「1日100万回接種」実現できるか

日本国内で2回目のワクチン接種を終えた人は約116万人(5月9日現在)。国民の数%にしか満たない。この「ワクチン最貧国」の現状を打開すべく、菅首相は「1日100万回」の接種を目標にかかげる。

その日本で当面、使われるワクチンは、既に接種されているファイザー製とともに、月内に承認される見通しである、米国ベンチャー企業モデルナ製だ。

日本政府とモデルナ社は2500万人分のワクチン供給で合意済みで、このうち2000万人分は6月末までに国内に供給される予定だ。

東京・大阪で24日から開設される大規模接種会場では、このモデルナ製が使われる予定だが、接種ペースは「1日1万回」程度にとどまる。

このモデルナ製ワクチンをいかに迅速に接種していくかが、今後の接種率向上のカギを握る。

モデルナ製のワクチンとは

ワクチンの接種が国民の3割を超えているアメリカではファイザー製、モデルナ製、ジョンソン・エンド・ジョンソン製が使用されている。

モデルナ(ModeRNA)という会社は社名の通り、最新の遺伝子技術「m(メッセンジャーRNA)」を用いた創薬を目指すベンチャー企業である。

FNNニューヨーク支局の中川眞理子記者はモデルナ製で1回目の接種を行い、2回目の接種は5月3日に予約していた。

モデルナ2回目接種に向かうNY中川記者(日曜報道THE PRIMEより)
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アメリカではそれぞれの接種会場で使用されるワクチンの種類が公表されている。人々は行政やドラッグチェーンのホームページ等で情報を確認し、接種を予約する。

中川記者が接種を予約したのは大手チェーンの薬局だ。接種前日にはリマインドのメールも届く。

「ハロー、10時に予約しています」

3日午前10時。薬局に到着した中川記者は、接種のために用意された小部屋に入る。

ワクチン接種は1秒ほどで終了(日曜報道THE PRIMEより)

接種の瞬間こそ一瞬身構えるも、接種は1秒余りで終了した。

日本で予防接種といえば、医療従事者が「チクッとしますよ」「針を抜きますね」などと、一動作ずつ確認しながら行っていくイメージだが、中川記者への接種は、実にあっけなく終了した。

その後、薬局の一角で約15分間、椅子に座って安静にする。アレルギーショックなど体調に急変があった時への対応のためだ。

中川記者は、わずかにしびれは感じたものの、特に体調の変化はなかった。

 接種を終えた日の夕方、中川記者の元に送られてきたのは、CDC=疫病対策センターからのメールだ。接種後の体調を確認するもので、中川記者もこの時「Good」と入力した。 

CDC=米疫病対策センターから送られてきた体調確認メール(日曜報道THE PRIMEより)

まさかの高熱、39.1度

接種翌日の4日午前2時30分頃(接種から16時間後)、中川記者は、寒気を感じて体温を測る。

(NY中川記者に微熱が。日曜報道THE PRIMEより)
(日曜報道THE PRIMEより)

「37.4度」。
腕の痛みが増してきて、接種した左腕を下にして寝ると少し痛む。

その3時間後の午前5時30分頃(接種から19時間後)、寝ている間も、熱さによる発汗や、脇の下などの痛みを感じて、再び体温を測ると「38.5度」。

(日曜報道THE PRIMEより)

熱でうわつき「ぼーっと」し始める。1回目の接種では、こうした発熱はなかった。

接種後の副反応はファイザー製もモデルナ製も、2回目後により強く出る傾向がある。

コロナワクチン2回目接種後には、副反応も報告されている。

CDCの調査によると2回目の接種後、ファイザー製22%、モデルナ製38%の人が発熱している。

中川記者は接種翌日の4日は、自宅で静養。午後6時頃(接種32時間後)、体温は「39.1度」。

NY中川記者に、39度を超える高熱が・・・。(日曜報道THE PRIMEより)

夕方から上がり始めた熱に、解熱剤を服用する。

解熱剤で落ち着いた中川記者はCDCの体調確認のサイトに「発熱」「悪寒」があったことを入力する。発熱以外の頭痛等の症状は見られなかった。

ワクチン接種の「後」が肝要

その後、中川記者の体調は回復し、接種2日後の5日から通常の勤務に戻り、取材にあたった。

すでにアメリカでは2回目の接種を避ける動きがある。ファイザー製とモデルナ製は2回接種が必要だが、米メディアの報道では約8%の人が、2回目接種を受けていないという。

もしも日本国内で1日100万回接種を行った場合、1日数十万人の人に副反応が生じる計算になる。接種を進めるのが「国策」ならば、副反応対応も「国策」として向き合わなければならない。CDCのような「体調管理サイトの整備」や「接種休暇の創設」などの充実が求められる。