分散、リモート、社歌“清聴”、なぜか能楽堂も…密対策のあの手この手

新年度が始まったが、コロナ禍の中で行事も新しいスタイルに変わっていた。

愛知・春日井市の中部大学の入学式では、新入生約2700人が参加したが、会場にいたのはわずか42人。コロナ対策で、学生をあわせて30の部屋に分散して式を開いていた。

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この「分散入学式」では、さらなる対策も。「起立」や「礼」の呼びかけにも別会場の学生は着席したまま。声を出すことだけでなく、動くことも最小限に抑えていた。

新入生A:
(入学式が)ないよりはいいかなって思います

新入生B:
入学式があっただけ、ありがたいです

新入生C:
リモート(授業)も増えていると思いますし、やっぱり友達と会う機会というのも少ないかもしれないので、どう関係を築いていくかが心配です

大学の駐車場でスマホの画面を眺めていたのは保護者。大学の構内にも入れないため、ライブ配信された映像で我が子の晴れ姿を眺めていた。

新入生の保護者:
本当は(会場で)見たかったです。一緒に並んで門のところで写真を撮りたかったんですけど。ライブ配信ということで本当にありがたいし、よかったと思っております

2021年は入社式や入庁式もコロナ対策。
パソコンに向かって深々と頭を下げるのは岐阜県庁の新人職員。「密」を防ぐため、リモートで入庁式が開かれた。

岐阜県庁の新人職員:
直接お話を聞きたかったのはありましたが、わざわざインターネットでやっていただいてありがたい

さらに、入庁式の回数を増やした役所も…

三重県庁では、入庁式を2回に分けて開催。「密対策」を徹底して行った。

胸を張って入庁した皆さん。早速とりかかった公務員としての初仕事は、自らが座ったイスの除菌だ。2回目の入庁式に参加する仲間のため、一生懸命初仕事に取り組んだ。

トヨタ自動車も、感染対策のためオンライン入社式。そのなかではこんな場面も…

司会:
社歌静聴を行います。声に出して歌わずにご静聴ください

<社歌>
希望に燃える~♪若人トヨタ~♪

皆さん、しっかりと社歌を「静聴」していた。

一風変わった場所で入社式を開いた企業もあった。見事な松が描かれた木曽檜造りの能舞台。名古屋城の隣にある「名古屋能楽堂」だ。

Q.この場所を入社式の舞台に選んだ理由は何ですか?
タマディックの森實社長:

将来の匠になるような、そんな人たちが沢山入ってくる会社なんですね。技術や心を伝えるために作られた能楽堂で、彼らの人生の門出を祝いたいと思って、この能楽堂を会場に選んでいます

入社式を開いたのは、設計技術会社の「タマディック」。航空機や自動車部品の設計を手掛ける老舗企業で、伝統的なものづくり文化に触れてもらおうと、能楽堂で開催した。

新入社員A:
雰囲気がすごい豪華で、いい緊張感をもって臨むことができました

設計を手掛けることになる新入社員の皆さんに、将来の設計図を描いてもらった。

新入社員B:
今これは自分がプログラムを打っている姿。調理を簡単にするような機械を個人的に作ってみたいなと思います

新入社員C:
宇宙旅行ができるような自動車だったり、常に最先端の社会に対して貢献していきたいという思いで描きました

コロナ禍の中で迎えた2度目の新年度の行事には、さまざまな工夫が凝らされていた。

(東海テレビ)

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