スーパーチューズデー目前に「新星」が突然の撤退表明

撤退を表明したブティジェッジ氏

米大統領選に向けた民主党候補者指名争いで、「最大の山場」となるスーパーチューズデーが2日後に迫る中、ブティジェッジ前サウスベンド市長が1日、撤退する方針を発表した。同性婚を公表しているブティジェッジ氏は涙を流す夫とともに登壇し「打倒トランプに向けて、国民を一致団結させる」と呼びかけた。突然の撤退宣言に、会場からは2024年の大統領選出馬を求める声が上がった。

ブティジェッジ氏は初戦のアイオワ州で勝利し、大統領選候補最年少の「新星」として大きな注目を集めた。しかし、2戦目のニューハンプシャー州ではサンダース氏に敗北。ネバダ州やサウスカロライナ州では、黒人や中南米系などの「非白人」の有権者の間で支持が広がらず、今後を戦う上での課題が浮き彫りとなった。また、事前調査では、3月3日に行われるスーパーチューズデーの大票田・カリフォルニア州やテキサス州で上位に食い込めず、苦戦が予想されていた。

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選挙戦への影響は?バイデン氏に追い風の展開

最大の関心事は、ブティジェッジ氏の撤退が、今後の選挙戦にどのような影響を与えるのかということだ。

当初、サウスカロライナ州でバイデン前副大統領が勝利したことで、候補者の乱立状態が続き、さらに混戦となることが見込まれていた。しかし、ブティジェッジ氏の撤退により、「中道派候補」の絞り込みが進むことになる。これまで、この乱立状態はサンダース氏にとって有利とみられていたが、中道派内の絞り込みが進めば「サンダース一強」の勢力図が動くことが見込まれるのだ。特に、2日後の3日に迫るスーパーチューズデーの情勢は大きく変わる可能性がある。

中道派候補は現在、バイデン氏を筆頭に、ブルームバーグ前ニューヨーク市長、クロブシャー上院議員だ。

中道派候補 バイデン氏(左)ブルームバーグ氏(中)クロブシャー(右)

トランプ大統領は1日、早速ツイッターで「スーパーチューズデーではブティジェッジ氏の票がすべて“眠たげなジョー(バイデン氏)”に流れるだろう。すごいタイミングだ。これはサンダース外しの始まりだ」と揶揄した。バイデン氏は事前の調査で「トランプ大統領に勝てる候補」の筆頭格と目されていることから、ライバルへの攻撃を強め、けん制したものとみられる。



また、アメリカのメディアもブティジェッジ氏の撤退は「特に、バイデン氏にとって大きな追い風になる」との見通しを伝えた。

大票田ではサンダース氏が優勢も新たな局面に突入

序盤戦で苦戦が続き、一時は「撤退」の観測まで流れたバイデン氏だが、サウスカロライナで圧勝したことを機に潮目が大きく変わった形だ。再起を遂げた同氏の選挙戦は「まるでローラーコースターだ」とも揶揄される一方、「カムバック・キッド」と称され、今、大きな注目が集まる。「カムバック・キッド」とは、1992年の選挙戦の際、初戦で出遅れたが二戦目で持ち直し、その後の指名獲得につなげたビル・クリントン氏につけられたニックネームだ。

サンダース氏

最新の世論調査では、大票田・カリフォルニア州ではサンダース氏が大きくリードする。しかし、カリフォルニア州に次ぐ代議員数を擁するテキサス州では、バイデン氏がサンダース氏を猛追。ノースカロライナ州などでは、バイデン氏が優勢の展開となっている。民主党の大統領候補者指名争いは、「バイデン氏の4戦目の圧勝」と「ブティジェッジ氏の撤退」で新たな局面を迎えたことになる。

■カリフォルニア州の最新支持率(リアルクリアポリティクス ※ブティジェッジ氏撤退発表前に行われた調査の平均値)
サンダース 33.7
バイデン 15.3
ウォーレン 14.7
ブルームバーグ 13.3
ブティジェッジ 7.7

■テキサス州の最新支持率
サンダース 29.7
バイデン 20.8
ブルームバーグ 18.0
ウォーレン 12.7
ブティジェッジ 7.5

【執筆:FNNワシントン支局 瀬島隆太郎】

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