近ごろは冷え込む日も多くなってきたが、まだ暖房器具を出していない人の方が多いことだろう。そんな中で今、ある「こたつ」がSNSなどで熱い視線を集めてホットな話題になっている。
それが「ゲームこたつ」だ。

ヤマダホールディングスは、一部を除く全国のヤマダデンキとネットショップで、10月15日に「ゲームこたつ」(1万6280円・税込)を発売する。トランプなどのゲームがしやすいように設計されているのだ。
しかし、この発表を知った若い世代は「ゲームこたつ」という名前から、「ゲーミング○○」などと呼ばれるパソコンゲームのための製品や家具などを思い浮かべる人も多かったよう。
「ゲーミング○○」製品群はとにかく派手な7色(虹色)に光ることから、この「ゲームこたつ」に対してもTwitterでは次のような意見が出て、注目を集めたのだ。
・やっぱり虹色に光るんだろうか?
・そもそもこれはゲーミングなの?
・カードゲームも立派なゲームだよね
・アイディアが光っているんだよ
もちろん、この「ゲームこたつ」は虹色に光ったりすることはない。
特長は天板がリバーシブルで、シックな木目調の裏側には、トランプなどのカードが張り付かずに扱いやすい、紺色の「ベロア素材」を使用。また天板の縁(ふち)には、持ち札を差し込める「カードスロット」と、コイン型のチップをまとめて置くのに便利な「チップホルダー」を搭載。

さらに、こたつ本体の「やぐら」部分には、カードやチップなどをしまっておける「収納スペース」も備えており、遊んだ後にすぐ片づければチップやサイコロが行方不明になることも防げそうだ。
もちろん、こたつとしての基本スペックは万全で、300Wの石英管ヒーターと、手元スイッチで操作も楽々。同社は「さまざまなカードゲームやボードゲームをより楽しくするゲームこたつ。一家団欒やお友達とのひと時を楽しく演出してくれる商品です。」と説明している。

幅の広いものにしたいとストレートに命名
ちなみに、ヤマダデンキのこたつで他に天板がベロアになっている製品は一つもないという。そしてベロアというと、昔は天板の裏が緑色だったことを覚えている読者もいるかもしれない。
今回、なぜ「ゲームこたつ」は紺色にしたのか? そして、近ごろよく話題になる「ゲーミング○○」にあやかって「ゲーミングこたつ」にする考えがなかったのかも気になる。
担当者に聞いてみた。
――「ゲームこたつ」開発の理由や狙いを教えて。
コロナ禍の影響により家で過ごす時間が増え、家族一緒に楽しく遊べるトランプ、ウノ、カルタ等のカードゲームが楽しめる場を提供したいと考えました。また、流行りのボードゲームにも役立ててほしいと思っております。
さらに、大人の世代には、昔あった緑のベロア張りの天板のこたつを思い出していただき、巣ごもりの時間を楽しむヒントにしてほしいと考えました。
――名前を「ゲーミングこたつ」や「カードゲームこたつ」にする案はなかった?
ゲーミングこたつでは、商品コンセプトに合わず、カードゲームこたつでは、楽しむゲームを限定させるイメージになると考えました。ご購入者が、自由に使って貰える幅の広いものにしたいと思い、ストレートに「ゲームこたつ」としました。
――「ゲームこたつ」がTwitterで話題になったことをどう思う?
巣ごもりにより、ご自宅で家族が一緒に楽しめる娯楽への需要が高いと思われる事、また昔の雀卓こたつを懐かしく思う世代が、商品に共感してくれたと思われる事等が話題として取り上げていただいているのではないかと思っております。
――名前が話題になることは想定していた?
名前ではなく、今の環境にフィットする商品として開発しました。
ヒーターもほとんど光りません
――昔は天板の裏は緑色だっが、なぜこのこたつは紺色なの?
トランプ等カードゲームは赤色を基調とした商品が多いため、引き立つ配色として紺色が合うと考えました。緑は雀卓のみを連想されてしまう為、避けました。
――「ゲームこたつ」にパソコンゲーム向けの機能はないの?
予定はございません。
――でもヒーターは赤く光る?
石英管ヒーターなので、ほぼ光る事はございません。また、他の色にするといったギミックは考えておりません。

光ったりする「ゲーミング」機能はなかったが、シンプルな「ネーミング」もあり大きな注目を集めたようだ。
コロナ禍ということで、今後も外出自粛は続くかもしれない。これからのクリスマスシーズンやお正月休みに家庭では、この「こたつ」が活躍する場面もありそうだ。