島根県大田市にある1300年の歴史をもつ温泉津温泉の玄関口で、人気急上昇中のパンケーキ。
コロナ禍などで落ち込んだ、まちの復活への期待は今、パンケーキのように大きく膨らんでいる。

まちづくりに携わる若手有志が営業を再開

店員さんが運んできたのは「鉄板パンケーキ」。
ナイフを入れるたびに、ふわふわの生地が揺れる。

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このパンケーキが食べられるのは、大田市の温泉津温泉の玄関口にある「温泉津ふれあい館」。

国道9号線沿いのこの施設は、山陰道の開通で利用客が減少。
運営していた第三セクターが解散し、2018年に休館した。

その後、温泉津のまちづくりに携わる若手有志が、一般社団法人Y-LABを立ち上げ、2年前に営業を再開した。

Y-LAB 森田晶士代表:
温泉津町の中で食事をする場所がなかったのと、温泉津に来てもらえるきっかけがほしかった

再開もつかの間、コロナ禍で利用客は再び減少。
打開策として、2021年2月からランチタイムのみだった営業時間を、カフェタイムを加えて午後4時半まで延長した。

北海道の行列ができる人気店から作り方を伝授

Y-LAB 森田晶士代表:
たまたま、パンケーキの生生地を提供していただける会社があって、地域貢献に関わる団体にだったら、ぜひ協力させてくださいという話だったので。まちづくりの一環として目玉となるように、パンケーキを選んだ

北海道の行列ができる人気店「カフェダイニング サルビア」から、パンケーキの作り方を伝授してもらった。

注文を受けてから作り始め、北海道から仕入れた無添加の生地をオーブンでじっくりと焼くこと、約20分。
生地が鉄板いっぱいに膨らむ。

「鉄板パンケーキ」の値段は800円。
北海道産のてん菜糖蜜付きのセットもある。

原田笑リポーター:
とにかくふわふわで、生地のきめが細かくてとろけるような食感です。ほんのりした甘味がとてもおいしいです

鉄板パンケーキが評判を呼び、若い女性や市の内外から利用客が急増中。2021年1月に約800人だった利用客は、パンケーキ導入後の2月には約1,400人に増えた。

パンケーキを食べた人:
すごくふわふわでおいしかったです。甘さ控えめで、また来たいです

パンケーキを食べた人:
なかなか温泉津でパンケーキってないので、こういう風に食べられるのはいいなって思います

ゲストルームやコワーキングスペースも 人が集まる拠点づくり

さらに温泉津ふれあい館では。

Y-LAB 森田晶士代表:
温泉津町の観光拠点として使っていただけたらなと考えてゲストルームにしました

物販スペースを低価格で泊まれるゲストルームに改装。

ほかにも、会議室だった2階をコワーキングスペースにするなど、人が集まる拠点づくりも進めている。

Y-LAB 森田晶士代表:
パンケーキをきっかけに来ていただいて、ふれあい館の魅力に気付いていただいて、温泉津の町内を盛り上げていく1つのコンテンツとしてやっていけたらいいなと思う

時間と空間を提供し、人が集まる場所へ。
ゆっくりと膨らむパンケーキのように、街のにぎわい復活にも期待が膨らんでいる。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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