日本製紙は6日午後、会見を開き、7月の熊本地震で被災し操業を停止している八代工場について紙やパルプの生産再開を断念することを明らかにしました。その一方で、工場自体は存続させる方針で、新たな事業の可能性を検討するということです。
【日本製紙 瀬邊 明社長】
「グラフィック用紙、パルプ事業は八代工場での生産は終了いたします」
日本製紙八代工場では7月の熊本地震で3本の煙突が損傷。うち1本が倒壊し、従業員など9人が亡くなりました。
八代工場では紙の原料となるパルプのほか、新聞用紙や雑誌などに用いられるグラフィック用紙を生産。
特に新聞用紙は、九州で唯一の生産拠点となっていましたが、地震で被災し現在、操業を停止しています。
【日本製紙 瀬邊 明社長】
「祖業であるグラフィック用紙、パルプ事業の終了は私どもにとって本当に重い決断だが、これからも地域の皆さまと共に新しい歴史を積み上げていきたい」
日本製紙の瀬邊 明社長は会見で、事業終了の理由について「工場の被害が非常に甚大で復旧には相当な費用がかかる見込みであり、元に戻す形での復旧は極めて難しいとの判断に至った」と述べました。
その一方で、工場自体は存続させる方針で、八代工場の強みを生かした新たな事業の可能性を検討するとしました。
【日本製紙 瀬邊 明社長】
「(新たな事業の)ベースになるものとして、私たち、100年間お世話になってきた九州の森林資源、国産材を活用することが基盤、ベースであることは間違いない」
また、日本製紙は八代工場で勤務する従業員約400人について、配置転換などによる雇用の確保に最大限努めるとし、400人以上いる関連会社の従業員についても
雇用への影響緩和に取り組むとしました。
【八代市民】
「八代で1番目か2番目に大きい企業なので、〈続けてもらわないと困るな〉と思っていた」
【八代市民】
「ここで新聞紙を作っていて、それがなくなるのは、やっぱり寂しい」
「〈誇りだな〉と思っていた。八代市民としては」
八代市の小野 泰輔市長は「八代工場は市の産業と雇用を支える重要な拠点で、工場の再開と地元取引先や関連企業の事業継続・雇用の維持に向け全力で取り組んでいく」とのコメントを発表しました。
また、木村知事も「日本製紙が八代工場の新たな将来構想の具体化に取り組むなど
八代からの撤退はないと表明されたことは歓迎します。八代工場の再生は被災地の創造的復興の象徴であり、国や八代市、関係機関と連携しながら最大限の支援を行うとともに、雇用の維持に向けた支援にも万全を期して参ります」とのコメントを出しました。
