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對比地翔子ディレクター:10月最後の週末を迎えた渋谷です。コロナ前と変わらないほどの多くの人が歩いていますが、仮装をした人は、ほとんど歩いていません。

飲食店の時短営業などの制限が解除されて、初めての週末を迎える29日。 東京・渋谷では日曜日のハロウィーンを前に・・・

 對比地翔子ディレクター :午後6時を過ぎた渋谷です。警察官たちが道路にコーンを設置し始めました。

渋谷駅周辺で路上飲酒の規制が始まる時間を迎えると、渋谷区の職員が巡回し、声をかける姿も。渋谷区は、駅付近のコンビニなどに対し 酒類の販売自粛も要請していて、MEGAドン・キホーテでも、30日と31日、 夜6時から翌朝5時まで販売自粛を決めている。

今年も「おうちハロウィーン」を推奨する渋谷区だが、自粛を呼びかける一方で、楽しみ方も提案している。ネット上に渋谷の街を再現した仮想空間 「バーチャル渋谷」。アバターで参加できるハロウィーンイベントも開催している。

一方、“コスプレフェス”の開催に向けて準備が進む池袋。今年はコロナという“頭痛の種”を抱えながらも感染対策に知恵を絞っての開催を選択した。

「密」を避けるため、入場はチケット購入者のみに制限。例年の6割ほどに人数も減らしている。

「池袋ハロウィンコスプレフェス」プロデューサー:(感染者数が)夏頃に盛り上がった時期があって、そこで一旦くじけそうになったんですけども、(感染者数の)数字を見ながらも、協議を重ねて、みんなで、よし今年は、そういった文化をなるべく残していこうということで・・・

そして、こんな選択肢も・・・。カメラマンがいないスタジオで写真撮影?

自分でシャッターを押して写真撮影を楽しめるセルフフォトスタジオ。背景やカメラ、照明の設定はスタッフが行うが、自撮り用のシャッタースイッチを渡すとスタッフは退出。あとは自由にシャッターを切るだけで 自然体の写真を残すことができる。

利用客:かわいい格好をして、みんなで集まって、パーティーみたいなのをしたいなというのは、ずっとあります。それでもやっぱり自分が(コロナに)かかるのも怖いし、かかってまき散らすのも怖いし、外には、なかなか遊びには行けないよなと思ってました。

@ITSUMO オーナー蔭山洋介さん:コロナなので、とにかく出たくないっていう方もいるし、 コロナの中でできることを探している方もいるし、限られた家族とか、親友とかと来て、ぜひ楽しんでもらえればと・・・。

内田嶺衣奈キャスター:WITHコロナのハロウィーンは様々な楽しみ方があるようですが、他にも、こんな声が聞かれました。

30代夫婦・子ども1歳:(今年のハロウィーンの予定は?)「いろいろ子どもと参加して楽しんでいます。ディズニーランドに行ったり、区民広場の感染とかも安全なところで、楽しく遊んでます。子育てが落ち着いてきたのと、子どもの思い出づくりのために参加する感じ」「うちらはワクチンを2回接種できているというのも大きいかなという気もします」

大学生2人(10代・20代):(今年のハロウィーンの予定は?)「私はバイトです」「私は家でご飯。ハロウィーンパーティー」(Qイベントに参加してみたい?)「行きたいとは思いますけど、今は…」「一応、大人数でパーティーするメンバーがいるけど、今年はみんなが声を掛け合わない。そういう空気があって、去年はクリスマスパーティーやってたけど、今年はあんまりそういう雰囲気にならない」

専門学校生2人(20代):(今年のハロウィーンの予定は?」「アルバイトします」「アルバイトです」「毎年、渋ハロ行ってたんですけど、コロナがあるので」「遊びたい!出られないからバイト入れたって感じです」

大学生(20代):今年のハロウィーンは今のところ行く予定なんですけど、午後10時ぐらいで切り上げようかなって感じで。僕初めてなので渋谷のハロウィーンが。ちょっと経験してみたいなって感じで。ちょっと不安な面はありますけど、東京も(新規感染者が)30人とか40人とかになっているので、今年はまだ行きやすくはなっているのかなと思いますね。

金融関係2人(30代):「今のところは何も考えていない。家でゆっくりかなという感じ」「まだこう言うご時世なので、特段、外には出ないかなと」(ハロウィーンイベントの開催について?)「対策取ってあればというのはあるが、一定数反対の人はいると思うので、折り合いつけて、オンライン(イベント)がちょうどいいのではないかと思いますけどね」

内田嶺衣奈キャスター:このニュースについては、デロイト トーマツ グループの松江英夫さんに話をうかがいます。街の声を聞いてみますと、楽しみ方も、それぞれのようですが、松江さんは、どうご覧になりますか?

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:本当にそうですね。ハロウィーンが、一律ではなくて、自分にとってのハロウィーンになってきている、そんな感じがしますよね。今年のハロウィーンの特徴は、おうちで過ごして楽しみたいというのと、仮装を楽しみたい、この2つのニーズが、それぞれ別個に強くなっている、ある種、ニーズが両極化している、私はこういう風に見ているんですね。

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:ある調査によりますと、全体の中で、最も過ごしたいニーズというのは、おうちで、みんなで過ごすというのが一番高いんですが、世代別に見てみますと、若い世代になればなるほど仮装をしたい、特に10代は、そのニーズが一番強かったりするんですね。今までは、ハロウィーンというのは、色んなニーズが渾然一体としていたものが、このコロナ禍の制約の中で、本当に自分にとって必要なものに、よりフォーカスが当たって、それが独自の進化をしている。それがニーズの両極化につながっているんじゃないかなと見ているんです。

内田嶺衣奈キャスター:なるほど、確かに、コロナで様変わりしてきているなというのは感じますが、イベントの楽しみ方そのものについては、今後、どんな風になっていくと考えていますか?

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:はい、まさに今回のハロウィーンというのは、イベント消費の先行きを占う、ある種の試金石だと見ているんですね。そこでのキーワードは、需要の分散化というところにあるんです。今までは、イベントと言えば、リアルに大勢が集まって楽しむ、これが典型的だったんですけれども、コロナ禍にあって、バーチャルの楽しみ方が定着してきたことによって、選択肢が広がって、需要が分散する、こういった傾向が、ますます強まっていくと思うんですね。

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:特に、リアルという場面においては、安全が確保された状態で、少人数で楽しむプライベート感、これが重要になってきますし、反面、バーチャルになりますと、色んな人と一斉につながる、このつながりの拡張性、これが価値を持つようになってくると思うんです。

内田嶺衣奈キャスター:そういった需要の分散化が進んでいく中で、サービスを提供する側にとっては、どんなことが求められているのでしょうか?

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:はい、重要なのは、リアルの中でのプライベート感とか、バーチャルのつながり、ここのところというのは、選ぶ消費者にとっては、「どちらか」という選択ではなくて、自分に合った形で「どちらも」選ぶ、こういった時代になって来ているということなんですね。

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:したがって、サービスルを提供する側も、こういったニーズの変化を捕まえて、それぞれのところを尖らせて、選択肢を広げて、メニューを広げていくということであったり、もしくはリアルとバーチャルを組み合わせて、新しい選択肢を作っていくであったり、新しいマーケットを作っていく商機と捉えて臨んでいくことが、より求められていると思います。

内田嶺衣奈キャスター:そうですね。ハロウィーンに限らず、イベントの楽しみ方も多様化してきているような気がします。需要の分散化が進む中で、また新たなサービスが出てくることを期待したいです。

(「Live News α」10月29日放送分)