手塩にかけて育てた柿をネットで直接消費者の元へ…新型コロナで変わる青果の販売方法

新型コロナの影響で、取引先の飲食店の休業などもあり、生産者は販路を失っていた。

そんな中、収穫したての野菜や果物をインターネットを通して、消費者へ直接販売する農家が今増えている。
急成長する、生産者と消費者が直接つながるネット販売により、野菜や果物の販売の形が変わろうとしている。

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愛知・豊橋市の農家、原田愛子さんの農園で育てられているのは、今が旬の特産の次郎柿。実が硬く、それでいて甘いのが特徴だ。

この日の収穫を終え、出荷作業…と思いきや、向かったのはパソコン。「食べチョク」というインターネットサイトを通じた、次郎柿の販売を行うところだ。

原田さん:
こういうネットっていうのは、販売の範囲が広がるし、とてもいいツールですよね

野菜や果物などの販売方法は今、新型コロナをきっかけに大きく変わろうとしている。

これまで野菜や果物はJAや卸売市場を通じてスーパーなどに並び、消費者は手に取って吟味していた。

しかし、今や生産者と消費者を直接つなぐサイトが次々と立ち上がり、ネット上で野菜などを販売・購入する人が増えている。

パソコンが得意ではない原田さんも、ネット販売の波に乗ろうとサイトに登録した。

コロナピンチで様々な売り方を模索する生産者…急成長する生産者と消費者をつなぐ「産地直送サイト」

産地直送サイト「食べチョク」を運営する「ビビッドガーデン」は、3年前にネット上でサービスを始めると、今や登録している生産者は全国で約2800。コロナの影響もあり1年間で約5倍の急成長を遂げている。

新型コロナの影響で卸している飲食店も休業。直売所に来ていた観光客もいなくなり、販路を失った生産者。
一方、消費者は人との接触を避けるため、巣ごもりでネット通販の利用が増加。

そんな生産者と消費者を直接結びつけたのが、こうした産地直送のサイトだった。

食べチョクを開くと、野菜や果物の写真が、所狭しと並んでいる。

生産者の声はもちろん、実際に購入した人の感想も書かれているため、消費者は評判の良いモノを、自宅にいながら吟味することができる。

他にも「ポケットマルシェ」や「アウル」などもあり、こうしたネットサイトはコロナ禍で急成長している。

食べチョクを運営する会社の社長は、「直近ではピンチでも、長期的にみるとチャンス。多くの生産者がいろんな売り方をするようになり、消費者も生産者のことを意識するように。両者が近づくきっかけになったらいい」と話す。

農家「食べチョクは救世主」…ピンチをチャンスに、活路を見出した直販サイトから注文殺到

コロナのピンチをこうしたネット販売でチャンスに変えた農家がある。名古屋市中川区の飯田農園。こちらのミニトマトは、食べチョクを通じて多い時は月に2000件もの注文が入る。

飯田さん:
有機栽培で、糖度8.5度以上を保証している甘いトマトです。普通のミニトマトが4~5度と言われているので倍近い甘みがあります

新型コロナの影響で卸先のデパートは催事が中止。そして飲食店も休業に。廃業も考えるほど、追い込まれた中、飯田農園が活路を見出したのが、ネット販売だった。

飯田さん:
食べチョクは救世主ですね。食べチョクがなかったら継続して経営していけるかどうかわからないぐらい。すごくありがたいです

コロナの影響で飲食店などへ出荷ができなった分は全て、食べチョクによる消費者への直接販売でカバーすることができた。

その日に収穫した鮮度抜群のトマトに、感謝の一言を添えて発送する。消費者へ直接販売できるからこそ、こういった計らいもできる。

また、買った客からの感想も、聞けるようになった。

飯田さん:
トマト嫌いだったお子さんが、これを食べて食べられるようになったとか。お体を大切にというコメントも頂けるので

客から寄せられる声は嬉しく、作る励みにもなっている。

農家「柿を余すことなく届けられてありがたい」…新規登録した農家にも全国から注文

ネット販売で販路を拡大しようと、食べチョクに登録した柿農家の原田さん。サイトに載せてから1週間後、柿に注文は入ったのか…。

原田さん:
たくさんあって大変。東京が多いです。大阪、北海道もありましたね

発送作業に追われる原田さん。まだそれほど知名度はないが、それでも1週間で全国から15件の注文が入った。

原田さん:
ありがたいですね。柿が余すことなく皆さんに届くので。食べてみたら「おいしかった、また次も頼もう」となってくれたら嬉しいですね

今日も、原田さんの育てた自慢の柿が、消費者のもとへ届いている。

(東海テレビ)