コロナによる追い打ちでラムネ製造会社は34社に

福岡の街に秋の訪れを告げる筥崎宮の祭り「放生会」。しかし、2021年は新型コロナウイルスの影響で前年に引き続き露店の出店などは中止に。

また、夏の間も“密”が懸念される祭りや花火大会は軒並み取り止めとなり、さまざまな場所にその影響が出ていた。

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祭りに欠かせない定番のひとつ「ラムネ」。ガラスの涼やかなビンに入ったラムネは、昔懐かしい日本の風物詩として親しまれているが、いま絶滅の危機に立たされている。

小松飲料 小松三郎社長:
イベントとか花火大会が軒並み中止になってきている中、ラムネが世に出る機会が少なくなってきた

そう訴えるのは、1952年(昭和27年)から佐賀県唐津市でラムネを製造販売している小松飲料の3代目、小松三郎さん。

創業当時から変わらない製法と味を守り続けているが、コロナ禍の前と比べると生産量は6割ほど減ったという。

全国のラムネ製造会社は、1950年代のピーク時には約2300社あったものの、時代の移り変わりとともに2019年にはわずか37社に減少。さらに新型コロナが追い打ちをかけ、2021年はそのうちの3社が撤退に追い込まれている。

小松飲料 小松三郎社長:
ラムネに触れる機会をどんどん作っていかないと、幻の飲み物になってしまう。今の小さな子どもたちが、ラムネという飲み物がある夏の思い出がなくなるのは、すごく悲しいなと感じます

自宅で簡単にラムネを手作り イベントでも好評

そんな中、長引くおうち時間でラムネを楽しんでもらいたいと商品化したものがある。

小松飲料 小松三郎社長:
ご家庭でラムネが自分で作れるキットになります

シロップに炭酸水、そしてラムネ瓶がセットになった手作りラムネキット(税抜3000円)。

シロップと炭酸水を瓶に入れ、最後にくるっと逆さにすると、ビー玉で口が密閉される。付属の「玉押し」でビー玉を落とすと、誰でも簡単に昔懐かしのラムネを楽しめる。

永野小夜子リポーター:
すごい!本当に閉まりました。これは家でできたら楽しいですね

9月4日、小松さんは福岡市中央区の大濠公園を訪れていた。

 

祭りが中止になっても、外でもラムネを楽しんでもらいたい。そんな思いから、九州産業大学と共同でイベントを開催した。

用意していた500本のラムネは、予定よりも2時間ほど早く完売。さらに、さまざまな味のシロップを使った手作り体験も子どもたちの人気を集めた。

訪れた家族:
あまり夏祭りとかなかったから、なんか久しぶりだなって

訪れた家族:
お祭りとか全然、連れて行ってあげられていないので、本当によかったなと思います

小松飲料 小松三郎社長:
さっそく小さい子どもたちから「シュワシュワでおいしい」とか、楽しそうにしているところを見ていると、やっぱりラムネって素晴らしいな、楽しいものだなと感じました。なんとしてでもラムネっていう存在を絶やしたくないという、その気持ちはかなり強いですね

長年、親しまれてきた夏の定番飲料、ラムネ。“絶滅”の危機から脱し次の世代につなげるため、メーカーの試行錯誤は続く。

(テレビ西日本)