「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」であるSDGs。

2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択。17のゴール、169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っている。

日本や世界がこの目標を達成するためには何すればいいのだろうか?11月21日にフジテレビにてZ世代が“SDGsで変わる未来”の発表を行った。

120チームの応募から日本・海外の合計8チームがオンラインで事前に作成した動画を提示しながら英語でプレゼンした「Voice of Youth Empowerment (VYE)2021 サステナ英語プレゼンテーションチャレンジ~地球の未来は、キミが変える~」。

「Voice of Youth Empowerment (VYE)2021 サステナ英語プレゼンテーションチャレンジ~地球の未来は、キミが変える~」
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設立50周年を迎える公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)が、その記念事業の一環としてフジテレビと協働で開催した同イベント。2030年に社会の担い手となる次世代育成を目的とし、未来の主役である中学生、高校生世代が出会い、学び合う場を作り、未来への思い・考え・活動を世界へ発信していくことを目的としている。

MCは「VYE2021」アンバサダーでフリーアナウンサーの木佐彩子さん。ゲストにパトリック・ハーランさん、20歳の環境活動家・露木志奈さん、宮城教育大学の見上一幸名誉教授が登壇した。

コロナで増えた使い捨てマスクをリサイクル

木佐さん、ゲストの3人も中学生、高校生のSDGsに対する考えや視点に加え、プレゼン能力や発表資料のレベルの高さに驚き、「Unique idea!」と称賛の声が飛び交った。

熊本県立天草高等学校のチーム「Amakusa High School Science Club」は、地球温暖化による海面上昇を「珪藻と花粉」から将来の海面を予測する研究や、海藻(eelgrass)を使って海水の二酸化炭素を減らすといった5年間に及んだ研究を発表。「eelgrassはどんなにおい?食べられるの?」などの質問も出るなど、参加者の興味を引き、盛り上がった。

「Voice of Youth Empowerment (VYE)2021 サステナ英語プレゼンテーションチャレンジ~地球の未来は、キミが変える~」

愛知県桜丘中学校のチーム「GONZALES」は使い捨てマスクによる海洋汚染とそのリサイクルについて発表。使い捨てマスクを殺菌し、貧困・難民支援のテントへ生まれ変わらせたり、不衛生な水によって命を落としている子どもたちのために水を浄水するフィルターへの再生などのアイデアを提示。どうやって使い捨てマスクを回収するか、ビジネスになるのかなどの視点も加わり、プレゼン後には大きな拍手が起こった。

キリバス共和国の「KiriCAN Rising」は、気候変動により国が水没してしまうかもしれない現状を訴えた。地球温暖化を進める温室効果ガスを放出するのは先進国であり、被害を受けるのはキリバスのような国であることや、声をあげたり情報を発信することは大切だとした。

自国の教育システムに焦点を当てたのは、東ティモール民主共和国の「Lafahek Warior」。新型コロナウイルスの影響で多くの授業がオンラインになったことで、教育の中でテクノロジーを利用することの重要性を訴えた。また農村地域などでは通信技術が発展していないこともあり、“青空教室”などのような形で授業をしたりすることも提案した。

平和・ジェンダー問題も考えよう

広島県山陽女学園中等部・高等部の「Piece Of Peace」は、平和教育の大切さを呼び掛けた。SNSなどで拡散する広島の動画や宮島、呉、三次、尾道などの観光地に観光客が来ることで、地域経済を活性化させたり、折り鶴を折るワークショップの開催などから広島で平和を学ぶ独自のアイデアを発表。

千葉県市川学園市川中学校の「Steppers」は、イエメンの現状を紙芝居形式で発表。貧困や紛争、人道的な危機や飢餓などを取り上げ、子どもは痩せ細り、病院までは遠く、熱が出ただけで命を落としてしまうことなどを提議。実際に私たちができることをユニセフやNGOなどの国際組織の支援や食べ物の廃棄をなくすこと、食べ物の寄付などを挙げた。

「Voice of Youth Empowerment (VYE)2021 サステナ英語プレゼンテーションチャレンジ~地球の未来は、キミが変える~」

愛媛県立西条高等学校の「SUNNY」は、ジェンダー問題を取り上げた。著名人の人権やジェンダーに関する発言の引用、性的マイノリティーの子どもたちの現状をもとに、同級生たちに「ジェンダーを感じるか?」「ジェンダー問題を聞いたことがあるか?」、女子生徒には「制服がズボンになったら履きたい?」などを質問。高校生にとって身近な「制服」からジェンダーに対する考えを発表し、「高校生が世界を変えていこう!」とメッセージを投げかけた。

茨城県立竹園高等学校の「Takezono High School」もジェンダー問題について。SDGsを学べるカルタを制作し、学校へ寄付したことや、ディズニーの登場人物のジェンダー的な役割の変遷から興味を持ったときっかけを話す。そこで中学生とジェンダーについてディスカッションし、若者たちの考えやリアルな声を発表した。

クオリティの高さにパックンも驚き

各チームの発表を聞き終えたパックンさんは「本当に感動した。動画のクオリティや内容、テーマの選別、議論のレベル、調査の質などすべてが驚愕に値します。私たちが『SDGs』を話題にするとき、自分たちは毎日こんなに地球を破壊しているのかといった“罪の意識”がありますが、今日は問題を解決するアイデアがありました」と称賛。

続けて、「このSDGsの解決に取り組んでいるのが中学生や高校生たち。どんなアイデアもきっとうまくいくでしょう」と話した。

「Voice of Youth Empowerment (VYE)2021 サステナ英語プレゼンテーションチャレンジ~地球の未来は、キミが変える~」

露木さんは今回のイベントで同世代に背中を押されたと感想を述べた。

「私もパックンさんと同じように不安を抱え、いつも失望してしまいます。でも今日は希望やモチベーション、インスピレーションを与えてくれました。私が中学生だった頃は、学校の授業でSDGsや気候変動などの言葉を聞いたことはありません。現在の学校でSDGsを取り組んでいることが素晴らしく、行動を起こす最初のステップとして続けていくべきです。私も環境活動家として学校での(講演)活動を続けていきます」

見上教授は「今の若い人たちは本当にしっかりとした考えを持っている。今日は一つ提案したいです。過去からも学びましょう。昔の人は自然を大切にしていて、今は忘れ去られてしまった。昔の知恵を現代に生かすことが重要」と若者へ提案した。

最後にACCU国際教育交流部の進藤由美さんは「若者がチェンジメーカーだと思っています。今日の参加者がすでに国や地域、世代を超えて大きな刺激を与えたと思います。ACCUは多様性とコラボレーションを大切にします。持続可能な地球の未来のために一緒に活動しましょう」とメッセージを送った。