お笑いコンビ爆笑問題の太田光さんが、「大学に裏口入学した」とする週刊新潮の記事で名誉を傷つけられたとして訴えた裁判で、東京地裁は「十分な裏付け取材を行ったとは言いがたい」として新潮社に440万円の支払いなどを命じる判決を言い渡した。

判決後、太田さんは記者会見を行い、今回謝罪広告については認められなかったことや父親への思いを語った。
 

ーー今回の判決で謝罪広告の掲載が認められなかったことについての受けとめは?

太田光さん:
電車の中吊りということに関しては、非常に人の目につきやすいんで、それだけ読んで本誌を見ない人も多いと思う。本誌を見てもらいたくもないんですけど。

だからそういう意味では「太田裏口」っていうのが印象に残って、それがもうずーっとね今日こうやって記者会見してますけど、私が説明してもそれも見ない人もいますし、そういう意味ではちょっとそこに載せていただきたかったなというのはありますけど。

よく我々タレントは誤報であっても、謝罪が本当にこんな一行だったりそういうのはちょっと理不尽だなという思いはありますが、その分私は結構テレビで露出もありますんでね。そういう意味では別に週刊新潮はもう私がもう世界一好きな雑誌なんで、そこの誹謗中傷するつもりはありませんが、「あの記事は一応法廷では認められなかったんだよ」ということは事あるごとにですね。ラジオテレビで一生言わさしいただこうかなと。そこでトントンかなと言う感じで今受け止めております。


ーー440万円の金額については?

本当にこれは僕個人の思いとタイタンという事務所が裁判ではっきり白黒はっきりさせなきゃならないということとは若干やっぱり違ってきてて僕は金額はもう別にね。
お金を取りたいということではないんですけども、社会的意義としてこういうことが前例となることはすごく重要なので440万円もらっても私には一銭も入らないわけで。何しろ小遣い制ですからね。

だからそういう意味では金額に関しては特に僕自身が思うことはないんですけども。


ーーお父様の名誉についても訴えていたが受け止めは?

親父に関して言うと僕が一番、めったに怒ることはないんですけどあの記事で一番嫌だったのは嫌だというか、うちの親父の名刺ですね。名前の入った名刺をあの誌面の一番真ん中にどんと置かれた。

生前あんま親孝行できなかった自分としては、死んでからもさらに親父の名誉を傷つけたっていうのは新潮社がというよりは僕自身が親父の名誉を傷つけたっていうのがなんともその、自分でもどかしいというか申し訳ないというか。その点に関しては理解してもらいたいなと。

こういうことはあんまり、いくら雑誌を売るためであってもしてほしくはないなという思いがあって、それが週刊新潮さんの編集長さんにその思いが届いていればいいなという希望はあります。それはどうだかわかりませんが。

ーー裁判を起こしたのはやはりお父様への思いが一番強かったから?

そうですね。僕自身としてはそうですが、いわゆるタイタンとしてうちの社長がやるその思いと僕自身の思いの強さでいうと、その順番としては若干違うかもしれないですけれども、僕自身としてはやっぱそうですね。
親父への思いが一番強かったかもしれないですね。といってもそれほど親孝行でもないんだけどね。

会見する爆笑問題 太田光さん
会見する爆笑問題 太田光さん
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問題の記事は、2018年週刊新潮に掲載されたもので、「太田さんが日本大学芸術学部に裏口入学した」などと報道されていて、この記事について太田さんは、「事実無根」と主張し裁判を起こしていた。

きょうの判決で東京地裁は、「取材源である匿名の人物の陳述について十分な検討や裏付け取材を行ったとは言いがたい」などと指摘し、新潮社に対しインターネット上の記事の削除と440万円の支払いを命じた。

新潮社は判決を不服として、控訴する意向。

プライムオンライン編集部
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