新型コロナウイルスの感染拡大で困難になった、対面での高齢者の「見守り活動」。
しかし今、“電球”を使った安否確認で、一人暮らしでも安心して生活できる取り組みを行う自治体がある。
見守り活動に“電球”
金沢市の野町地区は高齢者率が3割を超え、1人暮らしの家も多い。この地域では、見守り活動に力を入れてきた。
しかし…
野町社会福祉協議会:
(サロンを)毎月やっているんです、本当は。これはなくなりました。8月いっぱい全部休んで、9月も休みにした

新型コロナの感染拡大で、高齢者の集まりは中止になった。民生委員も、思うように自宅を訪問できない状況が続いている。2020年6月には、1人暮らしの高齢者が家の中で倒れ、搬送先の病院で亡くなったということもあった。

野町社会福祉協議会・杉岡利正会長:
民生委員も、自分がもっと訪ねたらいいのかという気持ちになる。そういうところの負担をもっと少しでも軽くできないかと

そこで、この地区では8月から、市の助成を受けて新たな見守りを始めた。見守り活動に使うのは、電球。

電球が8時間以上つきっぱなしだったり、24時間つかなかったりすると、スマートフォンのアプリを通して、民生委員や町会長、離れて暮らす家族に通知が届く。


電球を通じて、家族を見守る
民生委員・中嶋幸子さん:
すぐ電話したんです。そしたら電話に出られて…「お元気です。大丈夫です」と(アプリに)入力すると、娘さんの方にも(安否が)伝わるので安心される

1人暮らしの女性(85):
助かります。私は1人(暮らし)だから。もし何かあっても安心感があります

電球を通じて、遠くにいる家族と地域住民が高齢者を見守る。こうした取り組みは、全国で初めて。
野町社会福祉協議会・杉岡利正会長:
1人暮らしの方が、安心して安全に生活できる町づくりをしたい

この電球がとりつけられているのは19世帯。地区では、全ての1人暮らし世帯に電球での見守りを広げていきたいとしている。
(石川テレビ)