今、街を歩けばシャッターが閉まり廃業したお店が目につくことも多いのではないでしょうか?

東京商工リサーチによれば、全国で新型コロナに関連する経営破綻は5月27日までに、1529件に上ります。

めざまし8は、東京・渋谷区のハローワークを取材。そこで出会ったのは、これまでの仕事が“新型コロナ”によって奪われ、いま、慣れない新たな職を探さざるを得なくなった人たちでした。今、こうした人たちが求めている支援は何なのでしょうか?

“コロナ失業” 元アパレル会社勤務の女性「1日の食費300円」 

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27日、ハローワークで出会ったのはかつてアパレル会社で働いていた女性。

元アパレル会社勤務の女性(51)
コロナでアパレルの仕事だったんですけど、なくなってしまっていて…

ハローワーク渋谷によると、現在、ひと月におよそ3000人が相談に訪れ、その半数以上がコロナ禍で職を失った人だといいます。

今年2月にアパレル会社をリストラされた51歳女性に話を聞くと、ハローワークへの相談は、すでに10回目になると言います。希望する職種を広げたものの、コロナ禍でどこも厳しい状況。そこで今後は、未経験の仕事も視野に入れて仕事を探していくと言います。現在、失業保険と貯金を使いながらの生活が続いているという女性。

生活はどこまで生活を切り詰めているのでしょうか?

元アパレル会社勤務の女性(51)
冷蔵庫の中にきょうは切らしちゃってるんですけど、卵はいつもたくさん用意してる感じ。あとは納豆ですね。これも安いのだと78円、68円なんですけど、最近お店で発見したのが、これが48円(の納豆)だったんですけど…

1回の食事で食べるのは、納豆1パック程度、1日の食費を300円ほどに抑えています。こうした生活が2月から続き、まだ出口は見えない状態です。

元アパレル会社勤務の女性(51)
お金の減りが早くなっちゃうって感じで、これを支払ったら、年金を支払ったら残りは
これだけだとか、残りの減りが早くなってしまってるっていうのは焦りを感じますね

焦りや不安を抱えながらの生活。事業者への補償の不足が叫ばれる中、生活者への支援も不足している実態です。これまでまっとうに働き続けてきた人が、突如、仕事を失って、生活を極限まで切り詰めるところまで、いままさに追い詰められているのです。

“困窮世帯に最大30万円支給”…必要な支援は届くのか?

長引くコロナ禍に政府は新たに生活に困窮する世帯を支援する新たな家計支援策を提示しました。

その内容は、3人以上の世帯は月10万円を3カ月、あわせて30万円を支給。2人世帯は月8万円、単身世帯は月6万円を支給。支給は7月から始めたい考えです。

支給対象は限定されていて、
収入減少が続く世帯
緊急小口資金(無利子で最大200万円まで貸付)などが上限額の世帯
などの基準が設けられています。

このような条件がある上、審査が必要なため申請から給付まで時間がかかることも予想されます。現状で、具体的にどのような支援が受けられるのか見ていくと…

生活困窮者への経済支援は主に6つに細分化されています。内閣官房のホームページを見ると「生活を守る」中に6つの支援項目が書かれています。

①収入減で生活が苦しい
⇒「緊急小口資金・総合支援資金」

②休業による収入減で住居を失うおそれ
⇒「住居確保給付金」

③生活が苦しい子育て世帯に
⇒「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」

④安定した仕事を得たいひとり親世帯に
⇒「高等職業訓練促進給付金」

⑤自立に向けて取り組むひとり親世帯に
⇒「償還免除付・ひとり親家庭住宅支援資金貸付」

⑥コロナで学びの継続が困難
⇒「高等教育の修学支援新制度」

制度はあるので本当は受け取れるはずなのに、細分化された支援の内容や手続きにたどり着かず受け取れていないという人も多いのではないでしょうか。

番組独自アンケート「9割以上が支援に不満足」

実際に街の人たちはこうした支援策について、どう感じているのでしょうか?今回めざまし8は都内在住の20代から70代以上の男女500人にアンケートを取りました。

コロナ禍で収入に変化は?という質問に、
「増加した」と答えた人が、4.6%で23人
「減少した」と答えた人が、37.6%で188人
「変わらない」と答えた人は57.8%で289人となっています。

さらに、収入が減少した人に「自分が受けられる支援」について尋ねると、
「分かる」と答えた人が21.3%で40人
「分からない」と答えた人が78.7%で148人でした。

そして、収入が減少した188人中、国や自治体からの支援に満足?という質問には
「満足している」と答えたのは、5.9%で11人
「満足していない」と答えたのは、94.1%で177人でした。
9割以上の人が支援に満足していない現状が浮き彫りになりました。

まずは、いま本当に困っている人に対して、必要な支援策を速やかに結びつけることが求められています。

新型コロナウイルス感染症対策 各種支援 内閣官房

(めざまし8 5月28日放送)