登校や出勤の前に毎朝、鏡の前で髪型をセットする人も多いことだろう。そんな中でいま、小学生のヘアセットが斜め上すぎるとして、Twitterで話題になっている。

それがこちら。

投稿したのは、2017年に東京からハワイへ移住したケン・ノブヨシさん(@ken_nobuyoshi)。

「今日娘の小学校は“Crazy Hair Day”です。早起きして無事準備完了です」とのコメントと共に投稿した写真には、娘さんの頭にコーラのペットボトルがのっており、そして飲み口からは髪の毛が出ているだ。

髪の毛の茶色が、まるでコーラの液体のようで、ペットボトルから吹き出しているようにも見える。

提供:ケン・ノブヨシさん
提供:ケン・ノブヨシさん
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この興味深いヘアスタイルに、Twitterユーザーからは「どうやってペットボトルを固定しているの?」「おもしろい!」「これはグランプリ!」などのコメントが集まり、1万9000リツイートに12万6000いいねが付いている。(4月13日時点)

たしかに、どうやってペットボトルを頭につけているかはよく分からない。また、“Crazy Hair Day”はアメリカの小学校のイベントのようだが、具体的にはどのようなものなのだろうか?

ケン・ノブヨシさんに詳しく話を聞いた。

「Crazy Hair Day」は面白い髪型をして登校する日

ーーそもそも「Crazy Hair Day」とは何?

「Crazy Hair Day」は、面白い髪型して登校するイベントです。ハワイを含めアメリカの学校ではメジャーなイベントです。娘の学校では一年に一回の恒例行事で、いろいろなテーマで開催されます。

髪型だけでなくほかにも「パジャマデー」「ツインズデー(友達とおそろい)」など先生方が様々なアイディアでお題(格好)をだします。そしてそのお題の格好で登校するというのはメジャーな学校行事です。

パジャマデーなどは、アメリカではメジャーな学校行事だという(提供:gracelynsmamaさん)※今回とは違う学校です
パジャマデーなどは、アメリカではメジャーな学校行事だという(提供:gracelynsmamaさん)※今回とは違う学校です

ーー「Crazy Hair Day」以外にも「パジャマデー」など色々あるということ?

様々なお題がありますが、その中でも「Crazy Hair Day」や「パジャマデー」は定番といいますか、メジャーなお題だと思います。

 ちなみに娘がこれまで経験したのは「Crazy Hair Day」の他に「パジャマデー」「ツインズデー(友達とおそろい)」「クレージーソックスデイ(変な靴下、左右バラバラなど)」「スポーツウェアデイ」「スーパーヒーローデイ(ヒーローのコスプレやヒーローがプリントされているものなど)」「ウェアハワイアンプリントデー(ハワイ柄)」などがあります。

学校100日目に100years old(提供:gracelynsmamaさん)
学校100日目に100years old(提供:gracelynsmamaさん)
60s70s80sDAY(提供:gracelynsmamaさん)※今回の髪型の女の子ではありません
60s70s80sDAY(提供:gracelynsmamaさん)※今回の髪型の女の子ではありません

ーーペットボトルはどうやって付けているの?

ペットボトルの側面に穴を開けて、ポニーテール(1本にまとめる)にした髪を全て通します。そして飲み口から出せば完成です。これだけでペットボトルは取れたり動いたりしません。


ーーどうやって髪型は考えた?

「Crazy Hair Day」のキーワードで検索すると全米中の小〜高校生、大人のクレージーヘアの画像が出てきます。妻と娘で相談してどういう髪型にするか決めて、今回のペットボトルに挑戦しました。

提供:ケン・ノブヨシさん
提供:ケン・ノブヨシさん

ーー前回はどのような髪型をした?

今回は2回目で、最初のときはカップケーキが頭についているようにセットしました。このときは初めてだったこともありクオリティが低いです(笑)。でも気合いを入れなくても「ゆるーい仕上がり」でも全然OKなので、これでもみんなに十分ウケました。

提供:ケン・ノブヨシさん
提供:ケン・ノブヨシさん

同級生が歓声で迎えてくれた

ーー今回の髪型に娘さんの反応はどうだった?

住んでいるマンションのエレベーター、通学路はちょっと恥ずかしかったそうですが、校内に入ったら、同級生が歓声で迎えてくれて嬉しそうでした。また、先生方からの評判も良かったそうで、喜んでいました。


ーー学校でのみんなの反応は?

たのしかったそうです。この日は先生も変な髪形をするので、娘の担任の先生(男性)は三つ編みをしていて面白かったそうです。 他の子も何色ものカラースプレーで染めてきたり、派手なモール(手芸用モールみたいなもの)をいくつも付けてきたりとそれぞれ趣向を凝らしていたそうです。


ーー次はどういう髪型をする予定?

まだ未定ですが、紙皿を頭にのっけて、髪の毛で作った料理(麺類?ステーキ?ドーナツ?)を紙皿の上に盛り付けるかたちでセットしようかと思っています。


ーー娘さんの友達の中で、今までで印象的だった髪型を教えて

スパイダー(蜘蛛)です。三つ編みを6本作ってスパイダーの足に見立てて、後頭部にいっぱいにスパイダーの目と口を貼っていました。後ろから見ると大きなスパイダーに見えて衝撃でした。


ーーイベントごとに考えたりするのは大変だったりする?

私も妻も「今年はどんな髪型にしようかなー」って楽しんでいます。負担に関してですが、「Crazy Hair Day」を含めこういったイベントは全員強制参加ではなく、しない子はしなくて全然OKなんです。先生からも子ども同士でも「なんで〇〇の髪型(格好)してこなかったの?」とかありません。

やりたい子がやれる範囲でやります。 子どもが自分で参加、不参加を気軽に選択できますし(子供ですから気分ののらないときもありますしね)、強制ではない分、親の負担もないので、その点はとてもいいと思います。

ちなみにこの「参加の自由」についてはイベント全般にいえることで、例えば、ほかにもハロウィンは多くの学校では好きなコスプレで登校して、みんなで校庭を練り歩いたりする時間が設けられますが、そのときもしてこない子はいます。そしてしてこなくても怒られたり揶揄されたりはしません。

Crazy Hair Day(提供:gracelynsmamaさん)
Crazy Hair Day(提供:gracelynsmamaさん)

学校は個人の考えを尊重しあう雰囲気で暮らしやすい

ーーなぜ「Crazy Hair Day」などイベントがあるの?

うーーん。わかりません。。。あまり深い由来は考えたことがありません。また「どうしてやるのか?」ということも考えたことはありません。

普通に「そういったレクリエーションがあるんだ」くらいの認識でした。 学校側からの「〜という意義・目的のために開催します」等の説明もなく「◯月〇日はCrazy Hair Day!」といったイベント告知のアナウンスしかないので、ただ単純に楽しむイベントと思っています。

Wacky Hair Day(提供:gracelynsmamaさん)
Wacky Hair Day(提供:gracelynsmamaさん)

ーーハワイの学校はどう?

ハワイの学校は個人の好きなことや興味を非常に大切に扱ってくれる印象があります。また、自分と他人が違う趣味や話題に興味があったとしてもお互いを尊重しあう空気があると思います。

また、親の負担の部分ですが、まず第一に学校のイベントや活動には私達のような異文化から来た家庭(日本だけでなく、中国、韓国、インド、フィリピンなど、どこでも)でも活動に参加したければ歓迎されている雰囲気の中で活動できるという点です。

そしてまた第二に仕事や個人の都合・考えでイベントや活動に参加しなくても、それはそれで尊重されるというのもありがたいです。仕事でイベントや活動に参加できなくてもぜんぜん大丈夫で、その時参加できる保護者が活動に参加すれば良いというのは本当にありがたいです。

ラニカイビーチ(提供:ケン・ノブヨシさん)
ラニカイビーチ(提供:ケン・ノブヨシさん)

親同士、先生と親、子供同士の付き合い、どのレベルでも「自分の考えで選択出来る」ということ、つまり個人の考えを尊重しあっているという点が私達にとってとても暮らしやすい環境です。 学校や担任からの要望も出来ないときには断れます。ただしもちろん、行動には責任が伴いますので、よく考えて行動するようになったと思います。


ーー投稿が話題になったけど、どう感じている?

日々、生活のことをホソボソとツイートしているのですが(普段は20いいね前後)、今回もいつもとかわらず普通にぱっと上げただけなので、それがあれよあれよと大反響になってしまったので、500超えたあたりは喜んでいたのですが、1万超えたあたりで正直「エライことになった」とただ驚くばかりでした。

そして寝て起きたら12万いいね、1万8000リツイートになっていたので、もう驚きを通り越して、呆然としてました(笑)。 でも皆さんのリツートやリプのコメントが温かいものばかりだったので、私自身みなさんにとても元気を頂くことができ嬉しかったです。

また、Crazy Hair Dayというアメリカの小学校のイベントを多くの皆さんにお届けできたので、文化発信といいますが、そういうことに一役買うことができてよかったと思いました。

提供:ケン・ノブヨシさん
提供:ケン・ノブヨシさん

クレイジーヘアーデーの他にも、パジャマデー、クレイジーソックスデーなどアメリカの学校には、たくさんのイベントがあるとのことだ。毎回アイデアを考えるのは大変かもしれないが、参加は自由とのことなので、やるなら思い切り楽しもうという雰囲気が今回の投稿から伝わってきた。
 

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。