埼玉県の大野元裕知事らは、五輪の夜開催の競技等について、他の大規模イベントへの制限にならい、「21時以降は無観客にすべき」だと訴えている。

埼玉県の場合、バスケットボールは「さいたまスーパーアリーナ」を会場としているが、複数の試合が夜9時開始だ。また、7月25日に「埼玉スタジアム2002」開催されるサッカー日本・メキシコ戦は夜8時開始で、夜9時には終わらない。

しかも今、東京都は感染者数が再び「増加」に転じており、7月11日が期限となっている「まん延防止等重点措置」の解除も微妙な情勢だ。

どう考えるのか?

27日放送の「日曜報道 THE PRIME」には埼玉県・大野知事、神奈川県・黒岩祐治知事、そして大会の運営責任者・中村英正氏(大会組織委MOCチーフ)が出演した。
大野知事が強調したのは、一昨年のラグビーワールドカップで、試合後に酒を片手にした外国人や日本人が、街中で、朝まで騒ぐ光景を目の当たりにしたことだ。
その上で、「(五輪は)一生に一回の機会だが、感染症は、貴重な機会だろうがなんだろうが、分けて考えてくれない。夜9時以降については無観客、あるいは無観客と同等の効果が出るような措置を講じなければいけない」と述べた。
「同等の効果」との謎めいた言葉には、政府や組織委等との“駆け引き”が続いている現状が伺える。
日本戦についても「無観客」になる可能性をにじませた。大野知事は「最後は感染防止に、法律上の権限を持っている知事が腹くくって、どうオリンピック委員会・パラリンピック委員会・組織委員会が言おうと、責任上それしかないですから。そこはもう腹くくるつもりではいます」と述べた。

以下、出演者の主な発言

梅津弥英子キャスター:
競技など夜9時以降におよぶものがある。開会式は夜7時から11時。さらにサッカーの日本戦は7月25日(埼玉スタジアム2020、メキシコ戦)、28日(横浜国際総合競技場、フランス戦)に開催されるが、試合の最中に夜9時をまたぐことになる。大野知事は夜9時以降「無観客に」と表明されているが、いかに対応するのか

埼玉県・大野元裕知事:
サッカー、だけではなく、バスケットボール夜9時から始まる。
従って、今後、まん延防止等重点措置が仮に解除されたとしても、今の段階では、国との協議では、一定の時間等について、飲食店やイベントについて、制限かけるわけですから、そこはあわせる。つまり、9時までに終わっていただくか、9時以降に始まるものは少なくとも無観客にしていただかないと、一昨年ラグビーのワールドカップがありました。埼玉県も会場になりました。実はそのあとに、外国人も日本人もそうなのですが、夜、そのあたりで、店に入らなくても、お酒を調達して、朝まで騒いでいる。こういった人たちもおられましたので、一生に一回の機会で、大変興奮されるのは分かりますが、感染症は、貴重な機会だろうがなんだろうが、分けて考えてくれないので、夜9時以降については無観客、あるいは無観客と同等の効果が出るような措置を講じなければいけないというのがわれわれのお願い

梅津弥英子キャスター:
日本戦の前に観客を帰すことになるのか

埼玉県・大野元裕知事:
日本戦...要するに、時間を繰り上げていただくのも一つかもしれませんし、夜9時以降に始まるものについては、少なくとも帰りの電車等も含めて考えると、非常に厳しい状況になるので、そこは無観客をわれわれとしては考えたい、とおもうが、同等の措置ができるのであれば、もちろん、それはあり得る

松山俊行キャスター:
各自治体で対応に差が出るのか

神奈川県・黒岩祐治知事:
今の感染状況をみていると、東京都の状況、神奈川県の状況は「下げ止まり」です。7月11日にまん延防止等重点措置が解除されるのかどうか、私は非常に不安に思っています。解除されない場合は、昼も夜も問わず「無観客」の方向に向いて行ってしまっている、と私は思います

《中略》

神奈川県・黒岩祐治知事:
まず、開催時間をもっと早められないか、と。
サッカーは決勝戦が横浜だが、終わるのは夜の11時30分。1万人が電車に乗って帰れるのか、といった問題もあるわけです。まずは時間を早くしてください、
そして、もしもやるのなら、お客さん全員に検査を義務づける位のことをやらないと、一般の市民、県民の皆さんに「よしこれならばみんなでやっていこう」とはならないと思う

中村英正組織委MOCチーフ:
特別の措置をここで講じると混乱してしまうと思う。「五輪だからわれわれがこうしてください」とお願いするのもおかしいし、あるいは「ご自由に、ご勝手に」というのも。
いきなりそういうところに入るのではなく、先週の水曜日に各知事に集まっていただきましたが、関係自治体の知事会、幹事会も含めてよくご相談をさせていただこう、と。
統一のメッセージ、矛盾のないメッセージをだしていくことが大切だと思う

松山俊行キャスター:
開会式はいかに。21時をまたぐ設定になっているが

中村英正組織委MOCチーフ:
開会式については、競技ではないから別にいいじゃないか、という話と、熱狂しないから、あまり感染が多くならないのではないか、という2つの意見がある。
そこも含めて、最初からこうだ、というのではなく、まずはオリンピックのルールをどうしていくのか、東京都も含めて、相談していく必要がある、と思う

番組レギュラーコメンテーター・橋下徹氏:
組織委員会も、政府も、東京都も、決定権者が現場の苦労をもう少し考えてくれ、と。
決定権者が、自分たちの個人的感覚で、例外・例外を広げていくと、本当に現場は混乱する。その例外対応のために、現場はものすごいエネルギーをさかないといけなくなり、本当にやらなくてはならないところに力を割けなくなってしまう

《中略》

松山俊行キャスター:
まん延防止措置が続いていた場合、無観客もありえるのか

埼玉県・大野元裕知事:
最後はわれわれ、腹くくんなきゃいけないと思っています。
先ほど中村さんがおっしゃいましたけれども、こうしてくださいと決め打ちはしないと。しかしながら、全部自由じゃなくていい、と。これはすごくあいまいな指示しか来ない。
われわれとしては夜9時の件についても、5者協議(6月21日にIOC、組織委、東京都などが実施)の前に判断をお願いしたが、決定していただけなかった。それをズルズルズルズル来てしてしまったら、最後は感染防止に法律上の権限を持っている知事が腹くくって、どうオリンピック委員会・パラリンピック委員会・組織委員会が言おうと、こうせざるを得ないということにわれわれ追い込まれるという、これも責任上それしかないですから。そこはもう腹くくるつもりではいます