あの懐かしい「国民的駄菓子」が、実は富山の工場で作られていたということで、最新設備が導入された工場を南條早紀アナウンサーが取材した。

大人から子どもまで、一度は食べたことがあるお菓子「ココアシガレット」。
手がけているのは大阪にある子ども菓子専門メーカーのオリオンだが、ホームページを見てみると「製造所:富山県」としっかり書かれている。

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南條早紀アナウンサー:
なんと工場は富山市八尾にあるということで、今日は工場に特別に入らせていただきます。楽しみです

一目で「ココアシガレットの会社の人」とわかるTシャツを着て出迎えてくれたのは、オリオンの高岡五郎さん。

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
1991年からこちらでココアシガレットを生産しています。去年の3月にラインを入れ替えて、初公開で出してもらいますんで

”あいみょん効果”で若者の人気に

工場を見せてもらう前に、オリオンが手掛ける商品をおさらい。
オリオンが一番最初に作ったお菓子が、1951年誕生のココアシガレット。2021年で発売から丸70年が経った。

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
昔、お父さんに威厳があったころ、縁側でたばこを吸ってるのを見て、子どもは大人に憧れたっていうのが、ココアシガレットが出来たはじまりだったと思うんです

ーー若い子たちの中でブームが起こっている?

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
あいみょんさんがインスタで、ココアシガレットを持ってる画を勝手にあげてくれたんですね。「なにすんねん!」って思ったんですけど、在庫がゼロになってしまったってぐらい、シガレットが売れ出して

なんと若者の間でココアシガレットが映えると、SNSで大バズり。

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
これはえらいこっちゃということで、新しい機械も導入するきっかけになりましたね

実は、高岡五郎さんのスマートフォンの待受画面もあいみょん。

南條早紀アナウンサー:
あいみょん様々ですね

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
様々、様々

”1分間に180箱”可能な最新工場

最新設備が導入された工場内へ、カメラが初めて入る。

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
ココアシガレットを、粉の状態から棒状に成型する工程がこちらになってます

南條早紀アナウンサー:
まさに作ってる現場ですね

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
これが大阪の工場で作られた、顆粒。味を混合したものがこれになります。今食べれないですけど、食べたらココアシガレットの味がします

南條早紀アナウンサー:
マスクをしてても、ミントのすーっと鼻に抜ける感じがあるんですよね。甘いミントのいい香りがします

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
これが、ココアシガレットのおいしい秘密です

南條早紀アナウンサー:
出てきてます、ココアシガレット。もうこれよく見るやつですよね

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
いっぺん上にあげられた粉が、杵と臼の間に入って、固めていくっていう作業ですね。3tから4tの力が働いています

南條早紀アナウンサー:
この機械で、1分間でどのくらいのココアシガレットが作れるんですか?

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
1分間に632本できます

南條早紀アナウンサー:
1秒あたり10本。すごいスピード生産ですね

工場では2台の機械を使い、1分間に約1,100本作られている。金属探知機を通過したココアシガレットは、包装の工程へ。

南條早紀アナウンサー:
ウォータースライダーみたいな、こんなに大量のココアシガレット見たことないです

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
回転していくところに溝を切ってて、短いものは溝から落ちていくっていう

南條早紀アナウンサー:
高岡さん、袋詰めされたココアシガレットが流れてきましたけど、こちらの機械はなんでしょう?

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
これは、6本ずつピロー包装されてきたものを、このメリーゴーランドみたいなやつで方向転換させて、次の工程に送入していく

南條早紀アナウンサー:
この機械がメリーゴーランド?

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
メリーゴーランド、乗ってるような感じでしょ?

そしてこちらが最新の箱折機。あいみょん効果で導入したこの機械は、箱の組み立てから糊づけまで、すべて高速かつ全自動で行えるそう。

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
180回転(で製造)ていう、このスピードはなかなかない

南條早紀アナウンサー:
1分間で180箱ということは、1秒に3個

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
人の手では絶対できないんで

南條早紀アナウンサー:
1日でこれ、全部で何箱ぐらい作るんですか?

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
今ね、7万箱ぐらいですかね

梱包作業の高速化をはかる2台の機械に約1億円を投資。
こうして富山で作られたココアシガレットは、全国へと旅立っていく。

そして南條早紀アナウンサーができたてのココアシガレットを頂いてみた。

南條早紀アナウンサー:
ココアの香りとミントの香り!おいしい!なつかしい

子どものあこがれを叶えてくれる駄菓子たち

ところで、世の中は禁煙志向。ココアシガレットも風当たりが強くなった時期があった。

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
タバコが嫌われるようになって、発売60年を記念してパッケージに「あなたの禁煙を応援します」っていうことで、急に禁煙応援グッズとして生まれ変わったんですね。タバコがこの世からなくなったとしても、うちのココアシガレットだけはずっと売り続けたいという気持ちが強かった

あらためてオリオンの商品を見ていくと、子どものあこがれを叶えてくれるものがいくつもある。
おこづかいで買えないものをお菓子で実現させたいという思いから、商品を開発していくんだそう。
中でも1978年発売のミニコーラ。人気の飲料に似たラムネは、注文が2億個入るほど絶大な支持を集めた。

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
ウハウハ言うてたころに、警告文が参りまして

アメリカの超大手飲料メーカーから訴えられる羽目になってしまった。勝ちっこないといわれた裁判は10年続いたが、結果は勝訴。

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
ミニコーラは、日本の国では販売許可がオリオンに出てる。子どもたちを笑顔にできる素晴らしいことを実現させた。
調子乗っていろんなパロディ商品を作っていった。やっぱり、遊び心が一番大事だと思います。
駄菓子からその気持ちがなくなったら、お子さんが喜ばないと思いますんで

オリオン常務企画本部長・高岡五郎さん:
お小遣いは100円、その中で自分で選んで買ってもらうっていうのが、うちの菓子の持ってる意味ではないかなと思うんで、安い値段を維持していくのが我々メーカーとしての使命じゃないかな。大きな儲けはないけど、細く長く頑張っていけると思いますね

デザインも味も変えず、値段をおさえて販売してきた大事な商品を、これからも届けたいという会社の思いが込められている。

(富山テレビ)