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新型コロナウイルスの感染防止のため、緊急事態宣言も含めた特別措置法に向けた動きなど、政治の議論がスピード感を増している。一方で、医学的に見た現状と今後はどうか。全国一斉の臨時休校やイベントの自粛など、政府の対応は十分な実効性を担保できているのか。治療薬や欧米での流行など、今後の見通しはどのように考えられるのか。
今回の放送では、感染症の専門家3人をゲストにお迎えし、新型コロナウイルスへの対応策を医学に限った部分から徹底検証した。

「1〜2週間で終わる」ではなく今は“戦いのとば口”

川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦氏

竹内友佳キャスター:
2月24日に行われた専門家会議では「この1〜2週間が、感染拡大に向かうか収束に向かうかの瀬戸際」とされました。この期間を目安とするのはなぜですか?

川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦氏:
ウイルスに感染して、病気になって、多くの人は治るが悪化する人もいる。この一連の経過が5〜14日です。ある対策が奏功して患者が他の人に移さなくなるまでの期間、つまり患者が減り始めるまでが2週間程度と考えられるためです。

 

反町理キャスター:
表の上では、どこまでを指して2週間と言っているのでしょう。

川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦氏:
ピンクの線に行くか赤の線に行くかの分かれ目がはっきりする部分です。

反町理キャスター:
では、「1〜2週間で終わる」という話ではなく、今がまさに新型コロナとの戦いのとば口なのだ、という認識でよろしいですか?

川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦氏:
そうです。

全国一斉休校の効果には3人とも疑問

 

竹内友佳キャスター:
全国一斉休校という政府の要請を受け、3月2日からほとんどの学校が休みとなりました。専門家会議では全国一斉の臨時休校の効果は検討されなかったようですが、政府の判断をどうご覧になりますか?

川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦氏:
大人には発症し子どもには発症しないといった面もある。南から北まで一斉に休校することには一定の効果はあるが、社会の混乱のバランスを考えないといけないと私は思う。専門家会議の議論においては、休校についての提言はしていない別の対策にエネルギーを使ったほうが効率がよいのでは、というのが私の考え。

獨協医科大学 微生物学講座 教授 増田道明氏

獨協医科大学 微生物学講座 教授 増田道明氏:
パイロットスタディ(試験的な調査・研究)でも構わないので、一定数の児童・生徒を検査したデータに基づいて判断しても良かったのでは。検査のキャパシティ問題もあるが、子どもたちの中での広がりを把握し、自治体の判断に委ねる形にしてもよかった。

国際医療福祉大学医学部 主任教授 松本哲哉氏:
休校の影響は家庭にまで波及したと思う。一方、今も電車が満員であったり、会社として対応が取れてないところも多い。感染が拡大しやすい場所が他にもたくさんある中で一斉休校を行ったが、何もせずに待てば効果は半減してしまう。次に打つ手が大事です。

日本における致死率は0.2%か

 

反町理キャスター:
このグラフの、致死率の部分についてうかがいたい。これは中国の数字ですが、医療水準などを考えたとき、日本ではどうなるのか。

獨協医科大学 微生物学講座 教授 増田道明氏:
世界で平均したときに致死率はおよそ2%ですが、中国以外の国に限れば0.4%。すると日本の場合は0.2%程度を想定するのがよいでしょう。ただ、過去のSARSの例を見ても、現在の中国の例を見ても、高齢者の致死率は高い。現に日本でも高齢者が亡くなっており、こうした方々についてはもう少し高い数字を想定した方がよい。

アビガンなどの有効性はこれから、一方で危険性も

 

竹内友佳キャスター:
安倍総理は「アビガン、カレトラ、レムデシビルの3つの薬はいずれも有効性が認められている」「治療薬を早期開発する」と発言しています。これらの有効性は。

国際医療福祉大学医学部 主任教授 松本哲哉氏:
新型コロナウイルスに対する薬をゼロから作ろうとすれば5年、10年かかる。しかも流行がこのシーズンのみで終わってしまうかもしれず、開発会社は及び腰となります。では今使える薬に有効性を見出そう、という方向性は間違っていません。問題はどこまで効くかです。一定の有効性が認められるといったデータはこれから出てきますが、いくつかの薬に絞られているという意味では、光が見えています。

 

竹内友佳キャスター:
アビガンは、入院患者のみに処方される薬なのですか?

川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦氏:
アビガンは、新型インフルエンザが発生して既存の薬が使いにくい場合に、やむをえない選択として出す薬です。妊娠している動物に投与した場合、胎児に異常が出る確率が高まり、男性の場合は精子に異常が出ることも認められます。広く一般に使うことの危険性が高く、管理下で使うものです

欧米でも感染拡大が必至

国際医療福祉大学医学部 主任教授 松本哲哉氏

反町理キャスター:
オリンピックなどを意識した場合、今後の世界的な感染拡大が問題になります。日本では今後の対策がうまくいけば収束に向かえるかもしれないというお話ですが、アメリカやイタリア以外のヨーロッパ各国はこれから。これらの地域では、日本より遅れて拡大が始まるのでしょうか?

国際医療福祉大学医学部 主任教授 松本哲哉氏:
アメリカは確実にこれから増えると思っています。医療体制を見ても、多くの方が普通に病院を受診できるシステムではありません。ヨーロッパは国によりますが、五輪の時期に差し掛かれば影響なしでは済まないでしょう。

川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦氏:
今後、感染はアメリカやヨーロッパに広がります。また、医療において検査など含めかなりのことができる日本に比べて、途上国は検査も治療もできずに重症患者だけが増え、震源地となってしまうことも考えられます。世界としてこれを避けるために、国際的な枠組みを考えなければいけません。

(BSフジLIVE「プライムニュース」3月3日放送)