コロナ禍で修学旅行が延期や中止になる中、愛媛・大洲市の中学校が、地元をめぐる修学旅行を行った。
生まれ育った地域の魅力を再発見する修学旅行。
生徒たちはどう感じたのだろうか。
地元をめぐる修学旅行 きっかけは1人の生徒の思い
大型バスを降りる中学生たち。大洲市立新谷中学校の3年生26人だ。
向かったのは、小学校の遠足でも来たことがある「大洲城」。
上ってきた3階では、ガイドからこんなクイズが。
ガイド：
この3階だけ雰囲気が違うのがわかりますか
中学生：
外側からわからないような造りになっている
ガイド：
惜しい。そんなのだったら僕も見たい
実は大洲城、3階だけ内装が白壁ではなく板張りになっている。
中学生：
久しぶりに来たので懐かしいなっていうのもあるし、ガイドもついているので新しいことも知れていいなって
この見学、実は地元をめぐる修学旅行。
きっかけは1人の生徒の思いだった。
新谷中3年・福岡蒼唯さん：
大洲ってどんな街なのって聞かれて、はっきりこういう所がすてきなんだよって、みんなが答えられるようになったら、もっともっと大洲はすてきな街になっているということを将来いろんな人に広めてほしいなと思います
「大洲の魅力をもっと知りたい」
この生徒の声を聞いて、学校側が今回の修学旅行を企画したのだという。
新谷中・高岡憲二校長：
去年、京阪神に行く予定だったんですが、コロナ禍で1年延期して、まだ厳しいというので、四国内にさらに変更したんです。またこの8月に感染が広がったので、大洲市内で楽しめる内容で組んでみてはどうかということで、この企画を始めてみました
普段から見ている場所…実は知らないことがたくさん
大洲城で生徒たちが体験したのは、甲冑。
着付けをする人：
腕とか、こことか前はしっかり守れますが、背中は全然守れてません。これはどういうことかというと、敵に背を向けるなということ
中学生：
動くのはちょっとしんどいし、暑いですね。喋りにくくて、ひもが喉にかかって
女子生徒は浴衣に着替えた。
中学生：
（夏祭りなど）ことしはコロナで行かなかったので、この機会に着れてうれしいです
そして、大洲藩に江戸時代から伝わるお成り行列の体験。
甲冑の重さは10kg。地元の歴史を体験する貴重な体験だ。
このあと、生徒たちは大洲の歴史ある街並みを散策。
普段からよく見ている臥龍山荘。
でも、中に入ると知らなかったことも…
ガイド：
皆さん、左右にちょっと動かしてみてください。月の満ち欠けに見えるでしょ。それを考えて作ってあるそうです
ガイド：
きょうは中秋の名月です。十五夜です。ここは年に一度、中秋の名月、月見をするためにできたお部屋です。お月様が上がってまいります。上がってくるとこのように見えます
修学旅行定番のお土産探しでは、地元のお菓子をお土産に。
中学生：
（大洲名物の）志ぐれ買って帰ろうか
先生たちへ感謝のサプライズ 恐ろしいサプライズ返しも…
1日の日程を終えて生徒たちが到着したのは、今夜泊まるホテル。大洲の町並みを生かした古民家ホテルだ。
夕食は豪華なフランス料理、初めて見るメニューばかり。
中学生：
何とかのテリーヌ。フォアグラと栗とはだか麦の焼きリゾット。フォアグラって何？
そんな中にも、肱川でとれた鮎ごはん。デザートは大洲産さつまいものモンブランと、地元食材がぎっしり詰まっている。
中学生：
濃厚。何か柔らかいレバーみたいな。口の中でとろけるような
楽しい食事のあと、生徒からすてきなサプライズが。
中止も心配された修学旅行を実施してくれたことへの感謝の気持ち。
中学生：
この修学旅行でたくさんのことを学び、思い出をたくさん作りたいと思います。卒業までよろしくお願いします
先生：
ありがとう。すごい
ホテルに帰ると、今度は先生たちからの恐ろしいサプライズ返し…肝試しが。
中学生：
いたよね？今いたよね？
何とかゴールにたどり着いた生徒たち。
ゴール地点ではこの日の最後のイベント、花火が待っていた。
「新しい良いところを見つけられた」
コロナで中止も心配された修学旅行、生徒たちは。
中学生：
コロナ渦であんまりどこにも行けないし、学校でもいろいろ制限されている中で、こうやってみんなと一緒に修学旅行ができて、とてもいい体験ができました
中学生：
最初は大洲市って聞いて、京都の3泊4日とは違ったのでどうかなって思ったんですけど、すごい大洲市の新しい良いところを見つけられて良かったです
新谷中・高岡憲二校長：
コロナに負けないように、みんなで元気に楽しく活動できるような、もちろんコロナ対策もしっかりする必要あると思うんですけど、その中でやれる楽しいことをしっかり作っていきたいなと思います
地元の魅力を再発見したコロナ禍の修学旅行。
生徒たちは貴重な思い出を作ることができた。
（テレビ愛媛）
