PayPay加盟店で、8月17日からLINE Payでの支払いができるようになる。

PayPayとLINE Pay決済連携

買い物の際、PayPayのQRコードをLINE Payで読み込めば支払いができる。

これは、2021年3月に経営統合した「Zホールディングス」と「LINE」のQRコード事業の連携第1弾で、8月17日から全国328万カ所以上のPayPay加盟店のうち、読み取り用のQRコードが置いてある店舗が対象となる。

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両社は、2022年4月にQR事業での統合を目指していて、実現すれば8000万人以上が利用する“国内最大規模のスマホ決済サービス”になる。

目指すは“PayPay経済圏”の構築か

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、社員全員がリモートワークで働くスタートアップ企業を経営する石倉秀明さんに伺います。今回のサービス統合をどうご覧になりますか?

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明さん:
QRコード決済のシェアでPayPayは約68%あって、まさに独り勝ち状態という状況です。その元となっているのは、巨額の資金投下をしたことで加盟店を一気に増やしたというのがあるんです。これにより売り上げも今四半期で約80億円くらいまで伸びてきています。

累積の赤字はまだ回収していないという状況だと思いますので、これから今までの「投資の回収」と彼らが目標として言っている「将来的な営業利益1000億円を超える」というところに向けて、大きく仕掛けてくるその1つなのではないかなと思います。

三田友梨佳キャスター:
まさに今回の統合もその仕掛けの1つだと思うんですが、PayPayはどこに向かっているのでしょうか?

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明さん:
目指すゴールとしては、お金を支払う機会をすべて囲い込む“PayPay経済圏”のようなものを確立・構築したいんじゃないかなと思います。すでに銀行だったり、クレジットカードなどグループ内の決済事業に関しては、PayPayブランドで統一し始めていまして、一部会員が増えるなどシナジーも出始めているところです。

今後はさらに加盟店を増やしていきながら、あらゆるリアルの場での支払いをPayPayで取っていき、銀行、クレジットカード、保険なども囲い込みを強化したいと思うんです。そういった順調なスタートの中でも想定外の見込み違いというのも一部あったのではないかなと思います。

三田友梨佳キャスター:
想定外の見込み違いですか?

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明さん:
東京オリンピック、パラリンピックに合わせて、海外、特に中国からの観光客がたくさん日本に来ると想定していたと思うんですね。そこでQRコード決済に慣れている中国人観光客の方などに、PayPayをたくさん使ってもらうことで、利用店舗を一気に増やすであるとか、QRコード決済をさらに普及させる見込みが、感染拡大によって失われたというのはあるんじゃないかなと思います。

「割り勘」「送金」あらゆるデジタル上の決済も強化

三田友梨佳キャスター:
PayPay経済圏の構築でLINE Payを取り込む意味、メリットはどういった点にあるのでしょうか?

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明さん:
今まで現金もしくはPayPayしか使えない加盟店というのもあるわけですけれども、ここがLINE Payを使えるようになったことで、グループトータルでの決済総額を増やすというのが今回の施策の目的だと思うんです。今後もこういった連携が増えていくと思います。

さらにLINEという8000万人以上が使うコミュニケーションアプリとの連携強化によって、プラットフォーム上で行われる友人同士の割り勘の支払いや小額送金などの個人間の決済、あらゆるデジタル上のサービスの決済、そういったところの強化も狙っているのだと思います。

三田友梨佳キャスター:
まさに双方の強みを生かした取り組みのようです。連携の強化が利用者の利便性にどれだけつながっていくのか、今後の動きが注目されます。

(「Live News α」8月17日放送分)