餅が柔らかく甘くなる?不思議な効果が…

1月も残りわずかとなったが、正月の名残が冷蔵庫に眠っていないだろうか?

油断するとすぐに固くなってしまうのが余り物の餅。しかしそんな餅が「何日経っても固まらなかった」という不思議な現象がTwitterに投稿され、ちょっとした話題になっている。

「綺麗な水で育ったわさびをすって餅につき込んだら、あら不思議!餅が固くならなーい!そして、あまーい!」
「今年は2升米に1本入れたけど、以前入れすぎた時は何日経っても固まらず、切り餅にできなかった。餅つく時には是非お試しあれ!&この原理誰か教えて」

Twitterユーザーのひらりん(@lucky_pantsu)さんによると、餅つきの際、2升の米に対して1本分の生わさびをすりおろして入れたところ「固くならない上に甘いお餅ができた」とのことで、「生活の知恵!」「そんな効果があったとは」という反応が続々と寄せられたのだ。

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この“ワザ”はそもそもわさび農家の方に「餅にわさびを入れるとカビにくくなる」という情報を聞いて試してみたものだそう。

しかし、ひらりんさんは別の投稿で「カビより固くならない&甘くなる!の不思議の方が興味深くて…しかも、カビるし」と話していて、「カビにくくなる」という効果については確認できなかったそうだ。

「餅にわさびを入れると固くならず、甘くなる」効果は一体どんな理由によるものなのだろうか。そして「カビにくくなる」という効果の真偽は?

チューブ入りわさびをはじめとしたわさび商品の開発や、本わさびの健康機能性の研究を行う金印(株)機能性ビジネス研究所に、わさびの効果についてお話を伺った。

お餅への効果は「可能性あり」

――「餅にすりおろしたわさびを入れると固くなりにくく、甘くなる」というのは本当?

実際に試したことはありませんが、可能性はあると考えられます。わさびに含まれる「アミラーゼ」というでんぷんを分解する酵素が働くことで、でんぷんが糖に分解され、柔らかく、甘くなるということだと考えられます。


――では、「餅にわさびを入れるとカビにくい」ということはあるの?

わさびにはカビを抑える「アリルイソチオシアネート」という成分が含まれておりますので、カビが生えにくくなる効果は期待できます。しかし、アリルイソチオシアネートは揮発性が強いため、袋に入れるなど密封しておかないとすぐにカビが生えてきてしまいます。

「アリルイソチオシアネート」とは、わさびを食べて鼻にツーンとくる辛味成分です。

話題となっていた「餅が固くならない」効果については、実験したことがないとのことだったが、わさびに含まれる「アミラーゼ」という酵素が餅のでんぷんを分解することで、理論的には甘みを出して柔らかくする可能性があるとのこと。

また、わさびにはカビを抑える成分が含まれているため、「カビにくい」という効果も実際に期待できるそう。投稿ではカビが発生してしまったのは、防カビ成分が揮発しやすい性質を持っているのが理由で、すぐに餅を密閉して保存すれば「カビにくくなる」効果を実感できたかもしれない。

チューブ入りより「本わさび」が効果大!

「餅×わさび」の嬉しい効果はわかったが、ポイントなのが「チューブわさびよりも本わさびの方がより効果的」ということだ。

話題となった「餅が固くならず、甘くなる」効果の他にも、金印(株)機能性ビジネス研究所がお茶の水女子大学・東北大学などとの共同研究で発見したわさびの効果には

・認知症の予防
・育毛
・花粉症軽減


などがあり、花粉症に悩まされるこれからの季節にも嬉しいが、注意したいのはこれらの健康効果はすべて「本わさび」のものだという。

一般的に手に入る加工わさびには、本わさびだけでなく、粉わさびの原料となる西洋わさびが使用されているものがあるため「健康効果を期待するのであれば、商品をきちんと選ぶ必要がある」とのことだ。
せっかくなので、意外と知らないわさびの効果について他にも聞いてみた。

加工品を食べるときも「本わさび」の表示に注目

――わさびを食べて得られる効果は、他にどんなものがある?

本わさびの成分「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」は魚のDHAと組み合わせると神経細胞を元気にする働きが強くなるのでお薦めです。わさびもDHAも認知症予防に有効とされているので、ぜひ一緒に食べてください。

また、わさびを入れると生臭さなどが消えるので、たらこパスタや納豆に入れると臭いが苦手な方はおいしく食べられるようになります。わさびで焼き肉を食べると肉の脂がすっきりと感じてもたれにくくなります。


――効果的な食べ方は…

例えば、常温タイプのチューブ入りわさびなどは、健康成分があまり含まれないので、「本わさび」と書かれた冷凍タイプや冷蔵タイプの加工わさびを選ぶ方がよいですが、健康成分の含有量も商品によってまちまちです。本わさびをすりおろして召し上がっていただくのがお勧めですが、毎日は難しいと思いますので、サプリメントなどを利用するという手もあります。

定番の「魚×わさび」にも嬉しい効果が

ちなみに、花粉症軽減のためには、一日に本わさびを5g(ティースプーン約1杯分)摂取するのが良い、とのことだ。

ちょっと嬉しい発見から見えてきた、日本人にとって身近な食材「わさび」の効果。正月は終わってしまったが、もし節分などで餅をつく機会があるのであれば、早速試してみても良さそうだ。

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