジェットプリンター用和紙『羽二重紙』を開発するほか、“和紙ソムリエ”として世界中の建築物や美術家の和紙を手掛け、2016年「三井ゴールデン匠賞」大賞受賞。
2019年には外務省「日本ブランド発信事業」として世界各国で講演するなど、国内外で和紙の魅力を提案・発信し続けている。

杉原吉直さん:
建築を内装も含めて全体的にとらえて欲しいですね。
このWPAAを機に歴史と伝統、技術を誇る越前和紙が建築の一部としてもっともっと普及していくことを願っています。

和紙の里・福井から建築分野を盛り上げる

WPAAを企画したのはマーケティング事業を行うOOKABE Creations株式会社(福井県福井市)の大壁勝洋会長。
建材のカスタマーサービス事業を手掛けるOOKABE GLASS株式会社の社長でもある。
若者に少しでもものづくりの世界に触れてほしいと願い、このイベントを立ち上げた。
いつか、このイベントに関わった学生たちが、未来の建築家になって日本を背負ってもらえることを期待している。
https://ookabe-glass.co.jp

募集要項

テーマは「いのちが輝く建築物」
・A4サイズ(297mm×210mm)の上に高さ30cmまでの建築物・住宅を制作してください。
・人が建築物内で活動することを前提に制作してください。
・使用できる素材は紙のみです。※紙粘土も使用可能です。
・建築物の一部(装飾含む)に越前和紙を使用してください。

エントリー代

・日本国内1000円、国外20米ドル
・エントリーと同時に越前和紙アソート1000円分を送付

対象

・世界中の小学生、中学生、高校生、高専生、大学生、大学院生、専門学校生

応募記入欄

・タイトル
・この建築物を作るに至った経緯
・今回のテーマをどのように表現していますか?
・制作した建築物を作るにあたって一番苦労した点
・制作した建築物を通じて、環境のことをどう捉えていますか?
(※タイトル以外の事項は100~300文字での記入)
・名前、年齢、学年、住所・連絡先等

賞金

・グランプリ:100万円(1点)
・各部門優秀賞:30万円(小・中学生部門1点)、40万円(高校生・高専生部門1点)
 50万円(大学・大学院・専門学校生部門1点)
・佳作:5万円(6点)
・審査委員特別賞:10万円(3点)
・ポピュラー賞:20万円(サイトでの「いいね」の数、1点、複数の場合は分割)

※応募に関する詳細はHPからアプリをダウンロードして確認を
 https://wpaa.jp

WPAA2022
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