コロナ禍で高まるキャンプの人気。様々な道具をそろえて本格的に楽しむ人も増えている。一方でキャンプ用品の盗難被害も発生している。どうしたら防ぐことができるのだろうか?

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椅子やランタンなどが盗まれる “自衛”が必要な状況に

家族連れでにぎわうキャンプ場で、楽しい時間を台無しにする事件が発生した。

パークゴルフ場をリニューアルした北海道恵庭市の「メイプルキャンプ場・RVパーク」。たき火が楽しめ、レンタル品も豊富で家族連れに人気だ。そこで発生した事件とは…。

メイプルキャンプ場・RVパーク 大藤義賀社長:
テントが20~30センチ切り裂かれた。そのほか5~6件、物が盗まれた。「気をつけて下さい」という声かけはするが、警備員を配置するわけにもいかない。防犯カメラを設置するにしても、この広さなので対策は難しい

椅子や鍋、ランタンなどが盗まれたというのだ。こうした被害が各地のキャンプ場で起きているという。

利用客:
ランタンなど軽いものは盗まれやすいと聞いたので、テントに持ち込んだり、車に積んでロックをかけたり気をつけている

利用客:
連泊していると途中、テントを離れることがある。風呂に行ったり買い物に行ったりした時に盗まれると、どうしようもない

キャンプブームで変わる客の志向…高額な商品も

楽しい時間を台無しにする盗難被害。多発する背景には何があるのだろうか? キャンプ用品店では、ブームの影響で客の志向が変わってきたという。

秀岳荘北大店・白船芳典さん:
写真を撮ってSNS映えする、おしゃれで高額な商品がよく売れている。たき火台だと3~4万円以上のものがよく売れる。クーラーボックスは5~6万円するものがすぐに売れる

ブランド志向で高級化するキャンプ用品。ねたみや転売が目的で、盗んだり傷つけたりする行為が増えている。

午後9時前。警察官がキャンプ場に来た。

警察官:
キャンプ場で盗難事件が多発しているということで、ポスターを作ったので見えるところに掲示してほしい。私たちもパトカーで赤色灯をつけて巡回する。

警察もパトロールを強化するなど対策をとっている。

被害をどう防ぐ?キャンプ保険も登場

被害にあわないためにはどうしたらいいのか。各地のキャンプ場を取材し情報発信している、川手有沙さんに聞いた。

ポジラボ・川手有沙さん:
キャンプ場にいる全員が防犯意識を持っていると、お互いに監視態勢が作れるので「ここでは盗めない」という雰囲気に。テントに人がいるように思わせるためランタンの明かりをつけたり、ラジオや音楽を迷惑がかからない音量でつけたりするのが効果的です

利用者一人一人が注意し、防犯の意識を高めることが被害を未然に防ぐことにつながるという。

それでも被害にあってしまった場合に備えて、「キャンプ安心保険」というケガや賠償責任、キャンプ用品の盗難などを補償してくれるものがある。1日300円からで、当日加入も可能だ。例えば、テントの切り裂きやカメラの故障、キャンプ用品の盗難などが対象。

「LINEほけん」の中には「キャンプ安心保険」があり、加入者は2020年6月と比べて4倍に増えている。盗難がないのが一番だが、未然に防ぐためにも一人一人の意識や対策が大切だ。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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