JR新宿駅と組んだアップサイクル商品

「かわいい」「あったら嬉しい」「地球に優しい」。
 ちょっと違う“エキナカショップ”がオープンした。

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女性客の目を引くアクセサリー。
一つ一つ模様や形が違う。

JR東日本クロスステーション 馬場成美さん:
新宿駅のペットボトルキャップを使用して作られた商品です。

材料はペットボトルのキャップをプレスしたものだ。
それを細かくハサミで粉砕して板にする。さらに、その板を溶かし、固めてアクセサリーにしているという。そのため、元の模様が少し残っているのがわかりやすい状態になっている。

廃棄されたペットボトルの回収を行っていたJR新宿駅とタイアップして作られた、アップサイクル商品だ。

このほかにも店内には、エコを意識したブランドがずらりと並んでいる。

価格帯やデザインにもこだわり

「ちょっと、ちがうキオスク」をコンセプトに8月にオープンした雑貨店。
出店した場所にも狙いがある。

多くの通勤、通学客が行き交い、1日平均の乗車人数が全国1位の新宿駅。
より多様な人に知ってもらいたいという思いから、この場所を選んだ。

さらに若い世代に興味を持ってもらえるように、価格帯やデザインにもこだわっている。

女性客:
かわいい雑貨屋さんだなと思って入っただけなので、後からエコと知って、さらに良いなと思いました。

思ったよりかわいかったので、これからは環境に優しいものを買おうと思いました。

大切にしたのは、身近であること。
あえてエコを謳わないことで、より気軽に使ってもらえるのではないかと考えた。

JR東日本クロスステーション 馬場成美さん:
かわいいですよね、というところから入って、実はこういう取り組みがされている、という作り手の思いを伝えるという順番は気にしています。

今後については・・・

JR東日本クロスステーション 馬場成美さん:
今回第一弾の企画としては、JR新宿駅との取り組みでしたが、今後は地球に優しいエコな活動をしている他のブランドや企業とも面白い取り組みができたら凄く嬉しいなと思います。

消費者が意識せずに達成できる仕組みを

三田友梨佳キャスター:
社員全員がリモートワークで働くスタートアップ企業の石倉秀明さんに伺います。
エコなだけではなくて、実用性やデザイン性を兼ね備えている商品が増えているようですね。

キャスター取締役CRO 石倉秀明さん:
ビジネスの現場では、SDGsという言葉を聞かない日はないくらい浸透してきています。
その中で、どの会社も「自分たちには何がやれるのか?」を考えていることは確かです。

SDGsという言葉自体は、トレンドのように見られがちですが、2020年以降におけるビジネスの中での「新たな前提条件」になってきていると感じます。

三田キャスター:
SDGsを意識するのは大切ですが、さらに一歩進めて、SDGsであることが当たり前になるといいですね。

石倉秀明さん:
消費者として「環境に良い」とか、「働く人に優しい」といった基準から商品を選ぶという行動は、たしかに増えてきていると思います。
例えば「脱炭素」というものであれば、わかりやすいところで、ハイブリッドやEVを買おうという動きが出てきています。

ただ、全ての消費行動に対して 「これはSDGsなのか?」と考えて購入することはなかなかできないと思いますし、その生活をしていたら疲れてしまいます。
だからこそ「結果論としてのSDGs」を作れるかが企業にとって大事になってきます。

三田キャスター:
導入ではなくて結果論としてのSDGsということですか?

石倉秀明さん:
例えばスーパーやコンビニなどでレジ袋が有料になったことで、私たちも袋なしにしたり、持っているバッグに入れるようになりました。これはSDGsを意識しなくても、結果的にできている例です。これを毎回、「環境のために」と伝え続けられても疲れてしまう。

それよりも、「かわいい」とか「便利だから」という理由で買ったものが、結果的にSDGs的な消費行動に繋がっている、そういう設計ができていることが非常に大事なので、SDGsは前提ですが、それを消費者が意識せずに達成できるような仕組みを作れるかどうか、それが企業にとって新たな課題になっていると思います。

三田キャスター:
消費者が気負いすぎずに生活に取り入れていけることこそが、SDGs実現のためには重要なのかもしれません。

(「Live News α」8月31日放送分)