政府は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定を公表した。最大30メートルの高さが予想される津波による死者数は最悪の場合およそ19万9000人にのぼるとしている。

北海道で震度7 岩手で津波30メートル

内閣府の有識者会議は、日本海溝・千島海溝沿いで、マグニチュード9クラスの最大規模の地震が起きた場合の被害想定を公表。この地震によって、北海道厚岸町付近で最大震度7のほか、北海道から岩手県の沿岸部などで震度6強の揺れが予想されている。

津波の高さは、三陸沿岸では、岩手県宮古市で最大およそ30メートル、北海道えりも町沿岸で、およそ28メートル、また岩手県中部より北の沿岸では、東日本大震災よりも高い津波が予想されている。

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「冬の深夜」に死者19万人超

今回の被害想定では、震源域を日本海溝沿いと千島海溝沿いの2つに分けて、それぞれについて地震の発生時期と時間帯を、「冬の深夜」「冬の夕方」「夏の昼」の3つの条件で被害の推計を行った。

その結果、津波による死者数が最も多くなるのは、日本海溝沿いで「冬の深夜」に巨大地震が起きるケースで、多くの人が就寝中で積雪や凍結の影響で避難が遅れるため、およそ19万9000人にのぼるという。全壊する家屋は、大半が津波によるもので最大22万棟と推計されている。

初の被害想定 低体温症4万人

また、被害想定では、寒冷地の特性にあわせて、津波から逃げたあと、屋外で低体温症によって死亡するリスクが高まる人の推計を初めて行った。それによると、日本海溝沿いで「冬の深夜」のケースで、最大およそ4万2000人が低体温症要対処者になるという。

一方、住民が被害想定に悲観することなく、自分のこととして冷静に受け止め素早く安全な場所に避難するなど、防災対策をしっかりと行えば津波による死者数は、およそ8割減らせるとしている。

記者会見を行う二之湯防災担当大臣(21日午前)
社会部
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