無駄遣いを改める、なんてできるわけない」

今、元大阪府知事の橋下徹氏の発言などをきっかけに、当選したばかりの国会議員をめぐる“特権”が物議を醸している。

橋下徹氏:
実は10月31日の(衆院選)投開票日で当選した新人議員は、あの1日(10月31日だけ)で文書通信交通滞在費1カ月分、丸々100万円をもらっているというような話が出始めているんですよ。

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橋下氏が疑問を投げかけたのは、国会議員の文書通信交通滞在費、通称「文通費」だ。

年間約2000万円程度の給与とボーナスとは別に、郵送費や通信費、交通費などの名目で国会議員1人当たり毎月100万円ずつ支払われている。しかもこのお金は、領収書などで使い道を報告したり公開する義務はなく税金もかからない

そして、給与とは異なり日割り計算ではないため、議員として月に1日でも在職すれば1カ月分の満額・100万円が支払われる仕組みだ。

そのため、10月31日に行われた衆議院選挙で初当選した新人議員らには、わずか1日の在職で100万円が支給された

橋下徹氏:
国会議員121人が、わずか数時間で現金100万円、領収書抜きでお金をもらっている。こういう国会の感覚で「無駄遣いを改める」なんてできるわけないですよ、そんなの。

維新「日割り支給」の法案提出へ

「国会議員のお小遣い」などと揶揄されるこのお金について、街の人は…。

50代の女性:
ちょっと許せない感じです。一般の方が100万円を手にするのはとても大変なことなので。お金の価値観として、一般の方とは違いすぎる金額だなと思って、非常に驚きました。

60代の女性:
そんなに国会議員って(お金)使わなきゃいけないのかなっていう…。

文通費について日本維新の会は、12月に開かれる予定の臨時国会に、日割りで支給する法案を提出する方針だ。また、新人議員に支給された文通費全額を党でいったん集め、寄付する方向で調整を進めている。

加藤綾子キャスター:
表向きは無駄遣いを改革すると言っていても、自分たちがおいしい思いをしているところは表に出さないのかなって感じてしまうと、残念に思いますよね。

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
一番気になったのは、1人の議員が指摘して明るみに出てきたんですよ。他の議員はどうしようと思ってたのかなと。だんまりを決め込んで、もらおうと思っていたのかどうか、そこがやっぱり問われると思うんです。

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
臨時国会で維新の会から法案を出すってことですから、徹底的に与野党問わず議論してもらわないと。だって我々国民は、10万円の給付金をめぐっていろいろ議論しているときに、100万円黙ってもらうような人がいたら、そんな人たちに国会議員の資格はあるのかなって思ってしまいました。

加藤綾子キャスター:
日割り法案を出すというところなんですけれども、使い道も明らかにしなくていい、余っても返さなくていいとなると疑問に思ってしまいます。透明性のある制度にしてもらいたいと思います。

(「イット!」11月15日放送分より)