「元の生活に戻れないのでは」女性を襲った不安

2021年3月に新型コロナウイルスに感染し、宮城県内の医療機関に入院した仙台市に住む30代の女性が仙台放送の取材に応じてくれた。

感染が分かった時の気持ち、そして、今なお残る「後遺症」について話を聞いた。

新型コロナに感染した 仙台市の女性(30代):
(感染が判明した時)熱があったのもあるが、頭が真っ白になって何もできなくなった。なんでこうなってしまったのか、自分が買い物に行かなければ良かったのか、花粉症で目をこすったのが悪かったのか。とにかく考えたけど原因が分からず…

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高熱や倦怠感で身体的につらい中、入院中の彼女を襲ったのは「元の生活に戻れないのでは」という不安。

新型コロナに感染した 仙台市の女性(30代):
犯罪者みたいな気持ちで、(感染して)ここから一歩も出られないけど、この先も自分はここから一歩も出られないという感覚になった

新型コロナに感染した 仙台市の女性(30代):
諦めというか、普通に働けないのかもしれない、普通の人と同じようには生きていけないんだなと

鉛が入ったように体が重く…仕事にも影響

そして、退院から2カ月以上が経った今も、その症状の一部が残る後遺症に悩まされている。

新型コロナに感染した 仙台市の女性(30代):
ちょっとした坂道とかで、息がすぐ上がってしまって、苦しいという感覚になってしまって、脈拍がとにかく速い。体がずっと重いというか、鉛が入っているというか。すっきりしない

女性は宮城県内の医療機関で介護士として働いていて、退院後の4月上旬から職場に復帰したが、力仕事も多い介護の現場にはすぐに戻れず、事務の仕事へ。

新型コロナに感染した 仙台市の女性(30代):
もう治らないのではという気持ちになりました。今だいぶ良くなってきて、ちょっと希望も見えてきたので、諦めずにもうちょっとリハビリや、頑張ってやっていこうという気持ちになったが、半ば人生を諦めるというか、いろんな事を諦めて生きていかないといけないと思っていました

行政や医療機関で後遺症のサポート体制を

自身は医療機関に勤めていたため、新型コロナに対する周りの理解や助けがあり救われたというが、一方で宮城県内に後遺症をサポートする行政の体制や医療機関がほとんどないことを懸念している。

新型コロナに感染した 仙台市の女性(30代):
宮城県内でコロナ後の症状を見てもらえる所がないというのが一番大変。退院してから「どうですか」というフォローは行政から一切なかった。少なからず、感染する人はまだまだいる。もう少し余裕ができてきたら、体制を整えてくれるといいなという気持ち

(仙台放送)

仙台放送
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