福島県会津若松市の小学校に、56歳にして小学3年生と一緒に授業を受ける女性がいる。町や学校の協力を得て、ひたむきに「学び直し」を重ねる女性を取材した。

56歳と小学3年生が一緒に学ぶ教室

会津若松市の大熊町立小学校にやってきたのは、大竹英子さん(56)。車から教材を取り出して校舎へと向かうが、大竹さんは「教員」ではない。

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児童用の下駄箱に靴を入れ、担任に宿題を提出する。

大竹英子さん:
作文と漢字のノートです

担任・山田優花さん:
はい、チェックします

宿題を先生に提出

大竹さんは、2021年5月から小学3年生と一緒に授業を受けている。

大竹英子さん:
若い小さい子と一緒に勉強するのは楽しいです。わからないことが多いので、子どもたちがすぐ飛んできてくれて、親切に教えてくれるからです

小学3年生と机を並べる

中国で生まれ育った大竹さんは、日本に来て30年。日本語は話せるが、書くことができない。

そこで、大熊町や学校の協力を得て始めたのが「学び直し」。東日本大震災の時、自分を支えてくれた人たちにお礼の手紙を書きたいというのが動機となっている。

大竹英子さん:
ふんわりとはどうやって書くんですか?

先生:
ふわっと、真ん中をちょっとだけ気持ち高めに

習字も子どもたちと一緒に

大竹さんの学ぶ意欲にクラスメートや教員も刺激

実は、大竹さんが「学び直し」をするのは、今回が初めてではない。

東日本大震災後、同じように大熊町立の小中学校で国語や社会を学んだほか、避難先の会津若松市内の定時制高校を2020年に卒業。「学び直し」に、さらに「学び直し」を重ねている。

大竹英子さん:
前に学校に通った時に、(学年が)下のことがわからなかったので苦しんでいました。「基礎からもう一度学び直したい」という気持ちがあって来ました

そのひたむきな姿勢に、クラスメイトや担任も刺激を受けている。

小学3年生・後藤愛琉さん:
(大竹さんに)教えるのは難しいけれど、(勉強を)一緒にやると楽しい

担任・山田優花さん:
これからもどんどん学んでいきたいという姿勢が感心させられますし、我々も教える立場ですが、これからも学び続けていかないといけないんだなって感じますね

年代を超えた“学び”が町の未来を明るく照らす

児童や生徒だけではなく、多くの町民が年代を超え、さまざまな人と関わりながら学ぶ「多様性」を教育の柱に掲げる大熊町立学校。

大竹さんは、そんな環境の中でのびのびと学び、周りもまた大竹さんから刺激を受けている。

大竹英子さん:
ずっと勉強したいという気持ちが強いので、勉強で覚えることがあったらすごく楽しいです

大竹さんの学びの意欲は、大熊町の未来を明るく照らす。

(福島テレビ)