特定の遺伝子に変異がある人は、新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいことが分かった。

コロナ重症化しやすい日本人の約1割に見られる遺伝子変異

慶応大学などの研究グループが約2400人の感染者の検体を調べたところ、特定の遺伝子に変異がある65歳未満の人は、一般の人と比べて約2倍の重症化リスクがあることが分かったという。

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この変異は、免疫機能に関する重要な役割を担う「DOCK2」と呼ばれる遺伝子に関与するとみられている。

また、この変異は欧米の人にはほとんど見られないものの、日本人の約1割に見られるため、研究グループでは、日本人を含むアジアの人たちが重症化する原因の有力候補の可能性があるとしている。

血液型でコロナ重症化に差 一番の低リスクはO型

他にも分かってきたことがある。それは「血液型によって重症化するリスクが異なる可能性がある」ということ。

コロナ患者約2400人の血液を集めて、血液型別に重症化率を調べ、このうち65歳未満で重症化したのが440人。

これを血液型別に見てみると、最も重症化リスクが低かったのがO型

A型、B型はそれぞれO型の1.2倍の重症化リスク。そして、AB型は最も重症化リスクが高く、O型に比べると1.6倍になるという研究結果が出た。

この研究結果を基に新しい薬が生まれる可能性

加藤綾子キャスター:
こういうことが分かってくると、少しコロナに対する怖がり方も変わってきそうですね。

榎並大二郎アナウンサー:
徐々に未知のウイルスから分かってきたこともあると。この研究は、まだ同じ分野の専門家による評価・検証前であるとしながらも、慶應義塾大学の金井隆典先生は「今後さらに研究を進めて血液型によって重症化の予測ができるようになれば、入院判断の際の評価基準になって、そして体の中で起きているメカニズムを解明して、最終的には新しい薬の開発につなげたい」としています。

(「イット!」5月17日放送分より)