背負った歴史の重み 「ついにこの日が…」

22日、113年の歴史に幕を下ろした新潟市中央区古町地区の百貨店「新潟三越」。最終日に見えたものは、人と人との絆だった…。
22日午前9時半。

従業員:
いつまでも温かく心にとどめていただけるような、最高の1日にしましょう

店内では、涙をこらえて最後の開店準備。一方、店の外では、約1,000人もの行列ができていた。

開店を待つ客:
母親が働いていたので、子どものころから来ていたので、感慨深いものがある

この光景に高橋芳明店長は、背負った歴史の重みを感じていた。

新潟三越・高橋芳明店長:
ついにこの日が来たかという思いで、朝は迎えた

新潟市中央区本町通に「小林呉服店」が創業したのが、113年前(1907年)。昭和に入り、「小林百貨店」と名を改め、古町十字路に出店。
1955年の新潟大火では、建物が全焼する苦難を乗り越え…、1980年に現在の「新潟三越」として新装オープンして以来、古町の顔として街のにぎわいをつくり続けた。

その最後の日を前に…。

新潟三越・高橋芳明店長:
丁寧に最後の恩返しをやっていくので、ぜひ最後まで力を貸してほしいと願った

三越の屋上にまつられた商売の神様「おいなりさん」に願かけをして、準備を進めてきた。

新型コロナウイルスの影響で客足が心配されたが、祈りは通じたようだった。

最後の開店…親しいスタッフとの別れを惜しむ人も

そしていよいよ…。

NST新潟総合テレビ・飛田厚史アナウンサー:
新潟三越最後の営業が始まりました。午前9時50分、開店と同時にお客さんが続々入店。特別な1日のスタートとなりました

行列が伸びたため、予定を10分早めて最後の開店となった。

従業員:
お立ち寄りくださいませ。

従業員:
本当にすごいの出しますからね。お客様

熱気漂う店内で買い物を楽しむ人や…。

従業員:
さみしいですね

来店客:
涙が出るよね

親しいスタッフとの別れを惜しむ人も。

新潟三越・高橋芳明店長:
ファミリーというか、それが三越らしさ

この親しみやすさが、三越ならでは。

中には…。

来店客:
会いに来たわよ

閉店を前に、10年ぶりになじみのスタッフを訪ねた人の姿もあった。

来店客:
素敵な方。三越の誇りです

ここまでお客をひきつける理由は、顧客を大切にするその姿勢にあった。

新潟三越・中村光子さん:
絵型台帳で、お客さまが買ったものを全部100色の色鉛筆で

顧客台帳に手描きのイラストを添え、お客さんの好みや購入した商品を管理し、接客に活用していた。

では、このお客さんの好みは?

新潟三越・中村光子さん:
ピンクと白

最後の日に勧めたのは、ピンクのワンピースに似合う黄色いバッグだった。

来店客:
とても感極まってうれしい

さらに、こんなところにも小さな気遣いがあった。

来店した子ども:
(何の折り紙?)ライオン?

古町のNEXT21へ移転することが決まっている三越の象徴「ライオン像」。

新潟三越・近藤佳子さん:
感謝を込めて、お客さまにどんなことができるかとメンバーで話し合って

来店客:
従業員さんが折ったのかと思って、温かい気持ちを感じて記念に手に取った

新潟三越・近藤佳子さん:
喜んでいただけているようで、最高にうれしい

笑顔をくれたおもてなしの心に、お客さんも応える。

小さな女の子が、スタッフに花を渡した。

女の子:
わたしが選んだよ

従業員:
お子様が小さいころから、ずっとごあいさつさせていただいて、お話ができるぐらい成長されていて、感極まって涙が止まらなくて

女の子の母親:
近所に住んでいるので、いつも通るたびにあいさつをしてくれて、仲良くしてもらった

三越が地域に根差して113年。そこには、お客さんとの確かな絆があった。

惜しむ声やまず 笑顔と涙で幕を閉じた新潟三越

その後も客足は途絶えず、ショーケースから商品が消えてもにぎわい続ける店内。それでも、その時はやってきた。

館内アナウンス:
ただいまを持ちまして、新潟三越、最後の営業を終了させていただきました

午後7時…。

従業員:
皆さん、笑顔で終わりましょう。笑顔で終わりましょう

名残を惜しむお客さんが、最後の時を見守る。

新潟三越・高橋芳明店長:
本当にうれしかったのは、最後の最後にこんなに多くの人が足を運んでくれたこと。本当に長い間ありがとうございました

訪れた人:
ありがと~!!

そして、古町を照らし続けた三越の明かりもこれで見納め。古町を彩るあかりが、また1つ消えた。

従業員:
胸がいっぱい

従業員:
本当に感謝しかない、お客様には

閉店しても、惜しむ声はやまなかった。

訪れた人:
「ありがとう」が言いたいから(来た)

訪れた人:
(閉店の瞬間を)生で見ると、時代の切り替わりを身に染みて感じて切なかった

訪れた人:
これからが寂しいですね。これからの新潟が寂しい

そのころ、店内では、新潟三越最後の終礼が行われていた。

新潟三越・高橋芳明店長:
これだけの人に来てもらった、温かい言葉をかけてもらったというのが、この地で110余年商売をしてきた証なんだと、つくづく感じている。本当にお疲れ様でした。ありがとうございました

地域に愛され113年。古町のシンボルとして輝き続けた新潟三越は、笑顔と涙でその幕を閉じた。

新潟三越・高橋芳明店長:
頑張ろうな。またな

街の大きなシンボルを失った古町地区…。その新たな時代が始まろうとしている。

(NST新潟総合テレビ)

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