コロナ禍で今、ある場所が仕事場として注目されている。

ココ調取材班:
こちらで何をされているんですか?

男性A:
業務の仕事をやっています

男性B:
今、車の中でテレワークしています

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そう、みなさんが行っているのは車の中でのテレワーク。
SNSには「車の中でリモートワークが快適」「集中できる」など、たくさんの投稿があった。

コロナ禍で推奨されるテレワークに今、「車」という選択肢が注目されている。中にはテレワーク用にDIYする女性も。
今回の「ココ調」は、コロナ禍で続々登場する車内テレワークを調査する。

仕事場は自宅から30秒 会社員男性に密着

午前9時ごろ。

田中仁彌さん:
行ってきます

子どもたち:
いってらっしゃい

会社員の田中仁彌さんが自宅マンションを出て向かったのは、徒歩約30秒にある駐車場。

ココ調取材班:
ここで何をされるんですか?

田中仁彌さん:
仕事です。コロナのタイミングから、うちの会社ではテレワークを推奨しているので

仕事場は車の中。緊急事態宣言が出た4月から、車中でテレワークを始めた。

車の中はテレワーク仕様になっていて、シートを倒して取り外し可能なテーブルを置き、仕事をしやすくしている。

後部座席に乗り込んだ田中さん。まずはパソコンをセッティング。

午前10時15分ごろ、資料を作っていると…

ココ調取材班:
今コートを脱ぎましたね

車内の温度は10℃と、車外と比べると4℃ほど高いので暖房がなくても快適だという。

そして、午前10時30分ごろには…

ココ調取材班:
助手席の方に身を乗り出して何か手に取りました

手に取ったのはヤカン。スープの素を入れたカップに、ガスコンロでわかしたお湯を注ぐ(※車内で火気を使用する際は換気が必要です)。

続いて、カバンからはおにぎりを取り出し、早めのランチ。

そして午前11時ごろ、スマホを手に取って…

田中仁彌さん:
あ、お疲れ様です

電話で打ち合わせを始めた。

田中仁彌さん:
ランチもこういう形で済みますし、コスパも最高ですね

車内テレワークに必要なモノを教えてもらうと…

田中仁彌さん:
やっぱりこれですかね、電源

特別定額給付金を利用して、20万円弱で買ったポータブルバッテリー。

電子レンジやドライヤーが使えるほど大容量で、エンジンをかけずに仕事ができる。

しかし、なぜ家ではなく車で仕事をするのだろうか?

田中仁彌さん:
営業なので商談をすることが多くて。家もそんなに広くないので、シェアオフィスとかあるんですけれども、まだまだ密になっている

シェアオフィスは、コロナ禍で利用者が急増。
車の中の方が、電話やWEB会議をしやすいという。

仕事をしやすくするため…どんなアイテムを使っている?

ココ調取材班は、他にも車内テレワークをする方をSNSで発見。

開発コンサルタントのjimnimesiさんは、ホームセンターで980円で買った板をダッシュボードに設置し、パソコンを置いて仕事をしている。

システムエンジニアのpolidogさんは、ポータブルバッテリーとパソコンだけで車内テレワーク。

スズキやトヨタなど自動車メーカーも提案

また、自動車メーカーなど各社も車内テレワークを提案している。

徳田総一郎アナウンサー:
「テレワークパーク実証実験駐車場」と書いてありますね

ここでは、自動車メーカーのスズキなど浜松市の複数の企業と市が、車内テレワークの実証実験を行っている。

実際に車内で仕事をしてみて何が必要なのかを検証し、電源の供給場所を増やす必要があるなど、改善点が見えてきたといい、2021年の一般公開を目指している。

トヨタ自動車など複数の企業が参加するグループ「MONET Technologies」が開発したのは、車内レイアウトを工具なしで自由に変えられる「マルチタスク車両」。

USB電源はあわせて20個。

外部バッテリーを搭載しているので、エンジンを止めたまま仕事ができる。

日産自動車は、ホームページで車内で快適にテレワークができるDIYグッズを公開。

これはダンボールでつくるデスク。実際に作ってみると、あっという間に完成した。

ハンドルに取り付けることができるため、デスク作業がはかどる。

また、トヨタレンタリースの新埼玉店では、パソコンテーブルを法人会員限定だが無料で貸し出している。

そして、個人向けのキャンピングカーやバンのシェアサービスを全国展開する「Carstay」。

元々、アウトドア需要がほとんどだったが、今ではテレワークをする人にも貸し出している。

働く女性が中古車をDIY

続いて、車内テレワークのためにDIYしている女性を取材。

澤野優美子さん:
私の車はあちらです。あの白い商用車のバンが、私が今改造中の夢のリモートオフィスカーになります

澤野さんは旦那さんとお子さんが2人の4人家族。企業の広報や営業をサポートする仕事をしている。そんな澤野さんは、テレワークのために車を購入。

澤野優美子さん:
30万円で買いました。内装と外装含めて10万円の予算でやってみようと考えています

中を見せてもらうと…

澤野優美子さん:
こっち側の方に机か何かを置いて、こういう向きかこういう向きでデスクワークができるようにしたいなと思っています

さらにこんなモノも…

澤野優美子さん:
これはですね、おままごとキッチンなんですけど。本物の水栓に変えて電動ポンプを設置して、蛇口を開けばそこから水が出るようにできます

おもちゃをリメイクし使えるようにして、1日中車の中でテレワークできるようにする予定だという。

澤野さんが作業しているのは、自宅ではなく工務店。

澤野優美子さん:
スプレー類で下地を塗ったりする時に、家だと近くのおうちの車に飛んだりしないか心配で

塗料が飛散する心配もなく、工具の騒音も気にならず、作業スペースが広いこの場所で作業しているのだ。

工務店の方にも話を聞くと…

スターホーム アースフィールド事業部 北澤和典さん:
バンを改造する方がけっこう増えているので、そういう方のために場所を提供できればと今考えています

澤野さんにとって車内テレワークの魅力は?

澤野優美子さん:
家にいると家事が気になっちゃうんですよね。「夕飯の支度しながら仕事しようかな」とか

澤野さんの場合、以前利用していたコワーキングスペースは月約2万円。車が完成すれば、駐車代や保険料などで約1万5000円ですむという。

さらにこんなメリットも。

澤野優美子さん:
移動もできるということで、どこで働いても全く影響がない

移動して好きな場所で仕事ができることも、魅力のひとつだ。

モータージャーナリストの丸山誠さんによると、車のDIYをする際の注意点として、テーブルやベッドを設置するためにシートなどを取り外すのは違反になるため、事前に運輸局などに確認するのがよいということだ。

ルールを守って、快適な車内テレワークを実践してほしい。

(「めざましテレビ」『ココ調』12月22日放送分より)

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